2017年12月27日水曜日

カイザーリポート 第1167回 高級ハンドバッグ市場

http://www.maxkeiser.com/2017/12/kr1167-keiser-report-the-luxury-handbag-market/

タイトルは後半の話題です。ひとつのハンドバッグを6万5千ドルたらで売る人の話。

おもしろいので声を出して笑ってしまい、そして考えさせられたのが前半のマックス・カイザーとステイシー・ハバートの夫婦の掛け合いです。話題はビットコインのこと。

マックスはビットコインを「ブラックホール」といいます。そのうちにあらゆる資金を吸いこんでしまう、といいながら本当に世の中はそういう流れになっています。
これはマックス・カイザーに先見の明があるとかそういうレベルの話ではなく、サトシ・ナカモトがデザインしたビットコインのフィロソフィーそのものに根ざしていると考えられます。

我が輩の妄想として、国債市場やゴールドなどレアメタル市場やFX市場で流れているマネーが、つまり中央銀行が摺りまくって銀行を通じて大組織に流れがマネーが、年金機構など政府系投資機関、生命保険やヘッジファンドなど民間投資会社、そして大企業の年金組合など、とにかくマネーを動かして利得を稼ぐことを課された組織のファンドマネージャーによってビットコインに投資され、ビットコイン市場が膨れに膨れあがったある日それが消滅してしまい、格差が一挙に解消されるという夢です。

夢なのかな?

2017年12月18日月曜日

カイザーリポート第1163回 斜陽のアメリカ帝国

http://www.maxkeiser.com/2017/12/kr1163-keiser-report-american-empire-entering-decline/

とっぱしの話題はオバマケア。テキサスに住む中産階級熟年カップルは健康保険に毎月2100ドルを払うことになっていましたが、離婚するか、あるいは収入を30%カットすることで月々の保険料が87ドルになったそうです。30%カットというのはつまり働く時間を増やし、家でのんびり本を読んだりしていれば月々2000ドルが失われないということ。この格差社会はどうなっているんだ・・・とステイシーは嘆いています。

次の話題は傭兵企業ブラック・ウォーター(改名してアカデミー、さらに改名して・・・今は知らない)のエリック・プリンス、スティーブ・バノンの親友であり、妹はトランプ政権で教育担当国務大臣。そのエリック・プリンスがアフガン戦争を民営化するというアイデアをウォール・ストリートジャーナルやファイナンシャルタイムズやブルームバーグで堂々と語っているそうです。いわく、東インド会社モデルである、と。
東インド会社は民営企業でありながら軍隊を持ち、植民地を拡大しました。それと同じことをプリンスはアフガンを舞台に展開してはどうか?と議論しているというわけです。




・・・。
マックス・カイザーは彼の解釈として、つまりアフガンをLBO(レバレッジド・バイアウト)の対象にするってわけだ、と言います。レバレッジド・バイアウトというのは、乗っ取ろうとする企業の資産を担保に金を借りて株を買い占めること。つまりアフガンに埋もれているレアメタルを担保にして資金を調達し、アフガンを乗っ取ろうという計画です。
ディック・チェイニーがイラクの石油資源を担保にイラク戦争をやったのも、リビアでヒラリーがやろうとしたことも同じ構造だとマックスはいいます。そしてそれらについて透明性はいっさいないし、どのメディアも掘り下げようとしない。

・・・。
こんな時代錯誤の計画を天下のメインストリームメディアを舞台に語っていること、それをステイシーは問題にしています。

ちなみにエリック・プリンスの会社は上海かどっかで上場しているので、レアメタル市場を取り仕切ろうとしている中国に取り入るのに最適の環境・・・とプリンスは考えているようです。人民解放軍特殊部隊OBを雇ったりするんだろうな。

後半のゲストはマーシャル・オールバック。エコノミストです。
落ち着いて状況を説明しようとするオールバックに対し、たたみかけるように質問と意見をぶつけるマックス。いつものことながらマックスはすばらしい速さで理解し、「そしたらこれはどうなんだ?」とたたみかけます。

オールバックさんが面白いことをいいます。
ひとつはMMT(モダン・マネタリー・セオリー)。
これは貨幣発行権をもつ政府が貨幣的な制約を受けないところで、しかしながらリアルな資源の制約のみを受けるところでどういうビヘイビアをするか研究するという学問だそうです。特徴的な現象のひとつはゼロ金利です。

このゼロ金利についてオールバックさんは理論的に説明しようとしますが、マックスはそのゼロ金利がゾンビ銀行を行きながらせていると、話しているうちにコーフンしてきます。まるでエコノミストが経済政策のもたらす修羅場をまるでわかっていないで理論だけもてあそんでいることに怒っているかのようです。話題はマネー・ベロシティー、そして資金供与にうつります。

マックスいわく、銀行は資金供与なんかよりも中央銀行とだけ向かいあっている、といいます。ゼロ金利という餌につられて中小企業のほうをまったく向かなくなった銀行、というわけです。

オールバックさんもまた面白いことを言います。経済政策を決めるのはいったい誰なんだ?という議論のつながりで、
「エコノミストは多かれ少なかれ政治的アジェンダをもっている。だから統計数字のいいとこ取り(チェリーピッキング)をする。」
「どうして仮説ばっかり弄んでないでリアルな制約について議論しないんだ?」
「それをやろうとしているのがMMTなんだ。」とオールバックさん。
「金本位制はどうなんだろう?」
「金本位制がいいとは限らない。歴史的に金本位制の100年間に5回の不況があった。」
「資本主義がいいのか、それともオムツをつけた社会主義がいいのか?」

・・・どうやらふたりの議論はこれからも続きそうです。

2017年12月13日水曜日

カイザーリポート 第1161回 ビットコインフューチャー市場と仮想通貨の将来

[KR1161] Keiser Report: Bitcoin Futures & Future of Cryptocurrencies
http://www.maxkeiser.com/2017/12/kr1161-keiser-report-bitcoin-futures-future-of-cryptocurrencies/

中華喰うかと間違えて投稿してしまった・・・・失礼。

さて今回の名言を列挙:
マックス・カイザー「通貨っていうのは第一に人々が交易し繋がるコミュニケーション手段なんだ。そこのところをサトシ・ナカモトもいまいちわかっていない。」
・・・そうか。土地を持つことを許されず、コミュニティーの隙間で生きていかなければならなかったユダヤ人が金融、貨幣、そしてメディアを支配したというのは、コミュニケーションというラインで筋が通っていたんだ。

後半のノース・キャロライナの民主党の人いわく「いまや選挙民が議員を選ぶんじゃなくて、議員が選挙民を選んでいる。」・・・ここの選挙区の境界線をこういじったらどちらの党がこれくらい得票できる・・と、権力を握った議員たちが選挙区を自分たちの党の都合のいいようにする時代のことを描写しています。

もうひとつ。同じく民主党の人から。
「ヒラリーはじめネオコンはすでに死んでいる。ヒラリーが動いているのは死後硬直みたいなもんだ。これからミレニアムと女性の時代だ。」



2017年12月12日火曜日

カイザーリポート 第1160回 トレーラーハウス

[KR1160] Keiser Report: ‘Manufactured Homes’

最近たてつづけに災害に見舞われたアメリカではトレーラーハウスもといモバイルホームもといマニュファクチャードホーム(この呼びかたが政治的に正しいらしい)の価格が急上昇しているそうです。大学の授業料もこの30年で平均161%あがっています。ステイシーの学校では260%。大学を出てもトレーラハウスを買うのに何年かかるんだ!と怒っています。

なぜトレーラハウスの価格が急上昇したのか?それはキッチンやら玄関やらいろいろなオプションをつけるようになったからです。そのマニュファクチャードホーム製造企業の大株主は投資界の賢人ウォーレン・バフェット・・・。

さて後半のほうがおもしろい。ゲストとのやりとりで興奮したマックスがいろんなことを喋りまくります。特に面白いのが第二次大戦のとき、ウォルト・ディスニーがナチスの宣伝に協力し、コカコーラがナチスのためにファンタを製造し、IBMが強制収容所のユダヤ人の刺青のためにバーコードを開発し、JPモルガンがナチスに資金供与をしたこと。そしてブッシュ家とつながる金融資本ブラウン・ハリマンも。

++++
ちなみに我が輩が母校に払った年間授業料は3万6千円でした。いまは80万円くらい。40年間で22倍。1年上の先輩は1万8千円だったので41年間で44倍。アメリカのほうがマシやね。

カイザーリポート 第1159回 税金専制政治

Keiser Report: Tax Tyranny (E1159)

ふたりとも怒っています。アメリカのいくつかの都市がアマゾンみたいな株式会社に地方自治体を運営させようとして、税金を株式会社に差しだすようです。

たとえば兵庫県西宮市がグリコ株式会社に市政運営を任せる。グリコ株式会社の役員が市長として市役所に君臨し、議会もグリコの社員が多くを占めて住民税の使途を決める。その結果、市立体育館はグリコ体育館になり、ヨットハーバーはグリコハーバーになり、北山水源地はグリコ水源地に、満池谷霊園はグリコ霊園になる。大関も白雪もグリコと資本提携する・・・てな感じかな。

マックス・カイザーとステイシー・ハバートが怒っているのは、民主主義を株式会社に売り渡すというそのメンタリティーと、その事実です。

2017年12月8日金曜日

最近のゼロヘッジ

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-07/blackwater-founder-erik-prince-obama-put-me-under-illegal-surveillance-and-leaked-it

ブラックゥオーター(改名してアカデミー、それから改名して・・・いまの名前はよくわからんのだが)の創始者エリック・プリンスがホワイトハウスに監視されていたと文句を言っておるらしい。退役した特殊部隊の精鋭たちを人材としてブラックウォーターに供給したのみならず、アフガン戦争を長引かせてブラックウォーターの傭兵をたくさん雇い、アヘン栽培の警備をさせてたいへんな利益をもたらしたにもかかわらず、オバマにそんなに儲けさせてもらってまだ文句を言っている死の商人である。

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-07/fbi-deputy-director-mccabe-told-agents-lie-about-benghazi-investigation-says-gop-law

駐リビア大使のクリス・スティーブンスが殺されたベンガジ事件。FBI副局長が局員たちに対し、ベンガジ事件のことについて事実を語らないように指示していたことが発覚。シリアの反アサド軍(イスラム国も当然のことながら)にアメリカが武器を供給するハブだったのがベンガジ(といわれていた)。そこで大使閣下じきじきにベンガジに出向いたところ領事館もろとも焼き殺されたというはなしです。ちなみにクリス・スティーブンスはピースコープス(日本の青年海外協力隊)出身者でアラビア語に堪能。ベンガジ領事館がテロリスト(どっちが?)に攻撃されていたそのとき、国務長官ヒラリー・クリントンは自分の携帯で商売メールばっかりやっていて、特殊部隊を何時間も何時間も待たせたという。生臭い話だ。

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-07/us-credit-card-debt-surges-above-1-trillion-just-shy-all-time-highs-student-car-loan

アメリカ国民の借金総額がついに1兆ドルを突破。学資ローンと新車ローンが推進力(って言っていいのかな?)。

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-07/tensions-escalate-indian-drone-crashes-china

インドのドローンが墜落したのが、中国が中国領と主張している場所だったらしい。中国が中国と主張している場所なんてどこにでもあるのだから、要するにどんなことでも因縁をつけるというヤクザ国家らしさだ。

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-07/irresponsible-unwarranted-saudis-condemn-trumps-jerusalem-recognition-warn-serious-c

トランプがイエルサレムを首都認知したことで白痴NHKもなんか言っておるのだが、その数時間後にサウジに対し、イエメン封鎖をやめるように勧告している、っていうのは初めて聞いた。もちろんNHKが言うわけない。

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-07/imf-stress-test-finds-280-billion-black-hole-chinese-banks-capital

IMFが中国の銀行のストレステストを勝手にやったところ、相当ヤバいことがわかったのだという。なんだかんだ言って中国はバブルも破裂も暴力的に抑えるだろうな。

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-06/san-diego-continues-desperate-attempt-control-hepatitis-outbreak

サン・ディエゴでA型肝炎が爆発的流行なのだと。ちなみにアラバマでは鉤虫症が流行しているらしい。アラバマでは生活排水について公共下水道に接続しない場合、自前で何百ドルもかけて浄化槽を設置しなければならないという法律がある。しかし貧しいアメリカ人たちはそんな費用が払えないので、おばあさんが逮捕・勾留されたこともあるという。けっきょく貧しいアメリカ人たちはインドのスラム街のような衛生状態で暮らしているので、鉤虫症が流行する。ビル・ゲーツなんてアフリカの結核を云々している場合とちゃうんやないか?ってマックス・カイザーが言ってた。

http://www.zerohedge.com/news/2017-12-07/heres-what-next-big-middle-east-war-will-look

来るべき中東大戦争はどうなるのか?という内容。イスラエル対ヒズボラ、というのが主軸のようです。

2017年12月1日金曜日

カイザーリポート 第1156回 アメリカ税制改革は闇勢力がやりたい放題

http://www.maxkeiser.com/2017/12/kr1156-keiser-report-fetid-swamp-of-us-tax-reform/

タイトルの内容はおもに後半、OfTwoMinds.com のチャールズ・ヒュー・スミスさんのインタビューで言及されます。

前半ではまずイギリスの好景気なるものの実態、すなわち半分くらいの富が不動産投資に流れたことがデータで語られます。(ちなみにアダム・スミスはイングリッシュじゃなくてスコットランド人だったらしい。初めて知りました。)
つぎにトランプさんが破棄した北米自由貿易協定(NAFTA)について。1990年代のなかばにNAFTAが発足したとき、メキシコが自由貿易協定に期待したのは賃金レベルがアメリカ並みになること。しかし実態は、
自動車産業ワーカーの1時間あたりの労働コストはアメリカ23.83ドルに対しメキシコはわずか3.29ドル。(ちなみにドイツ26.25ドルに対し日本は14.88ドル。スペインに負けてます。)おまけに輸出の81%がアメリカ向け。そして食料の37%をアメリカから輸入しています。とうもろこしの1/3、豆の30%〜50%、コメの80%をアメリカから輸入。


自由貿易はほんとうに国と人民を豊かにするのかな?