2026年7月3日金曜日

ラリー・C・ジョンソンのSONAR21:アメリカの戦略石油備蓄(SPR)にサワー原油が残り9日分しかないってマジか?

https://sonar21.com/only-9-days-of-sour-crude-left-in-the-us-spr/

アメリカの戦略石油備蓄(SPR)にサワー原油が残り9日分しかないってマジか?

2026年7月2日 ラリー・C・ジョンソン

この記事のメインに入る前に報告や。2月28日の米・イスラエルによる攻撃で死亡したイランの最高指導者、アリ・ハーンの遺体がテヘランに到着したで。これで1週間の追悼式が始まって、各地で別れを告げた後、7月9日にマシュハドで埋葬される予定や。ロシア、中国、インドを含め、100カ国以上の代表団が参列する。

ローラ・ルーマーちゅうやつが、この集まりをイスラエルが攻撃して新しいアヤトラを殺せとか言うとる。こんな攻撃をしたら、イスラエルの存続そのものを脅かすような報復を招くってことが、あいつは理解できてへんのやろな。イスラエルは向こう見ずな攻撃をする前科があるけど、さすがにビビ(ネタニヤフ首相)と将軍連中もそこまで頭がイカれてるとは思えへん。

さて、本題の石油の話や。2026年6月のG7サミットでトランプが世界の石油供給について言ったことを思い出してほしいんや。

「ホルムズ海峡が封鎖されたままなら、石油はあと4週間分しか残っていない。今すぐ海峡を開けさせないと。これでは持続不可能だ」

この発言を聞いたほとんどの人が、スイート原油とサワー原油の両方のことやと思ったやろ。違うんや。これは全部、ディーゼルや航空燃料の元になる「サワー原油」の話なんや。

2026年3月11日、クリス・ライト・エネルギー長官は、アメリカによるイランへの攻撃で原油価格が上がったから、SPRから約120日間で1億7200万バレルの石油を放出すると発表した。この放出ペース、つまり1日約140万バレルで計算すると、放出分としてのサワー原油は120日以内に底をつく。ペルシャ湾からの代替供給が喜望峰回り(アフリカ大陸経由)で来るとしても、早くても夏の終わりや。計算してみるで。3月20日、4月30日、5月31日、6月30日で合計111日。つまり、SPRに残ってるサワー原油はあと9日分ってことや。

なんで経済にとってスイート原油よりサワー原油の方が大事なんか? 直感に反するかもしれんけど、硫黄分が多くて「悪そう」に聞こえるサワー原油こそが、ディーゼルやジェット燃料を作る複雑な米国内の精製所には不可欠なんや。硫黄のせいだけやなくて、高硫黄原油に伴う分子構造の特性が重要なんや。つまり、サワー原油がないと精製所は燃料を作れへんのや。

ペルシャ湾産のサワー原油(アラブ・ライト、バスラ・ライト、クウェート・エクスポート、マーズ・ブレンドなど)には、共通の特性があるんや。

中程度のAPI比重(28~34度): これが肝や。蒸留塔で原油を分けるとき、ディーゼルやジェット燃料になる中間留分(沸点155~360度)を取り出すには、この重さがベストなんや。軽すぎるとナフサやガソリンばかりになるし、重すぎると真空軽油とか残留燃料油ばかりになる。アラブ・ライトなら約30~35%がこの留分になるんや。

適切な分子構造: 硫黄を取り除いた後、そのままディーゼルのセタン価やジェット燃料の凍結点として十分な品質を確保できるんや。

SPRのサワー原油が尽きたら、アメリカには代替供給源がない。つまり、輸入に頼るしかないんや。

トランプがイランと覚書(MoU)に署名した理由は、サワー原油の流れを再開させるためや。水曜のインタビューでJD・バンスが「MoUに署名した唯一の理由は備蓄の立て直しだ」と認めた通りや。でも、ペルシャ湾から出てる石油はアメリカに向かってへん。ロイターによると:

世界最大の石油港であるサウジアラビアのラス・タヌラが、4カ月近く停止していた積み出しを金曜に再開した。サウジ国営企業は積み出しを増やしてアジアへ向けて出荷しとる。米イランの暫定合意後に120ドル近くから70ドルまで下がったブレント原油の供給過剰に拍車をかけてるんや。

サウジは自社のタンカー船団を使って貨物を届けつつ、アジアの顧客に対してスポット価格で提供して需要を取り込もうとしてる。ラス・タヌラで積み込まれた少なくとも5隻のスーパータンカー(計1000万バレル)がホルムズ海峡を出た。そのうち2隻は日本、もう2隻は中国に向かってるんや。

金曜にタンカー船団がペルシャ湾を出たとしても、アメリカに着くまで少なくとも42日はかかる。つまり、7月12日から少なくとも8月23日まで、アメリカはサワー原油が深刻な不足状態になるんや。その期間、ディーゼルや航空燃料の価格が跳ね上がる可能性が高い。これでトランプがなぜイランと覚書を交わしたか分かったやろ?

あと、ロシアとNATOの緊張やけど、火曜にバルト海で制裁対象のタンカーを護衛していたロシアの軍艦が、ドイツの沿岸警備船と衝突しそうになったとフィンランド紙が報じてる。まあ、物理的に接触はしてへんみたいやけどな。制裁対象の「キラK」というタンカーが航行中、ドイツの船が近づいたんや。そこにロシアのコルベット艦「ソブラジテリヌイ」が高速で接近して、「こちらはロシア軍艦531だ。キラKから離れろ」と警告した。ドイツ側は退いた。

こういう事故がそのうち本格的な交戦にエスカレートするのは時間の問題やと俺は思うで。マリオは、ハーンの葬儀の間にモサドがイラン指導者の暗殺を狙うことを懸念してる。

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