2018年10月16日火曜日

日本を見習おうではないか!って。

https://www.zerohedge.com/news/2018-10-15/lets-be-japan

「ケツがクソまみれなくらいクレイジーな」対GDP比率236%の債務を背負った日本国家。他ならぬ日本人である小林慶一郎さんは「これじゃアメリカの国家財政はもたないでしょ。」と言っているのだが、借金レベルのクレイジーさと、1998年から経済成長が2%を超えたことがなく、少子高齢化で生産性が落ち込みっぱなしの日本を見ると安心できる、っていうことみたいだな。
ゼロ金利を上げることができないのは国家債務のせい、というのが著者の見立て。ま、そりゃそうなんだろうな。大変な借金を背負っていて、金利があがったら死活問題だから。
景気刺激策もここまで続いてここまで効果がないのも驚くべきだけれど、その景気刺激策が途絶えたらどうなるのやら。
「何をやってもダメだったんだけど、これ以上ドツボにはならないんだから、つぎはどんなふうになるのか楽しみにしようじゃないか?」っていうのが結語。

2018年10月6日土曜日

カイザーリポート第1287回 ゾンビ

https://www.youtube.com/watch?v=7O23mmbbZRw

BIS(国際決済銀行)というのは連銀とか欧州中銀とか日銀なんていう中央銀行にもいうことをきかせられる銀行の親分です。そのBISのレポートにいわく、世界のゾンビ企業(とっくの昔に死んでいるのになぜかまだ生きている企業)はだいたい12%くらいの割合であるそうですが、アメリカではそれが15%に上昇している。なんでゾンビが死なないかというと、
「低金利のおかげである」
と云々。

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さてわが国では「人手不足倒産する企業が増えている」とメディアに嗅いてありますが、これは説明不足。もっと時給をあげたら働きたい人はなんぼでもいるのだから、人手不足で倒産するというよりは、まっとうな賃金を支払うことができない=すでに死んだも同然のゾンビ企業が倒産しているだけであって、人手不足で倒産したのではない。
・まっとうな賃金を支払うことができないゾンビ企業が倒産している。
・ゾンビが死なないのはゼロ金利政策のおかげである。しかしゼロ金利のおかげで市中銀行がゾンビ化している。
・ゼロ金利の恩恵を被っているのは一部の大企業と株式市場。株価が高かったら経済が好調というのは神話にすぎないのに。
・大企業はゼロ金利で調達したローコスト資金で自社株を買い上げている。株式市場が好調なので時価総額が膨れ上がり、自社株を買い上げることでさらに時価総額が膨れあがる。株主や市場に対していい顔ができるけれど、ぜんぜん生産的ではない。業績と生産がぜんぜんむすびついていない。
・株式市場はハイパーネズミ講状態なので、崩壊するまでに売り逃げしなければならない。若い人たちが株を買いやすくするためのスマートフォンアプリなんかが出ているそうだけれど、近未来の被害者を全力で獲得しようとしているにすぎない。

・・・こんなことをメディアは安倍政権に忖度してなのか、ぜんぜん書かない。

それにしても、日本の最低賃金が800円前後というのがいったい何年間続いているのだろう?派遣法はどんどん拡大改訂されてきたけれど、おそらく大きな改訂だったのは2004年。
もうこのころから日本の多くの企業は賃上げに耐えられなくなり、ゾンビ化していたんじゃないか。

いっぽうでトランプさんの政策では、自動車産業は時給16ドル(1800円)以上の時給をだす企業から部品を買わないといけない云々のはなしと聞く。こういう外圧は大歓迎なのだが。