2022年1月20日木曜日

欧州はオワコン

 ノルウェーの南東大学のグレン・ディーセン教授がRTに興味深い内容を投稿していたので、めっちゃざっくりと紹介する。

https://www.rt.com/russia/546423-america-decide-europe-fate/

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EUは他ならぬじぶんらの安全保障について、米露間交渉から疎外されている。なんでかという第1の理由は、アメリカが非公開密室交渉をするから。なんでかっていうと、アメリカはコワモテで軍事力で平和を達成する国なので、妥協も宥和もありえない・・・という国内世論、というか神話に縛られているので、交渉を秘密にせざるを得ない。

その証拠。1962年、ケネディ大統領とソ連はキューバミサイル危機を回避。ソ連がキューバからミサイルを撤去する見返りに、米国が木星ミサイルをトルコから撤去することとなった。20年間この取引きは秘密にされ、アメリカは力でソ連を屈服させたというプロパガンダが流布された。

第2の理由。EUは組合なので、EUの最高位の外交官であっても、組合員みんなで決めたことをひっくり返せない。だから交渉とか妥協とか取引ができない。ロシアに何かいうときは、最後通牒か脅迫という2種類しかありえない。

ゆえに米露2国間交渉は当事者のEU抜きで密室で行われる。

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蓋し、EUはロシアが気に入らないんだ。EUの製造業の競争力はロシアの安価なエネルギーのおかげだし、人民が暖かく過ごせるのもロシアのおかげ。こないだアメリカから船でやってきたLPGなんて、ロシアのガスの5倍の価格だったらしい。とにかくEUはじぶんらの下半身のだいじなところをロシアに握られているのが気に入らない。

EUはアメリカも気に入らない。イギリス帝国の覇権をアメリカが引きついで、軍事力に金融力をプラスして世界を支配した。欧州は伝統的にユダヤ人をいじめてきたのだが、アメリカはユダヤ人の国なので、軍事力だけじゃなくて金融というパワーを加味できたのだ。EUはそれも気に入らない。

EUは他ならぬ欧州の安全保障問題で、EUぬきで米露が密室交渉するのも気にいらない。ディーセン教授の言葉を借りれば、欧州は米露の人質なのだ。ウクライナだけではない。アメリカが欧州よりも東アジアを重要視していることもEUの気に入らない。

EUはロシアが嫌いだ。アメリカが「ロシアを世界銀行決済システムのSWIFTから除名してやろうか」と言ったときも、「やめてくれ。わしらの経済がもたない。」と懇願せざるをえなかった。ロシアは中国やイランと結びつきをつよめていて、西を向かないで東を向いて生きていける。それが気に入らない。

大航海時代から産業革命、そして世界大戦までの数百年間、欧州はアジアとアフリカの有色人種を支配し、搾取し、いまだにISOみたいなやらずぼったくりの知財システムで儲け続けている。でももうオワコンなんじゃないか。

2022年1月7日金曜日

ぺぺ・エスコバルがカザフスタン情勢をわかりやすく解説

 Steppe on Fire: Kazakhstan’s Color Revolution | The Vineyard of the Saker

ぺぺさんが天然ガス産出国のカザフスタンがなんで燃料値上げで騒乱になったかを解説している。いわく、

1. 天然ガスをネット取引するようになったので、政府のキャップ(価格上限)規制が効かなくなった。つまるところ新自由主義の弊害。

2. 市井の自動車は液化天然ガスで走る(ようにみな改造している)のだが、その価格がとんでもなく(ロシア並みに)値上がりした。(どんなけ安かってん?!)

最後っ屁としてぺぺさん、こんなことを書いている。

3. ロシアがアメリカNATOと(ジェネヴァとブリュッセルで)話し合いを持つ予定。合意を妨害するためにイギリス諜報部MI6が騒乱をコーディネートした。MI6がやっているからこそ、イネターネットが遮断されたのに調和統率のとれた活動がつづいているわけだ、というのが某筋のはなし。

4. おなじみの西欧ギャングスタがロシア東方国境沿いであれこれ活動している、その一環。そんなことはロシア諜報部は百も承知なのだが、という別の某筋のはなしもある。

2022年1月6日木曜日

カザフスタンの組織だった騒乱にアメリカ政府は「ウチらぜんぜん関係ありましぇーん」

 https://www.rt.com/russia/545254-psaki-denies-us-kazakhstan-role/

いちばん臭いのがCIAにきまっているのだが。

めでたいこっちゃ:純ロシア国産の複合材でできた旅客機が初飛行

https://tass.com/economy/1380825

https://www.rt.com/russia/544697-mc21-passenger-jet-certified/

エンジンも純ロシア製とのこと。

ソ連崩壊から30年間、国産ジェット旅客機をつくることができなかったロシアがこのたびめでたく飛行機を飛ばすことに成功した。アメリカの経済制裁というのは、この複合材とかエンジンとかが禁輸の対象になるということ。イランなんかも経済制裁されているので、古い古い飛行機を修理しつつ使いまわしている。経済制裁というのはアメリカの気に入らない政府を困らせるだけじゃなくて、(キューバやアフガンやシリアやイエメンもそうだけど)結果的に人民を困らせることになっている。

インフォメーション・テクノロジーの時代なので、秘密の産業技術なんていくら囲い込んでもどっかから漏れるにきまっている。インフォメーション・テクノロジーだけじゃなくて、日本のようにあらゆる製造現場や管理システムに派遣労働者が入り込んでいるので、機密はだだもれ。正社員なら終身雇用をエサに守秘義務を守らせることができるだろうけど、派遣社員にそんな手は通用しない。

複合素材ではデュポンとかサン・ゴバンなどフランス系が有名なのだろうけど、そういう世界企業になるといろんな国に支店があって、いろんな人をいろんな形態で雇っている。本社の口がいくら固くても、秘密はどっかから漏れるに決まっている。

ロシアが純国産のコンポジット材とエンジンを作ったのは、どっかから漏れた産業秘密のおかげ・・・というつもりではないのだけど、競合他社がどんな作りかたをしているのか知りたいのは人情というものでしょう。

このニュースがめでたいというのは、イランなんかこれで古い飛行機を使いまわさなくてよくなるし、世界がより安全になるし、アメリカ帝国の崩壊スピードが加速されるだろうと思うからだ。