2017年11月20日月曜日

カイザーリポート 第1151回 大量金融破壊兵器がカタールを襲った

[KR1151] Keiser Report: Will Weapons of Mass Financial Destruction Be Used against Qatar?
http://www.maxkeiser.com/2017/11/kr1151-keiser-report-will-weapons-of-mass-financial-destruction-be-used-against-qatar/

前半はマックスとステイシーの掛け合い。カタールがFIFAを開催するのに嫉妬したUAEがルクセンブルクに本拠を置くイギリス系の銀行ハヴィランドのプランにもとづいてカタールに金融テロをしかけた、という情報がリークされました。リークされたのは在イギリスUAE大使のメールなので言い訳のしようがない。カタールはキャッシュをたんまりもっているので影響があったとはいえ壊滅的ではなかったようですが。

後半は前回にひきつづきジャーナリストのマックス・ローゼンタールのインタビュー。彼は名前からもわかるようにユダヤ系で、少年のころは「ナチのユダヤ人虐殺は二度とあってはならない」というスローガンに共感してヘブライ学校にも通ったそうですが、今のイスラエルがパレスチナ人とパレスチナを消滅させようとしていることについて、ネタニヤフ政権のやりかたは文脈を大きくはき違えたと批判します。またいまのアメリカのジェネレーションXについて、35歳未満の多くの若者が社会主義に共感しているといいます。この場合の社会主義とは、まっとうな健康保険制度、学校制度、税金をインフラなど社会資本に使う政策という意味です。

2017年11月8日水曜日

カイザーリポート 第1146回 百年の不名誉。自虐パロディー。

Keiser Report: 100 Years of Humiliation & Unintentional Self-Parody (E1146)
https://www.youtube.com/watch?v=ybZRw7iFlsg

香港のどこかの倉庫で清朝時代の偽貨幣が200万枚、7トンも見つかったそうです。清朝はアヘン戦争がきっかけで崩壊したと言われていますが、バーナ・バーガー博士という中国在住のドイツ人によると、清朝が崩壊したのはアヘンのせいだけではなくて清朝政府の貨幣政策がまちがっていたからなのだそうな。


貨幣政策がでたらめなのはいまのアメリカも同じ。
麻薬が白昼堂々と横行しているところも同じ。
依存性がないとされ合法的に処方されていた鎮痛剤(じつは麻薬)のせいで30万人が死にましたとさ。いまのアメリカの話です。パーデューというファミリーがオーナーの製薬会社が依存性の強い麻薬(ヘロイン)を合法的な鎮痛剤として売っていたのですが、犠牲者の多さにどうやら検察がうごきだすそうです。アメリカにはFDAという厳しいはずの監督機関があるのですが、パーデューがばらまくカネで議会が買収されていたため当局がなにもできないという状況が長くつづきました。いまのアメリカは議会も政府も汚職腐敗ばかり。
それはそれとして、見つかった7トンの貨幣は反清朝政府派がどっかで鋳造した偽物だそうで、国外でつくられて清国にもちこまれたようです。いまのアメリカは偽紙幣こそ作っていないものの、中央銀行が紙幣を刷りまくっているのは効果としては同じようなものです。

後半は判事として多くの経済犯罪者を有罪にしたマイケル・ハドソン博士。
マックス・カイザーの最初の質問:
「ヒラリーが選挙で負けたので民主党はその理由をさぐるため全米キャラバンをするとのことだが?」
ハドソン博士:
「民主党が負けた理由は誰が見ても明らか。民主党は労働者階級がきらいで、なによりも民主党=ウォール街党であり、すなわちドナーのための党なんだ。民主党の政策はドナーにより多くの献金をしてもらうためのもので、つまりドナーが民主党を支配している。先般の民主党大会でもロビイストが理事になった。イギリス民主党は有権者が候補者を決めるうからコルビンが勝ったけれど、民主党は正反対だ。民主党全米委員会が任命する理事はロビイストばかりで、そのロビイストたちが候補者を任命する。オバマがヒラリーを指名したということはつまりウォール街と軍産複合体がヒラリーを指名したということ。民主党が全米キャラバンに出るというのは誰がどれくらい献金してくれるかを探るためであって、それ以外に興味はない。オバマ政策がやったことといえば銀行と不動産業界に金をばらまいたこと、そして独占禁止には何がなんでも反対した。選挙で負けたのはその結果だ。さきの大統領選で、誰もがトランプを嫌っていると確信した民主党が敵対勢力とさだめたのは他ならぬ民主党内のバーニー・サンダース支持層と財政改革派だった。民主党がターゲット有権者としたのは郊外に住む中産階級の主婦層であり、年収12万ドル以下の階級はぜんぜん考慮していなかった。だから負けたんだ。」
マックス:
「いまや階級闘争の時代みたいだけれど、ヒラリーはそれを見なかったし認めたくなかった。民主党に貧困層の声はまったく届かなかったということだね。」
ハドソン博士:
「民主党の調査なんて身内のコンサルタントに金をばら撒くだけじゃないか。」
マックス:
「うちわで金が巡っているだけだよね。腐りきっている。」
ハドソン博士:
「オバマ政権はごく初期に、地方自治体レベルから国政レベルまで民主党候補者のふるいわけをした。いまの民主党政治家はウォール街と軍産複合体のロビイストしか残っていないのはその結果だ。」
マックス:
「博士の著書では金がすべてを決める社会になったということだけれど?」
ハドソン博士:
「それが進化といえば進化なんだけれど、進化は自然の法則でもある。」
マックス:
「いまハリウッドでワインスタインのスキャンダルが騒がれていて、原始時代と変わらない行為が行われているよね?」
ハドソン博士:
「ワインスタインは俺がビル・クリントンだって言ってた。」
マックス:
「さて別の話題。いまやアップルパイにハエが飛んできてもロシアのせい、という風潮だけれど。」
ハドソン博士:
「ヒラリーが負けたのも反トランプ運動がいまいち盛り上がらないのもロシアのせい・・だった筈なんだけれど最近になってヒラリーがロシアのエージェントだという証拠が出てきている。正確にいうとヒラリーはロシアのエージェントっていうだけではなくて、クリントン基金に金を出してくれるところなら、ロシア、サウジ、フランス、どこのエージェントでもあったんだ。それが国務長官時代のヒラリーの仕事だった。トランプは民主党理事会がKGBのアメリカ支部だったってすっぱぬけはいいと思うんだが。」
マックス:
「次の質問。トランプ政権はISDS条項すなわちグローバル企業に対し国民国家に超越する権限を付与することに反対だった。これはほんらい民主党がとるべき政策ではなかったか?」
博士:
「民主党はカンガルー裁判所(意味不明。オーストラリアのことかな?)が嫌いだけれど、それ以上にウォール街党なんだ。だからファイナンス企業が詐欺をやっても詐欺罪にならないようにするし、環境のためにビジネスを制限するなんてことはありえない。」
マックス:
「アウトサイダーとしてのトランプは影の政府に勝つチャンスはあるのだろうか?」
博士:
「ウィールストリートジャーナルがそれについて書いている。トランプは軍隊を支援していて、軍隊はアル・カイーダ(イスラム国)を支援しているCIAと抗争していた。シリア(=ロシア)が買ったということはアメリカ軍がCIAに買ったということ。だからロシアが嫌われる。」
以上。



2017年11月6日月曜日

カイザーリポート 第1146回 仮想通貨はロシアを席巻するか?

[KR1146] Keiser Report: Cryptocurrency taking Russia by storm?
http://www.maxkeiser.com/2017/11/kr1146-keiser-report-cryptocurrency-taking-russia-by-storm/

前半はビットコインについて。今もし海外に出稼ぎで働いていてゴールドマーケットにアクセスできなかったらビットコインを買うしかないかな・・なんて考えながら見てました。

後半は日本で何年かすごしたというマーシャル・オールバックさんのインタビュー後編。後編ということは我が輩はいっかい見すごしたんだな。おもしろかったポイントはつぎのとおり。

  • アベが実業界で人気があるのは規制緩和したから。ただそれがいつまで続くのかわからん、とオールバックさん。
  • アベが右翼に人気があるのは北朝鮮のおかげ。アベは北朝鮮に足を向けて寝られない。
  •  日本のことをぜんぜん知らないマックス・カイザーの質問「秩序を重んじる国、ハイテクの国なのになんでいろんなわけのわからんおもろいものがつぎつぎと出てくるのか?」に対する回答。礼儀正しく秩序を重んじるという表層と、それに隠されたやりたい放題やってしまうというラジカルさは表裏一体のものである云々。
  • 円キャリートレードは一時いわれたほどでもなくなり、資金調達元はアメリカに戻っている。
  • GDPの200何十パーセントの国家負債は大丈夫なのか?というマックス・カイザーの質問に対する回答。じっさいのはなし負債のおおきな部分は政府の意向を受けた機関が買っているので、それを差し引いたら140パーセント程度、つまりアメリカ政府と同じくらいの割合になるだろう。日本政府の負債が膨れ上がってどうする?というのは明らかにフェイクニュースだ云々。

日本政府の負債が膨れあがって大変というのがフェイクニュースというのは意外な指摘です。それが消費税10%を国民に納得させる伏線になっていたのか。