2016年11月24日木曜日

エドワード・スノーデンさんの質疑応答2

前にも紹介したけれど、同じムービーが違うタイトル出ていた。あらためて見たら紹介していなかった部分でもいいことを言っているので、詳しく紹介します。

Edward Snowden talking about New President Donald Trump
https://www.youtube.com/watch?v=98eabjjAEz8

Q:PGP(メール暗号化テクノロジー)の製作者がトランプ大統領について質問

政府の監視システムという点に関していえばトランプ政権だけの問題ではなく、世界のどこの政府にも共通の問題、たとえば裁判所を経ずに盗聴するということなどがある。つまり個々の政権の政策とか方針とかではなく、権力がどう使われるのかという問題だ。テクノロジーは地域、言語の違いを乗り越えて人々がコミュニケーションを紡ぐためのツールであり、人々をエンパワーするものだ。利益、権力などのために使う組織もある。でもちょっと違う方法で考えてみよう。
人と人が、たとえば電話で会話をする。その内容を盗聴することができるいっぽうで、それを暗号化することもできる。今回の選挙をきっかけに、世界中の人々にそういうツールを提供することが義務だと思うようになった。

Q:次期大統領とスノーデンさんについて

私個人ではなく「私たち」の問題と捉えてもらいたい。ブッシュからオバマにかわるとき、グアンタナモを閉鎖してくれると期待したけれど、まだ閉鎖されていない。同じように次期大統領に過度に期待するのも、また過度に畏怖するのもやめておこう。結局のところ彼は大統領なのだから、政治家をどう動かすかという我々の問題なのだ。

Q:アメリカ企業について。アメリカ企業を(個人情報を政府に通報するかという観点から)信じていいのか?

今年6月13日にオバマ大統領は人民のEメールを見たりしない、大衆監視などしないと報道された。
10月16日にヤフーがウェブメールを政府にスキャンさせていることがわかった。つまり企業を信頼できるかどうかっていうのはアメリカだけの問題ではない。イギリスは3月に西側世界でもっとも過激な大衆監視法を成立させた。ノルウェーもドイツも似たような動きを政府がしている。
君を顧客と呼んでいる企業は君ではなく政府に忠誠を誓っているかもしれない。ACLUという組織は政府から情報提供を求められた時、顧客の電話番号と通話開始・終了時刻のデータを渡した。それしか必要じゃなかったので、それしか集めてなかったからだ。企業なら不必要な情報を集めるべきじゃない。

Q:2013年以来、個人情報保護に関する一般の関心が低下していることについて。

関心が薄れていくのは仕方がないことだが、ひとつだけ忘れてならないことがある。
カウンターテロリズムのためという名目で収集された情報はテロリズム防止のためにまったく役立っていないとCIAの情報担当副部長が言った。つまり収集された情報はテロリズムを防止するのではなく、経済、外交、社会的影響に関わるもの、つまり誰が権力を持つか、ということがテーマなのだ。
政治家があなたの権利の一部を国家に譲渡しなさい、という。権利とは何百年ものあいだ尊い犠牲を出しながら我々民衆が勝ち取ったものなんだ。これを思い出して欲しい。

Q:どんな情報があればボストン、パリ、ブリュッセルなどであったようなテロを防ぐことができるのか?

ボストンマラソンのテロは大衆監視が行われる中で発生した。注意喚起が出ていた。ブリュッセルでも同様。
なぜ防げなかったのか?情報が膨大すぎて読み解けなかったからだ。
既存のやりかたは、怪しい個人がいるという情報をもとに、電話を盗聴し、その個人の行動を監視する。カナダでテロを防げたケースは既存の手法であって、マス・サーベイランスではない。怪しい個人が武器を集め、車を呼んで駅に着いたとき、警察がすでにそこにいた。
簡潔にいえば、我々が反対すべきはマスをターゲットにした無差別サーベイランスであって、特定の個人あるいは集団をターゲットにして、裁判所でしかるべき手続きを経た監視ではない。狭く深いサーベイランスといえよう。マス・サーベイランスという個人の権利を侵すようなやりかたは不要だ。

もし強力な政府があって、パンを盗んだら即逮捕、スピード違反もできない、テロリズムの余地がぜったいないような社会ができたとしよう。社会の進歩という観点から考えれば、たとえば奴隷解放、たとえば同性婚、たとえばアルコール解禁、宗教的信条、女性の参政権など、いまの我々が基本的な価値と認めていることは、はじめみな非合法活動だった。法律に書いてあることをすべて禁止できる「完全なる統治」のもとでは、法律を変えることができなくなる。それは暗黒時代といっていいんじゃないか?

Q:我々がパラノイドになるまえにビッグ・ブラザーを止めるような方法はないのか?

技術的な問題も絡むのだが、アイデアはあっても解決法はいまのところない。我々の時代は電脳テクノロジーがたいへんな発達を遂げているというのに、政府も世の中も腐りきっている。メールやネットショッピングの内容は暗号化することができるが、そのトランザクションをしたというデータは残る。メタデータは裁判所の許可なしで集めることができる。だからトランザクションの観点で君の私生活は裸にされる。ひとつの考え方は、君の発信地点がどこにあるか隠してしまうことだ。ラジオ放送みたいなもので、電波塔が発する電波は誰でも受信できるけれど、誰が受信しているかを特定することはできない。

Q:いま我々ができることはないのだろうか?

グーグルでもフェースブックでも彼らはぜったいにデータを消さない。そういうメジャーなものは使わないことだ。もっと広い意味でテクノロジーの観点というなら、暗号化をすること。ブラウザーのプライバシー設定をきちんとすること。完璧ではないけれど、助けにはなる。そして政治的な見かたをして、発言しよう。プライバシーというのは権利の基本なんだ。言論の自由というよりも、もっと根幹的なものだ。たとえば宗教。自発的に入信しようが、生まれながらに臆していようが、君は信仰している。もし君がその他大勢と違う意見、生き方をしているなら、それがプライバシーなのだ。何も悪いことをしていないから自由なんてなくてもいいんだというなら、もう一歩高みをめざしてほしい。そしてそれを我々の世代だけでなく、次の世代までつないでいくことだ。

我々は生まれながらに受け継いだ社会をそのまんまにするのではなく、考え、発言し、行動し、変えていこうじゃないか。トランプが当選したのだからしかたがないというんじゃなくて、もし君がマイノリティーなのであってもなくても、君はボックスにチェックをいれるかいれないかというだけの存在じゃない。投票の前でも後でも、昨日よりは今日、考えることからはじめようじゃないか。

Q:トランプ大統領とプーチン大統領の関係について

両国の関係改善でもし私がアメリカに引き渡されるようなことがあるのかどうか?そしたら私の身の上にどんな危険がふりかかるのか?それを憂慮するくらいなら、私はずっとハワイイにいただろう。私は2013年6月以来、正しいことをしたと思っているし、それに満足している。ドローン爆撃?階段から転落?なんでも起こり得るんだから、明日のことを憂慮しても仕方がない。

Q:これからの人生について

世界をもっとマシな方向に変えていくことができる力がついたような、人々と結びついたという気がしている。人々の権利を尊重する方向で仕事ができるのはとてもいいことだ。もしCIA職員だったら、知りえたことを誰かに言うだけで10年の懲役なんだ。人々のために仕事ができて充足感を感じている。

ヒラリーバブルがはじけてTPPにアメリカが公式死亡通告

カイザーレポートで
http://www.maxkeiser.com/
ガーディアン記事「下院で民主・共和両党ともにTPPを採択しないという方針を大統領が承認」を引用しつつ、

「11カ国が参加署名する貿易協定の内容を一般有権者に知らせないまま、『バスケットいっぱいの惨めなやつら』としてはエリートから『我々を信じてください』といわれるがままに、ウィキリークスなんかが中身の一部をすっぱ抜くまでいったい何がどうなるのかまったく知らされず、それを報じたメディアはフェイクニュースリストに載せられ、それがメインストリームメディアによる拡散され、そういえばヒラリーはポデスタメールを『フェイク』呼ばわりしたこともあったけれど、フェイクというラベルが悪用されている」

と、こんな状況でトランプ氏が当選し、TPPが公式に死亡しました。
カイザーリポートはさらに過激に、ヒラリーバブルをマリー・アントワネット(「パンがないならケーキを食べればいいじゃん」発言でフランス革命が起こった?)の隠喩と宗教革命の隠喩でおちょくりつつ、つづけます。いわく、

ヒラリーバブルがはじける以前は、真理がコーポラティズム世界のエリートに独占され(あたかも旧教の世界でバチカンが真理を独占していたように)そのエリートたちが(あたかもカソリックの神父のように)ラテン語をわかりやすく解読して教えてあげた。大企業もヘッジファンドもメインストリームメデイアも提灯ブロガーたちも、地獄に落とされるのが怖くて従っていたのだけれど、ヒラリーバブルがはじけたあと、ヘッジファンドの大親分レイ・ダリオが、
「恐れられていたトランプの狂気はそれほどでもなく、景気はよくなるだろう」


そしてブルームバーグによると
「選挙前にトランプが当選したら連銀の利上げはないと言われていたのに、いまや12月の利上げオッズは勝率100%」



++++
さて我が輩の関心は、「自由貿易は双方の富を増大させる」というドグマまで引っ張り出してTPPを推進する決意を不退転レベルに上げてきたアベぴょん、この期に及んで選択肢は
1. ドグマに殉じて、自由貿易のために中国のRCEP軍門にくだる
2. TPPの本質:中国封じ込めのために日本がTPPの主役となる
3. 折衷案:自由貿易のために日本がTPPの主役となる

2と3については、日本がTPPの牽引者となるに足る経済力があるのかどうか、そしてそれを他の加盟候補国が認めるのかどうか、メンツを潰される覚悟でアベぴょんがコンテストに出場するのかどうか。そしてアメリカではなく日本が中国を封じ込めるのかどうか。ま、そもそもアメリカが加盟しないと封じ込め効果がないと思うのですが。
アベぴょんの本質が現れる局面になりました。ヒラリーバブルがはじけたドミノ効果、恐るべし。

2016年11月22日火曜日

開発工学のススメ

「投入」というところでPDMのことについて書いたのだが、要すれば国際開発業界は発想とかプロセスとかイノベーションといったところで、製造業にくらべてとてもとても遅れている。しかし、(軍隊業界もそうだけれど)大変な金額が流れ動いている。大変な金額が流れ動いている業界には若くて優秀な人たちが集まってくるのだが、金額の量にくらべてローテクなので、若い人たちは失望してしまう。

製造業はバイテクな結果をハイテクなプロセスで追及しているのでとてもエキサイティングなのだが、給与水準が低かったりするので、若い優秀な人たちがそれほど食いつかないという現象が起きてしまう。

ここまで書きながら考えたのだが、若くて優秀な人たちに見る目がない、というか哲学がないのが問題なんじゃないか。多くの人たちが流れる金の量しか見ていないんじゃないか?金が入れば、君の能力を、野心を、好奇心を腐らせていいのか?っちゅうことやね。それも老頭児が言い続けなければならないことだ。

そういえば1980年代、アメリカで似たようなことがあった。理系の優秀な人たちが、金に目がくらんで金融業界に行ってしまうという現象を、GEはじめ製造業が嘆いていたのだ。

その後なにが起こったかはみなさんご存知で、「金融工学」というめんどくさい分野が成立してしまった。ゼロサムゲームの金融業において、いったいなにが工学なのかいまだによくわからないのだが、アメリカ選挙戦の前後で対ドル円が10円も大きく変動してしまうというように、ゼロ金利で溢れたマネーが電脳のアルゴリズムにもとづいて、極めて短期間(秒単位以下)で似たような動きをするようになった。株式市場と為替市場と、かなりタイミングは遅れるけれど国債市場がひとつになった投機競技コンプレックスで、メガバンクとか郵貯とか損保とか年金機構がそれぞれの、しかし似たようなアルゴリズムでマネーを動かしている。年金機構が5兆円をスッてしまったのは報道された。有能な若い人たちが間違った方向に行ったら、世界が、すくなくとも我々の年金も、間違った方向に行くということなのだ。

閑話休題。では、金の量とプロセスの老朽度がつりあっていない開発業界(そしてたぶん軍隊業界)にとって、どういう方向に動くのが望ましいのか?
金の量につりあったレベルのプロセスに進化させればいいんじゃないか、というのがひとつの考えかた。つまり、理系の優秀な頭脳を投入して、金融工学レベルの「開発工学」をつくりあげる。そしたら、開発手法が秒以下のスピードでくみ上げられるようなアルゴリズムが開発される。
うん、不可能じゃないな。

ガン治療で似たような話がある。ガンの遺伝子を特定して、遺伝子が変質してしまったところだけを攻撃する薬を処方するのだそうな。開発で、飢餓、貧困、エネルギーなど格差のあるところを衛星カメラや赤外線センサーで検出し、問題をアルゴリズムで分析し、迅速に必要な「投入」を行う。未来の災害緊急支援。

流通業では、POP(レジの情報がサプライチェーンにリアルタイムで送られ集計されて出荷に反映されるシステム)のおかげで問屋などミドルマンが駆逐された。プロセスが改善されればミドルマンが駆逐される。

クリントン財団なんかチャリティー業界におけるミドルマンの最たるもので、ハイチの支援災害のとき、現地と国際機関の情報格差と国務長官たる立場を利用して、自分らに寄付してくれる企業におおいなる便宜をはかったことが報道されている。Pay-to-playっていうキーワードで情報がぼこぼこ出てくるよね。情報格差と時差が縮小すれば、そういう悪意のミドルマンが中抜きできなくなる。クリントン財団は一説によると85パーセントくらいを自分らのチャンネルに流していたんだっけ?身近なところでは、ネットで直接寄付できるようになれば、アグネスも「ユニセフ協会」で中抜きできなくなるようなもんだな。

「開発工学」ができてプロセスが改良され速度があがれば、悪意をもったミドルマンを駆逐することができる。
それには理系の優秀な頭脳を開発業界に流入させる必要がある。金は潤沢にあるのだから、あとは工夫とやる気だ。

同じように「軍事工学」が発達すれば、悪意をもった集団がやりたい放題できなくなる。・・・あ、そうか。悪意をもった集団がやりたい放題するために、軍隊業界を鈍牛に留めているんだった。
兵隊がなんぼ殺されても、民間人がどれほどコーラテラルダメージ(とばっちり)を被っても、あんまり気にしない国家なのだから。われらが宗主国では、「アメリカに生まれた以外なにも持たない人々」と、「アメリカ国籍を合法的に手に入れたい非合法移民」がわんさかいる。そしてメインストリームのメディアもNGOも、現地一般人の被害なんて知らせようとしない。ウォール街とかワシントンDCでは誰もそんなことを気にしないのだ。

そう考えれば、人命尊重の気風がまだ残されている我が国はやはり世界の最先端なのであって、我が国でこそ「開発工学」や「軍事工学」が成立する可能性がおおいにある、と思いませんか?

少なからぬ人数の(元)自衛隊員が鬱病に悩んでいる。有能で、日本の将来を真剣に考えれば考えるほど、メガネおばはんが弄するような言葉あそびと現場の乖離に真剣に悩まなければならない。それも早く早く、なんとかしなければならない。

2016年11月21日月曜日

開発業界をめざす若い人たちのこと

一橋大学の学生さんで世界を回っていた人がコロンビアで殺されてしまった。
歳をとると、若い有望な人が死んでしまうのがこたえるなあ。
あちこちで留学生とか、若い人たちの世話をしてきた我が輩としては、ほんとうに残念なことだと思う。
殺されてしまった若者は国際協力に興味があった、って国営放送は言っていたけど、自分を差別化しようとして世界に出かけたのかもしれない。

何年かまえに仕事でイスラマバードに住んでいたとき、世界食糧機構のインターンできていた日本人学生に下宿を提供したことがあった。我が輩はそのとき、日本政府の国際協力を実施している独立行政法人の契約の仕事をしていたのだけれど、その学生から、その独立行政法人も含めて国際協力(いわゆる開発業界)に就職するのと、大学院で修士号を取るのと、どっちがいいと思うか、と質問された。
そのとき我が輩は、「卒業して官の世界にはいるのは必ずしもお勧めできない。」と答えたのが彼女にはショックだったようだ。だってその独立行政法人は、就職先希望としてトップランキングに入っているのだから。

その時の答えに多少付け足しておきたいと思ったので、備忘録としてここに書いておこうと思う。

西欧による国際協力業界を仕切っている国連では、修士号を持っているのがまず出発点。それでもひと昔前までは、開発学とか国際関係学とかいう学問が分野として確立していなかったので、極端なはなし、大学で西洋音楽史を学士号をとって、大学院で教育学で修士号をとった人でも、国際協力業界に就職することができた。ちかごろはそれもうるさくなって、学士号の専攻と修士号の専攻が連続していないと、なぜそうなのか、何を勉強したのかをしつこく聞かれたりするらしい。ま、しつこく聞くくらいなら、あっさり落とすんだろうけど。競争率高そうだしね。

日本の開発業界も同じトレンドで、たとえば前述の国際協力をしている独立行政法人の関連団体で、日本の開発サービスを請け負っている、具体的には機材調達などのロジスティックスを専門にやっている法人で働く若い人たちは、ほぼみんなといっていいくらい修士号を持っている。つまり、修士号を持っていて、英語が堪能で、みなすごく有能で、そしてロジスティックスなのだ。

そして人気沸騰の独立行政法人本体はどうなのか?ここは学士号でも入る人は多いのだが、出発点は技術協力とか資金協力のロジスティックスなんだけど、大きな組織にはいった駆け出しのころはどこでもそんなもんだ。そしてたぶん、数年やっているうちにちがいが見えてくるんだろうな。たとえば技術協力に比べて、資金協力は動かす資金が10倍くらい多いので、出世コースの人材は資金協力分野に収斂することになる。つまり、出世競争で銀行家と同じ資質が求められるわけだ。

これから日本政府の国際協力分野で活躍しようと思うなら、メガバンクで数年間経験をつんで、それから協力業界に転職するほうがいいかもしれない。極端なはなし、だけど。

もし国際機関で活躍しようと思うなら、くわしいことはよくわからない。ずいぶん昔に大学を出て国連職員になった団塊の世代の人と知り合いになったことがあったけれど、彼はなぜか突然、国連を辞めて英語学校の先生になった。またニューヨークにいたとき、ニューヨークの国連本部のことを知っている人いわく、「フィリピン人脈で仕切られている」云々というはなしだった。本当かどうかは知らないよ。そして別の人で、日本の外務省から国連職員に転身した人は、いまコンサルタントをやっている。
たぶんどこの大組織でもいろんな派閥があって、本当に有能で(家柄とかも含めて)ラッキーな人はそれを飄々と乗り越えていくんだろうけれど、そうでない人はそれなりに大変なんだろうな。パリやジュネーヴでカフェオレとクロワッサン、と思っていたらテロに見舞われたり、南アフリカかよ・・て腐ってたら意外とよかったり。それはまあ、どんな組織でもいっしょだよね。組織としては全体で最適化できればいいわけなので。

2016年11月20日日曜日

軍備の話のつづき

下では閑話でブログを終わってしまったのだが、ちょっと反省しつつ続き。

非対称なんてのは、鈍牛たる軍隊業界だから問題になっていて、それを取り上げた論文で博士号をとったりするのだろうけれど、PCマルウェアとか、教育業界では常識になっている。PCマルウェアを作って発信するコストと、それを防衛するコストは幾何級数的に差があるはずだし、都道府県教育委員会とモンスタペアレントの戦いなんて、どーするんだよって世界のはず。コストの高い公務員(先生)をコストのたかい研修所(年に何回研修するんだよ?)に集めて(バスチャーター?)セクハラとかいじめ対策なんて研修するコストを考えてみろ、って話です。

我が輩なら、マルウェア開発者を防衛ソフト会社が雇う。あるいは経産省が、才能あるハッカーに対し起業推奨するような施策を打ち出す。教育なら、在日とか同和対策地域出身者とか貧困層とかセコケチを職員に登用して、同じレベルで対応する。

アメリカなんてマイノリティーを取り込むことで成長した国なのだ。それが地域とか人種とか職種で不徹底なところに、自由貿易協定で仕事をメキシコとか中国に取られてしまった。そのタイミングがバッドだったのだ。だからトランプさんが票を獲得した。

タイミングがすべて。鈍牛の軍隊業界とか開発業界で問題視されはじめたばかりのことが、ネットとか教育とかその他業界では常識になっている。対策としてはけっきょく、プロダクトミックスなのだろうと思う。

ミックスとはなにか?
化粧品でも医薬品でも健康商品でも自動車でもレンズでも衣料でもOEMという会社がある。たとえば化粧品とか健康食品だったら大分県の郊外にでっかい工場がある。そこでつくられているのは膨大な量の原液である。そしてある販売会社は、
「我が社は健康志向なのでアロエ成分を0.02%加えてもらいたい。」
とスペックに書いて、230ミリリットル瓶にブランドラベルを貼って4800円で売る。
別の会社は、
「我が社はジェネリックなので原液を25倍に希釈してもらいたい。」
とスペックに書いて、200ミリリットル瓶にラベルを貼って2000円で売る。

そのオーダーメードされたミックスを出すタイミングと商圏、これが大事になる。

テロリスト対策にはテロリストを雇う。テロリズムはグローバリズムと国民国家と国民国家内部の矛盾が原因である。テクノロジーがユニバーサルになり、グローバリズムが広がっているのに、いまだに国民国家が国民国家の枠組みのなかで矛盾を解決しようとしていて、あるいはその矛盾を利用して私腹を肥やしている政治家ファミリーがいて、それ自身がテロリズムの温床になっている。

じゃあ、ジョージ・ソロスみたいに国境をなくすためのグローバルテロリズムに走るのか?あるいは走らないのか?それはタイミングの問題だと我が輩は思う。

ソロスは85歳で、焦っている。国民国家の国境を完全になくしたら、いまのところタイミングのずれがありすぎて、問題しか起こらない。そこはグローバリズムとローカリズムのミックス、そしてミックスをオファーする商圏の成熟度なのだと思う。

伊藤忠商事だって、相談役で元駐日大使の丹羽さんは、グローバリズムは後戻りできないという。でも現社長の岡庭さんはそんなことを一言もいっていない。たぶん岡庭さんは、地域格差とか情報格差で儲けることを考えていて、グローバリズムという言葉そのものが商売にならないことを感知しているのだ。

軍隊ビジネスも同様で、ハイテク兵器とローテク・ローコストのミックスを地域・商圏に使い分けるべきなのだ。世界のどこにでも数分でかけつける軍隊、世界のどこでもテロリストの動きを瞬時に察知する監視衛星、それもアリかもしれないが、もしコスト的にあわないなら、ここはゆずれないという重点地域だけ決めて、そこに重点投入すればいい。

製造業と流通業の帳簿の見方、というか経営哲学は根本的に違う。製造業は資産を重視するのであって、そのために川上統合を考える。在庫はひょっとして美徳のほうが大きい、と思ったら、在庫どころか材料製造元を買収してしまう。いっぽう流通業は在庫を減らすのが使命。金利がバカにならないから。軍隊業界はよくわからないけれど、それに適した経営哲学をもつべきなのであって、もしそれがないのであれば学習しなければならない。

まえのブログで、開発業界の問題を指摘したけれど、そんなん製造業の経営者とか工場長に言ったとしたら、「常識ですわ」 で片付けられてしまう。情報格差はどこにでもあるのであって、軍隊産業や開発産業はかなり遅れた鈍牛クラスであることを自覚すべきだと思う。

象撃ち銃でアリを撃つ(のだろうか?)

http://nationalinterest.org/feature/the-american-militarys-real-problem-shooting-ants-elephant-18401

筆者は標記タイトルの文章で、戦争の経済性について、別の言いかたをすれば、これからの戦争は経済性を問題としなければならない、と説いています。

「アメリカ軍は最新技術と、最新装備と、研究開発能力を備えている。それでは、そんなハイエンド兵器を装備する資金力はどうなのか?国はどこまで金をだせるのか?」

軍備について我が輩は、あと出しじゃんけんゲームだと思います。そういう意味で我が国は経済的に有利な立場にある。仮想敵国の装備を見てからこちらの装備を考えればいいのだから。

しかし同時に、仮想敵国が中国であるなら話はじつに簡単。三峡ダムを壊すに足る装備で十分です。三峡ダムの脆弱性については、中国の研究者が「もっとも脆弱なところをピンポイントで突けば通常爆弾で十分」と言っているくらいです。つまり装備より情報。
念のために申し上げると、三峡ダムの下流にはたくさんのふつうの人々が住んでいるので、明日壊せというのではありません。意気がって挑発している相手がきんたまをぶらぶらさせているなら、それを握らない手はない、というだけの話です。閑話休題。著者は具体例を挙げます。

「 イエメンのテロリストがアメリカ海軍を攻撃するコストが50万ドル。防衛する立場のメーソン艦のコストは8百万ドル。テロリストの攻撃コストは防衛コストの10%以下。」
「ハイテクアメリカ軍のコストは高い。高速大量輸送機器、殺傷・非殺傷兵器、ユニフォームなど歩兵装備、常時通信機器、ロボティックプラットフォーム、イメージセンサーなどグローバル監視機材、 非石油系燃料などなど。維持補修費など加えれば青天井。」

「IS相手の軍事行動に毎時60万ドルを費やしている。」
「クルーズミサイルなど高価な装備は抑止力を増大させる。抑止力のためだけなら使わないことが前提となる。しかしISのような非国家組織が相手なら抑止力という考えは通用しない。」
「極端にいえば、使わないことを前提にした対潜水艦核ミサイルみたいなもので、使ったとたんに発射した潜水艦も破壊されてしまう。それにどこまで金をかけるべきなのか。」
「ハイコストハイテク戦艦を攻撃するテロリストはローコストローテクで効果を上げる。費用対効果では非対称・非効率。」

経済的に厳しい状況で著者は、新しい見方を提示します。

「歴史上初めて、テクノロジーのおかげで可能性が減った、しかし皮肉なことに機会は増大している。」
原文は For the first time, technology actually seems to favor those with lesser possibilities but perversely presents more opportunity.
これはどう解釈すればいいのかな?
テクノロジー(衛生監視装置や高解像度画像解析)のおかげで攻撃される可能性は減った、しかし皮肉なことに、テロリストがローテク・ローコスト兵器を使用して攻撃する機会が増大した。こういうことかな。

筆者はその前にこういいます。
「アメリカ軍は格安バーゲン(じゃないかと我々が誤認している)兵器でテロリストに対し必要以上の攻撃をおこなっている。」
「ソマリアの兵器市場でアメリカ製M-16は200ドル、中国製あるいはロシア製AK-47は400ドル、ロケット砲(RPG)が150ドル、 自爆ベルトが150ドル。」
「アメリカ本土を守るためのクルーズミサイルが一発100〜150万ドル、それよりちょっとだけローテクだけど同じくらいの効果がある兵器ならもっと安くで手に入る。」

さらに、人間にとってかわるロボット兵器を考えるとき、さらにローコストな兵器がテンプレになる。つまり戦争は純粋にコスト競争(コストが合う限りでの戦争)となるかもしれない、といいます。つまり、コスト的に合うなら戦ってもいいよねというテロリスト、そしてその相手はハイテク・ハイコスト装備のアメリカ軍。

「言い換えれば、相手が戦闘意欲をなくすくらい叩きまくる、という古典的なやり方ではなく、格安ドローンでの爆撃とか、そういう手段でコストが合う局面でのみテロリストは戦争を展開する、そして防衛するほうのハイテク・アメリカ軍のコストは青天井、ていうことになりはしないか。たとえばISがすでに実施しているようなクルード地域に対するドローン爆撃。それをワシントンDCでやられても不思議じゃない。(ワシントンDCをハイテク要塞化するのはなんぼかかるんじゃ?)という時代がきている。」
(かっこ内は我が輩の意訳ですじゃ。)

そして、例の文
「テクノロジー(衛生監視装置や高解像度画像解析)のおかげで攻撃される可能性は減った、しかし皮肉なことに、テロリストがローテク・ローコスト兵器を使用して攻撃する機会が増大した。」

この新しい時代の新しい戦争にどう対処するのか?これからディベートが必要、というのが筆者のとりあえずの結論でした。

我が輩思わく、だから装備って後出しじゃんけんなんだよね。だから、我が国の憲法で縛られた防衛省は一日の長がある。それだからこそ、南スーダンは、
「武器を使って殺傷、物を破壊する行為はあった」けれど、「戦闘行為の定義には当たらない」つまり「戦闘行為ではない。衝突であると認識している」 のだから、「駆けつけ警護」なんてレトリックを弄しているあべぴょんとか、メガネおばさんは前線に駆けつけてどのような後出しじゃんけんが経済的合理性があるのか、効率がいいのか検証してもらいたい、と願うのである。

製造業ではなにか問題があったら、トップが現場にかけつける。これが美しい我が国の強みなのである。 みなさま、じゃなくて「あなたたちエスタブリッシュメント」のNHKがやっている真田丸の時代、大将は先んじて戦闘に乗り込んだ。その美しい日本の伝統を、日本の最高司令官も踏襲してほしい。女性も例外ではない。「すててんげり」の巴御前は女性だった。

オバマさんが「スノーデン氏は起訴すらされていないので恩赦はムリ」・・・それならヒラリーも。

またゼロヘッジから。
http://www.zerohedge.com/news/2016-11-19/obama-admits-he-cant-pardon-snowden-trial-sorry-hillary

内容はタイトルの通り。オバマさんはスノーデンさんについて尋ねられたので答えただけなのだろうけれど、いまアメリカの関心は、オバマさんがヒラリーを恩赦するかどうか。

しかし答えはあきらかで、「ヒラリーも起訴すらされていないのだから恩赦はムリ」ということ。頭のいいオバマさんだから、とうぜんその文脈をわかりすぎるほとわかっていて、でもヒラリーちゃんに対面で「ムリ」と断言することは避けたかったのだろうな。
いい人として任期満了させたいオバマさん。そりゃそうだよね。

いっぽう、家に引きこもって本を読んで犬を撫でていたかった哀れなヒラリー。選挙に勝っていれば、過去の悪行をすべて隠蔽できたヒラリー。でも大統領になったら、まっさきにトランプさんを殺したであろうヒラリー。「行った、見た、彼は死んだ。キャハハハハ!」とカダフィのことを笑ったヒラリーちゃん。因果はめぐる、っちゅうやつですな。

TPPは「すでに死んでいる」呼ばわりされちゃってるぞ・・・という話

http://www.zerohedge.com/news/2016-11-19/tpp-dead-china-officially-launches-its-own-pacific-trade-deal

メディアでは首相や経産大臣が
「自由貿易こそが経済を成長させる。だからTPPを推進するのだ。」
という原則論を述べているいっぽう、ゼロヘッジのような海外メディアはTPPを
「お前はすでに死んでいる。むぺと。」
的な扱いをしている。それはそれとして、もし
「自由貿易こそが経済を繁栄させる」のなら、中国主導のFTAAP (Free Trade Area of the Asia-Pacific) でもええんじゃないかという理論的帰結なのだが、そうはいかないらしい。
つまり本質は、中国をはみごにするTPPか、中華アジアグループに入るかという、どっちかといえば経済よりも政治的問題ということだ。

それならそれで、原則論なんか捨てればいいのに。もし原則論に固執するなら、トランプさんの「自由貿易は地元経済も雇用も推進しない」という持論に、具体例を挙げて堂々と反論すればいい。ブレーンはいるはずだけど、傍証に足る例がないのか、それとも議論に決着がついていないのか。

アメリカではすでに、「TPPを殺したのは民間企業が政府を訴えることができる条項のせいだ」とか、いろんな議論が出ているらしい。
これを機会に、原則論がほんまに正しいのかどうか、エスタブリッシュメントにおかれては公開討論してほしいもんだ。

2016年11月19日土曜日

LAタイムズが絶賛拡散中の「フェイクニュースリスト」の作者は大学准教授

http://www.wnd.com/2016/11/meet-leftist-prof-who-wrote-hit-list-of-fake-news-sites/

「こんなニュースサイトはウソとデタラメばっかり」というリストを公開したのはメリッサ・ジムダールさん。マサチューセッツのメリマックカレッジの准教授。学生たちが引用したサイトのなかで認められないものを列挙したという。なおリストは増殖中。



リストには確固たるポジションをもったサイト複数が含まれていたので、たとえばそのひとつ、WNDの問い合わせを受けて削除されたもの(まさにそのWND)もあるけれど、LAタイムズが拡散しているのはオリジナルバージョンとのこと。

これを拡散しているのはLAタイムズだけでなく、CNN、ワシントンポスト、ボストングローブ、ニューヨークマガジン、 USAトゥデイ、ビジネス・インサイダー、オースチン・アメリカンステーツマン、ダラス・モーニングニュースなどいわゆるメインストリームの大手メディア。

フェイクリストに名前がのったPJメディアのステファン・クルーザーさんいわく、
「LAタイムズが取り上げなかったらただのゴミ。しかも取り上げたLAタイムズに、作者のクレジットがぜんぜん載っていない。」

フェイクリストには、メインストリームながら「保守派」とされているメディアがはいっている。つまり作者はバリバリのリベラル左翼であるとカミングアウトしているようなもの。ジムダール准教授はツイッターでトランプ氏への嫌悪感をばらまいていて、ヒラリーの「(トランプ支持者の半分は)廃残者のあつまり」表現について、「トランプの性差別、人種差別、同性愛嫌悪、外国人嫌悪にくらべたらよっぽどマシ」なのだとか。


スノーデンさん:ニュースをフェースブックとかでしか見ないのは危険

スノーデンさんがリアル・フューチャー・フェアで語ったところによると、
「我々が何をどう考えるか、それを形づくる力をひとつの企業が握っていることがいかに危険か、すでに周知のことと思う。」

「ググったとき、どの結果を見せるかはグーグルに決定権がある。フェースブックであなたに何を見せるか、その決定権はフェースブックにある。ツイッターもその他どのSNSも同じ。どの声をみなさんに届けるか、承認する権限はその企業にある。」

「フェースブックみたいなメジャーなサービスにかわる選択肢はまずない。ネットワークのちから、初期参入社のちから、それをグーグルやフェースブックやツイッターが手放すわけがない。」

ではどうすればいいのか?フェースブックでニュースを見るのをまずやめることだ。
「彼ら(フェースブックなど)は言論じゃなくて沈黙を形成している。」


http://theantimedia.org/snowden-facebook-control-news/

2016年11月18日金曜日

三種混合ワクチンが自閉症の原因となる、というドキュメントが情報公開された

情報公開であきらかにされたイギリス保健省の秘密文書に、MMR(三種混合ワクチン:麻疹、流行性耳下腺炎、風疹)が従来型自閉症をひきおこすことが書かれていることがわかったらしい。ワクチンメーカーのグラクソスミスクラインもそれを知っていたんだと。
http://www.vaccines.news/2016-02-16-the-big-vaccine-conspiracy-secret-documents-confirm-vaccines-cause-autism.html

ひどいね。日本では1993年から個別接種、つまり任意だそうです。

新三種混合ワクチン - Wikipedia にはこう書いてある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/新三種混合ワクチン

ランセットでの自閉症論文掲載と取消
1998年、新三種混合ワクチンの接種と自閉症発症との間に「関係性があると指摘する論文」が、医学雑誌『ランセット』に発表され、イギリス・アメリカ合衆国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドにおいて、ワクチン接種が激減、麻疹に感染する子供が増加した。2010年1月、イギリスの医事委員会(General Medical Council)は、論文に問題があることを指摘し、ワクチンと自閉症の関連性が全否定された。
『ランセット』は、捏造された虚偽のデータに基づく科学における不正行為であるとして、同論文を撤回し、主著者であるイギリスの元医師アンドリュー・ウェイクフィールドの医師免許剥奪という結末に至った。2011年に追調査が行われ、詐欺であったことを裏付ける論文が発表されている。

ひどいね。

「家で本読んで犬を撫でていたかった」とヒラリーが挨拶で吐露した子供防衛基金はジョージ・ソロスの外郭団体

ヒラリーが子供防衛基金(Children Defence Fund)で挨拶するとき、「家にひきこもって本を読んで犬を撫でていたかった」と吐露したとのこと。
http://yournewswire.com/clinton-wanted-to-curl-up-never-leave-house-after-losing-to-trump/
ネタ元はイランのプレスTVとある。

しかしながらその組織に対しジョージ・ソロスが2011年から2015年までのあいだで$1.73 百万ドルを注入していたというのだから、いわば公明党議員が潮出版社で挨拶するようなもんだな。完全にソロスの囲われものだったヒラリー。ソロスにとって貴重なパペットだったんだろうな。用なしになってやっと真情を吐露する心境になったのか。

ロシアにひきつづきフィリピンも国際刑事裁判所を脱退するかもとデュテルテさんが言ったとか

ICC(国際刑事裁判所)がクリミア併合の件でロシアを糾弾したのにキレたロシアが先般ICCを脱退。デュテルテさんも「フィリピンもやめようかな。わしらみたいな小さい国ばっかり非難されるのたまらん。」とのこと。
http://yournewswire.com/duterte-says-philippines-may-follow-russia-pull-out-of-icc/

サウジがヘッドを務めている国連の人権委員会がロシアを追放したという茶番も含めて、プーチンさんやデュテルテさんみたいな親分が先導して、国際的な枠組みが変わりつつある。これでトランプ親分がその気になったら(それでなくても遅滞してる国連分担金を拒否するとか)我が国も独自の道を歩むようになるのかな。

開発業界のいわゆる「投入」について

我が輩が何年かすごした国際協力というのは「開発業界」と呼ばれている。
その業界ではPDM(プロジェクト・デザイン・マトリックス)という、ドイツ人が考案し、アメリカ軍がベトナム戦争で使いはじめた図表をつかうのがドナー国のアドホック・スタンダードになっている。
そのPDMではまずはじめに「ナレーティブ・サマリー」というのを書くことになっていて、そこに「この地域ではこれが足りないから足りないものを投入する」的なことを書く。
たとえば
「パキスタンでは自動車の国内需要が盛んで、日系メーカーも複数進出しているが、まともな部品が現地調達できないので輸入パーツに頼っていて、コストが高くなる。まともな部品が現地調達できないのは、現地のパーツベンダーに技術力がないからである。そこでこのプロジェクトでは技術を投入するのである。」
みたいに。

足りないものを足りないところに投入する・・・。
たとえば、毎月20日に給料を支払う中小企業があって、そのためのキャッシュが不足しそうだ。そういうときに、金融機関でキャッシュを調達して投入する。
・・・これはとてもわかりやすい。
たとえば、ネジをつくっている工場で、原材料の普通鋼の在庫が少なくなってきた。注文通り製造して出荷しようとすれば、材料を買わなければならない。そこで鉄屋さんから鋼材を買った。
・・・これもわかりやすい。

しかし、「技術が欠けているところに技術を投入する」というのは、どうも腑に落ちない。
この腑に落ちなさはどこから来るのか考えると、たぶん「技術」という一般的な名詞を使うところにある、というのがひとつの原因じゃないのか?

たとえば、こういうストーリーを考えてみよう。
「長野県諏訪郡のある村で、果樹生産による農家の収入増加を企画している。良質な果樹増産のための技術が必要とされている。このプロジェクトでは、果樹生産技術を移転することを目的とする。」

そう、これなのだ。「くだもの」という一般化された名詞をつかうから、腑に落ちない。りんごとかみかんとかぶどうとか柿とか、特定すればいいのだ。

しかしPDMの書きはじめのナレーティブ・サマリーのところでいきなり「ぶどう」と書くのはかなり難しい。なぜなら、それを書くのはたいてい現場から離れた場所で、現場をあまり知らない人が書くからだ。

ぶどうには適した土壌(水はけがいいとか)、地勢(日当たりがいいとか)、気候(寒暖の差がはげしいとか)、農家とか地域の適性(はじめはかなりのリソース投入が必要とか、収穫のときはかなり労働集約的になるとか)、そんなことがわからない時点で「ぶどう」と特定するのは難しい。だから「果物」とか「技術」なんて抽象的な書きぶりになってしまう。

戦争でいえば、戦略策定の時点(PDM)でいきなり「ここはミサイルでどーんとかましておいて、それから砲兵を投入しましょう!」なんてことを言うと、将軍から「そういう戦術的な話は現場検証してからにしたらどうかね?」なんちゅうてツッコミがくる。開発も同じで、抽象的な書きぶりのPDMで決裁をとっておいて、それから詳細計画策定調査にはいる、というのが一般的。そしていったん詳細計画策定調査をやってしまうと、後戻りは難しい。

はじめの時点で「技術」と抽象的に書いてしまったものの、たとえばそれが自動車パーツの製造分野だったら、鍛造、溶接、鋳造、いろいろとある。たとえばプレスだったら大きさにもよるけれど、ドアーみたいな大きめのパーツをプレスするなら何百トンというプレス機械が必要で、それをまともなものに更新するとなると中古を調達しても日本円で何千万という話になる。工場の経営者なら、その投資を回収するのにどれくらい作ってどれくらい売らなきゃならないか、ということを常に考えている。

ひょっとして足りないのは、技術じゃなくて、パーツを買ってくれる市場なのかもしれない。パキスタンの場合はじっさいにそうだった。だから、経済産業省みたいなところが「国産パーツを使うべし」とか「中古の完成車輸入を制限すべし」という筋書きで自動車産業振興計画を改訂しなければならない、そういうレベルだった。それがないから、パーツ産業として生産量も(従って投資量も)技術も低めで均衡していたのだ。

PDMはベトナム戦争で使われたらしい、とはじめに書いた。想像するに、こんなこともあったんじゃないか。
「中部のダナンは港があり、重火器と糧食の補給にとって戦略的に重要である。港をとりまく高地に点在する村とジャングルにはベトコンが潜んでいる。ベトコンを殲滅しなければダナン港を活用することができない。そこで枯葉剤と焼夷弾を投入し、ジャングルを消滅させれば、ベトコンは隠れる場所がなくなるのである。」なーんてね。

しかしアメリカ人にとってベトコンが村にはいってしまえば誰がベトコンかベトコンじゃないかわからないので、村人全部を虐殺するという無茶ぶりを発揮することとなる。しかも枯葉剤と焼夷弾で、住人と環境に対して将来何十年にもわたる重篤な負荷をかけることになる。

PDMのナレーティブ・サマリーが、現場から遠いところで、現場をあんまりよく知らない人によって書かれる、そしていったん書かれたPDMを変更するのが難しい。これがいまの開発業界のもつ問題だと思う。


2016年11月17日木曜日

マスメディアが引用する「シリア人権監視団」はラミ・アブドゥルラーマンというおっさん(備忘録)

RTでカービー大統領報道官とRTのチチャキヤンさんのやりとりを見ていたら、
 https://www.rt.com/news/367192-kirby-rt-syria-accusations/
「シリアの情報筋によると」云々の発言が出てきた。
それでラミ・アブドゥルラーマンというおっさんがひとりでやっている「シリア人権監視団」のことを思い出したので、備忘録として書いておくことにした。
下のリンクの記事によると、ニューヨークタイムズとかロイターでさえ、
「シリア人権監視団はラミ・アブドゥルラーマンが所長というわけではない。彼がシリア人権監視団なのである。彼がイギリスの家をベースにたったひとりでやっているのだ。」
と書いている。
http://www.zerohedge.com/news/2015-03-17/here-we-go-again-youtube-clips-syrian-chemical-attacks-are-back-meet-man-behind-prop


それにしても、今にいたるまでマスメディアが、そして我が国の「みなさまの」NHKも含め、「シリア人権監視団によると」というニュースを垂れ流しているのは、
1.情報収集能力がない。
2.知っていてやっている。
3.誰もそれを問題にしない空気が充満している。

そんなところなのだろうな。

エドワード・スノーデンさんの質疑応答

Snowden Q&A on how US Election affects your privacy, his pardon
https://www.youtube.com/watch?v=e3svbmlMALM

いわく;
トランプ氏個人がどうのこうというレベルじゃない。
さらに、アメリカがどうのこうのというだけの話じゃない。
イギリスなんて、アメリカよりもずっと、政府が一般国民のあらゆることを監視するシステムになっている。
「自分はなにも悪いことをしていないから大丈夫。」
そういう問題じゃない。
たとえば完璧な警察があるとしよう。スピード違反も許されないような社会。
しかし、たとえば女性の参政権のような、我々が普遍的な価値と思っているようなことも、
はじまったときは非合法活動だったんだ。
そんな非合法活動を許さない社会になってほしくない。
もし君がいろんな意味でマイノリティーだとしたら、君のプライバシーというのは君自身が君自身であり続けるための条件であり、権利なんだ。政府がそれを侵害することはできない。
+++++
ええやん!

2016年11月16日水曜日

遺伝子組換え作物 (GMO) は収量が多いというわけではないようだ

国連のデータをニューヨークタイムズが分析したところ、GMO(遺伝子組換え作物)はそうでない既存の農産物とくらべ収量が多いということはないらしい。
ま、このへんに関しては分布がはっきりしているからゴマカシはきかないだろうな。EUとロシアはGMOを禁止しているのだから。
おまけに、GMOがらみの殺虫剤やら農薬(EUはこれも禁止)使用について、子供達のIQに差異が認められたという。
(以上は https://www.youtube.com/watch?v=WNm8YDmKQEg からのスクリーンショット)

個人的には「途上国の食糧危機を克服するにはモンサント(=バイエルに買収されたけど) のGMOが必須!」たらいうグループと「ヒラリー万歳!」というグループがかなり重なっているような気がしていて、フェースブックを閉鎖したのはそれが一因でもあるんだけど、とりあえずトランプさんが次期大統領に決まって、みんなそろって頭を冷やしたらええんじゃないかと思う。

閑話だけど、日本政府はヒラリーに100%張っていたみたいだな。ポートフォリオによる危険分散、というのは誰も考えなかったのだろうか?せめて80-20くらいとかね。
そういうことを言う人はいたにちがいないと思うんだけど、たぶん「おまえアホちゃうか?」みたいな扱いを受けたんだろうな。

ヒラリーの個人秘書だったフーマ・アベディンの人脈のヤバさ

日本のマスメディアではぜんぜん報道されていないみたいだけれど、ヒラリーの個人アシスタントだったフーマ・アベディンという女性の人脈について、とてもわかりやすい解説が出ている。
https://www.youtube.com/watch?v=nRu3U-nwyhw
フーマはアメリカ生まれ、2歳から16歳までサウジで過ごし、アメリカに戻ってジョージタウン大学を卒業。じきにヒラリーのもとで働きはじめた。
彼女のファミリービジネスはモスレム・マイノリティー問題研究所 (Institute of Moslem Minority Affairs)、そしてこの組織はロンドンでモスレム・ワールドリーグと同じ住所を共有。(朝日新聞とヘラルド・トリビューンみたいなもんやね。)
さてこのモスレム・ワールドリーグというのはオマール・ナシーフというアラビア人のおっさんのもので、おっさんはサウジ王室と密な関係をもっていましたとさ。おっさんは(たぶんサウジ家からゲットした)金を、モスレム・ワールドリーグを通じてウサマ・ビン・ラディンやアル・カイーダに流していた、とな。
はしょっていうと、フーマ・アベディンの人脈を通してヒラリー(=クリントン・ファンデーション)はサウジからたくさんの金を受け取っていました、という話です。
クリントン・ファンデーションについては、ヒラリーが国務長官としての立場を利用して(もちろん私企業も含めた)ドナーに有利になるように動いていたことが明らかにされている。「ヒラリーは汚職まみれ」「ヒラリーを訴追・収監せよ!」といわれるのには、こういう背景があった。

あのまんま大統領に当選していれば逃げ切れただろうに・・・。


プーチン大統領がジョージ・ソロスの国際逮捕状を出したって本当かな

ここ数日いろんなソースで標記の内容が出ているのだけれど、
(例:http://usdefensewatch.com/2016/11/putin-issues-international-arrest-warrant-for-george-soros-dead-or-alive/ とか、http://www.usapoliticstoday.com/arrest-warrant-putin-for-soros/
しかしロシアのメディアで何か書いてるのを見たことがない。ま、そのうちにはっきするのだろうけれど。

昨年(2015年)の11月末、ロシアがソロスのNGOオープン・ソサイエティーを追放した。
http://www.zerohedge.com/news/2015-11-30/russia-bans-soros-foundation-threat-national-security-and-constitutional-order
オープン・ソサイエティーが「国の安全と法治に対する脅威」だからというのが理由。ソロスのNGOが、例えばウクライナで暴動を扇動したことを考えると妥当な措置だと思う。

今年の8月なかばにソロスのNGOのシステムがハックされ、ドキュメントが大量(2,500)にリークされた、その中にロシア国家を転覆するというような内容が含まれていたとのこと。
http://www.zerohedge.com/news/2016-08-25/leaked-memo-exposes-george-soros-plan-overthrow-putin-destabilise-russia

このことと、アメリカ大統領選のすぐあと、じつに速やかに反トランプデモがあちこちの都市で組織されたことを考えると、逮捕状が出される条件はかなり揃っているような気がする。
「晩節を穢す」という言葉があるけれど、自業自得ゆうやつかいな。

OPECが世界石油需要予測で中・長期見通しを改訂・・・見通しを20ドル引き下げ。

OPEC(石油輸出国機構)が世界石油需要予測(World Oil Outlook)で中・長期見通しを改訂。
いわく、今年のOPEC参考バスケット価格が40ドル、毎年5ドル(バレルあたり)ずつ上昇して2020年に60ドルになるだろうとのこと。
http://www.zerohedge.com/news/2016-11-09/opec-just-knocked-20-its-oil-price-outlook

サウジが原油を汲み出すコストはとても安いのだけれど、石油収入にのっかっている財政コストが高すぎる。40ドル水準が続いたら国家財政がもたない。国家財政がもたないと治安がもたないこともあるけれど、いままでISISのようなスンニ派過激組織に資金を流せなくなるだろうというのが楽しみ。

もしそうなると、スンニ派過激組織の震源地がトルコに移るのかな。しかしトルコは産油国じゃないし、クソみたいな石炭しか掘れないし、鉄鋼生産国ではあるけれど原料の鉄鉱石がないので、世界中からスクラップを買って電炉で溶かしている。そんな高コスト産業国が過激派スポンサリングを続けられるのか?

トルコはともかく、トランプ大統領がプーチン大統領と握手して中東と南アジアから手をひけば(いまやたんなる殺人組織となったCIAは相当抵抗するだろうけれど)あの地域は相当マシになるはずだ。ヒラリーが大統領になっていたら、こんなことは考えられなかった。

2016年11月15日火曜日

ウクライナも、欧州移民問題もジョージ・ソロスがスポンサーだった

ウクライナのキエフで暴動を起こした背景にもジョージ・ソロスがいたことはよく知られていることだけれど(キエフとまったく同じ手法でじつに要領よく、ヒラリーが負けた翌日に暴動が組織されたことを考えたら、プロ扇動家が動いたのだろう)、欧州移民危機の背後にもジョージ・ソロスがいたらしい。

ジョージ・ソロスの組織はは国際機関が入っていくまえに紛争地域(あるいは紛争を起こそうと考えている地域)に入り、影響力を拡大しているようだ。ボスニアにJICA調査団がはいった2010年、すでにボスニアでソロスの組織が存在感をもっていたことが報告書から読み取れる。
http://open_jicareport.jica.go.jp/pdf/12037453_03.pdf

ジョージ・ソロス自身は1930年、ハンガリーのブダペストで生まれ、ドイツでユダヤ系(同胞!)の資産をナチスが接収する仕事をしていたらしい。そのときになにか間違った世界観を持ってしまったのだろうな。
http://www.zerohedge.com/news/2016-07-08/how-george-soros-singlehandedly-created-european-refugee-crisis-and-why  

ジョージ・ソロスの情報がハッキングされて流出

ちょっと前の8月15日のことになるけれど、ジョージ・ソロスがハッキングされて情報が流出。ヒラリーとの濃厚な関係もこれで明らかになったらしい。ここでドキュメントを見ることができる。
http://soros.dcleaks.com/

一見したところ、いろいろいいこと(それらしいこと、というか、いかにも国際機関で働いている博士号とか修士号保持者が書きそうなこと)が書かれてあるんだけど、よさげであればあるほど、胡散臭くなる。というのはソロス氏の人格の至らなさだよね。

いくらよさげなことを言っても、1997年のアジア通貨危機のとき、タイはじめアジア各国の多くの人々をソロスが犠牲にしたことを忘れてはならない。世界は彼のためだけにあるんじゃない。

ヒラリーのオーナーはジョージ・ソロス

大統領選前にウィキ・リークスがすっぱぬいたごとく、ヒラリー+グローバル資本主義連合の背後にはジョージ・ソロスがいましたとさ。全米で暴動っぽくなっている反トランプデモを組織しているのも、ソロスのオープン・ソサイエティー、そこから金をもらっているMoveOn.Org、そしてその傘下のプロ扇動家ザック・アクスレイとのこと。
https://www.youtube.com/watch?v=ATgLwSCrjUk

ジュリアーニさん(元検事・元ニューヨーク市長)いわく「やつらプロの扇動家」

全米のあちこちで反トランプのデモが一部暴動化しているのについて、(トランプ政権で国務長官みたいな要職につくかもしれないとの噂がある)ルドルフ・ジュリアーニさんいわく、
「やつらプロの扇動家みたいだ。すくなくとも、まじめに政治を考えているようなタイプじゃない。」
https://www.youtube.com/watch?v=T9PJPjaQ-qk

ジョージ・ソロス ~ アメリカ民主党ドナー連合が対トランプ戦争を始めた

ジョージ・ソロスの肝いりで2005年に設立された民主連合の総裁、ガラ・マルシェいわく、
「我々の利害のすべてを賭けた、勝てるはずの選挙に、前提条件でも戦略でも戦術上もたいした失敗がなかったのに、負けてしまったのはどうしてなのか。」

・・・そりゃあんたたちの前提条件のすべてが、方向性が、あんたたちすべてが間違っていた、としか言いようがないんじゃないか。いったんやめたほうがいいよね。すくなくともジョージ・ソロスとつるむのはやめておいたほうがいい。

http://www.zerohedge.com/news/2016-11-14/soros-and-liberal-mega-donors-plot-war-donald-trump