2026年11月3日火曜日

ラリー・C・ジョンソン:要するに、UAEについてカール・ミラーの言うとった通りやったちゅうこっちゃ

https://sonar21.com/simply-put-karl-miller-was-right-about-the-uae/

2026年11月2日

10月25日に、わしは「記録的な原油、空っぽのタンク:UAEの『奇跡の復活』」ちゅう記事を出したんや。カール・ミラーが10月22日に出したエミレーツの石油・ガス設備の評価をもとに書いたもんや。言うとることは別に難しないで。UAEは原油を汲み上げて出荷する力を立て直した。それはけっこうなことや。せやけど、立て直せてへんかったもんがある。安全余裕や。製品在庫、ガスのチェーン、ホルムズ迂回の輸送能力。原油は記録的、タンクは空っぽ。見出し一行で収まる話やで。

その日の午後に、ADNOCの広報担当上級副社長のフィリップ・ロビンソンからメモが届いてん。わしの記事には「いくつもの不正確な点」があって、UAEのエネルギー面のレジリエンスについて誤解を招く絵を描いとる、ちゅうわけや。訂正せえ、さもなくば取り下げえ、と。

どこが不正確やねん? それが書いてへんのや。こらまた斬新なファクトチェックやな。火事やちゅうて消防署に電話しといて、住所だけは教えへんようなもんやで。

出しっぱなしで返事がない招待状

わしは気ぃのええ男やさかい、ロビンソンさんに、ADNOCの反論をうちのサイトに載せる場所を用意しますわ、ちゅうて申し出たんや。ほんで、反論に何を書いたらええか考える手間も省いたろ思て、10項目のデータ要求も送った。ADNOCに、問題やと思う箇所を一つ一つ特定して、訂正を出してくれ、と頼んだんや。ハブシャン、シャー、ルワイス、フジャイラの現時点での稼働可能な能力を、修理済みのとこと、まだ壊れたままのとこに分けて出してくれ、とも言うた。生産・出荷・在庫を突き合わせた直近30日分の収支も頼んだ。製品別・場所別の在庫もや。ほんで、ADNOCが「レジリエント」ちゅう言葉で運用上何を意味しとるんか、っちゅうのも訊いた。こっちで裏が取れた数字は何でも載せます、とまで約束したんやで。

返事はな、完全な、見事な沈黙や。ひょっとしたらデータはフジャイラに保管してあるんかもしれんな。それやったら遅れてんのも分かるわ。フジャイラには、もうたいして残ってへんさかいな。

親分の登場

ほんで今日、11月2日や。ADNOCの専務取締役兼グループCEOのスルタン・アル・ジャベルが、アブダビでのADIPECの開会の舞台に上がって、カール・ミラーの説を、もっとええ照明ともっとでかい聴衆つきで披露しよったんや。

アル・ジャベル博士によるとやな、ホルムズ海峡の航行が止まってから、世界の在庫から10億バレル近くが引き出された。ディーゼルの在庫は、いくつかの市場で、季節的には35年ぶりの低水準や。LNGの供給で6000億立方フィートの不足に直面しとる市場もある。海運と物流は、昔は1バレルのコストの5パーセント未満やったのに、今や30パーセント超を食うとる。ブレントは110ドル前後や。

彼のまとめはこうや。「要するに、世界は供給のバッファーをすり減らしてしもたんや。」

処方箋は、戦略備蓄の拡大、精製品の備蓄の積み増し、消費地の近くに置く柔軟な精製能力。ほんで、ADNOCの広報部に額に入れて送りつけたいんはこの一言や。生産を確保するだけでは、供給が実際に顧客に届くことを保証するのにもう足りひん、ちゅうやつや。

もういっぺん読んでみ。生産は安全保障やない。在庫と経路こそがそうなんや。これはわしの10月25日の記事への反論やない。要約や。

5月から言うとったんやで

しかもこれ、最近の転向やないんや。5月に大西洋評議会で話したとき、アル・ジャベルは、エネルギー安全保障はもう「生産を続けられるかどうか」の話やない、て言うとる。肝心なんは経路と貯蔵と冗長性で、世界のエネルギーはあまりに少ない数の要衝に集中して流れとる、ちゅうて説明したんや。

つまりADNOCのCEOは、半年のあいだ、世界に向かって「原油を汲み上げることと安全が確保されとることは別もんや」と言い続けとったわけや。ところが、まさにその物差しをUAE自身に当てた人間が出てきたとたん、広報トップはそれを不正確やと宣言した。どっちかがメモを受け取りそびれたんやな。わしの見立てでは、それはCEOのほうやないで。

公平を期して言うとくけど、わしが受けた扱いより、よっぽど公平にな

カール・ミラーは公平であることにこだわる男や。せやからわしも公平にいくで。アル・ジャベルが話したんは世界のことで、UAEのことやない。ADIPECの壇上に立って、フジャイラの製品在庫が戦争前の約2000万バレルから約700万バレルまで落ちた、なんてことは発表せえへんかった。フジャイラに向かうADCOPパイプラインは日量150万?180万バレルしか流せへんのに、国全体の生産能力は485万バレルやと主張されとって、二本目のパイプラインはまだ建設中や、ちゅうことにも触れへんかった。ADNOCガスの稼働率が第2四半期に崩れたことも、プラントは形の上では「使える状態」やったのに、っちゅうことも言わんかった。

言う必要もなかったんや。UAEは世界の中にあるんやで、わしが最後に確認したときはな。アル・ジャベルがいま世界で擦り減ったと言うとるバッファーは、アクセスできる在庫も、製品の在庫も、代替ルートも、予備の精製能力も、全部、ミラーがUAEで薄くなっとると見つけたとこそのまんまや。世界のシステムのクッションが無くなっとるんやったら、その要衝のど真ん中に座っとって、貯蔵拠点はイランのミサイルの射程内、しかも戦前の何分の一かまで減っとる国が、例外なわけあるかいな。それこそがケーススタディそのものやで。

申し出は今も有効や

ロビンソンさん、わしの電話番号は変わってへんし、申し出も変わってへんで。ADNOCの30日分の生産・出荷・在庫の収支を送ってくれ。ハブシャン、シャー、ルワイス、フジャイラの稼働可能な能力も送ってくれ。タンクが満杯でミラーが間違うとるんやったら、わしはそれを載せて、堂々と、そうやったと書くで。

それまでは、あんたとこの親分の言うことを信じとくわ。あの人は、自分が何を言うてるか、ちゃんと分かっとるみたいやからな。

BORZZIKMAN:「お前らに残された時間は72時間だけや」

https://www.youtube.com/watch?v=WsD8Q8QX8cE

CIAが「ロシアがキーウに何かえげつないことを準備しとる」て認めたんやて

残念ながらキーウ政権の連中にとっては、ウクライナの状況はどんどん悪なる一方や。戦場でもそうやし、ロシアの大規模なミサイル・ドローン攻撃でもそうや。それと同時に、専門家らが言うには、キーウがロシアの製油所を攻撃して反撃しようとすればするほど、かえってウクライナの状況が悪なるんやて。こういうウクライナのドローン攻撃は、ロシアを止められへんどころか、モスクワから手厳しい反撃を呼び込んでまうんや。簡単に言うたら、ロシアの製油所のどこかが攻撃された直後に、キーウは西部も含めて全国各地でウクライナのエネルギー施設を何十個もぶっ壊されるいう、でかい代償を払わされるわけや。

ちなみに昨夜もやっぱり例外やなかったで。11月2日の夜に、ロシアはまた大規模なミサイル攻撃をウクライナにかけたんや。今回は独立系の監視サービスが、ザポリージャ、ハルキウ、チェルカースィ、スームィ、キーウ、ジトーミル、ドニプロペトロウシクいった地域で、約100回の大きな爆発を確認しとるそうや。しかも、この攻撃でロシアのドローンとミサイルが狙ったのは、エネルギーインフラだけやったらしい。たとえばキーウとドニプロペトロウシクの街では、ロシアのミサイルがほぼ全部の火力発電所にまたもや雨あられと降り注いだんやて。

おまけに、ウクライナのエネルギー施設への攻撃で、ロシアは新しいミサイル攻撃の戦術を使い始めたらしいんや。具体的には、ロシアのミサイルが施設に命中した直後から、ゲラニウム自爆ドローンが24時間ごとに同じ目標へ追撃をかけ続けとるいう話や。その結果、ウクライナと西側のエンジニアは、壊れたエネルギー施設をもう直されへん状態になっとる。ほんで、キーウ地域とドニプロペトロウシク地域では、ここ3日間で停電があたりまえみたいになってもた。ウクライナのエネルギー省もこの事実を認めとるで。公式声明によると、エネルギー施設への大規模な被害をいちばんひどう受けたんがキーウとドニプロペトロウシクやそうや。11月3日の時点で、キーウ州とドニプロペトロウシク州のほぼ全部の集落で電力供給に問題が出とる状態や。

そんな中、11月2日の朝にウクライナ側の情報筋がけっこう衝撃的な発言をしたんや。ウクライナ保安庁の関係筋の話として、米国の中央情報局(CIA)がキーウ当局に、「ロシアがキーウをはじめウクライナの都市に壊滅的なミサイル攻撃を準備しとる」と警告したいうんや。しかも米国の情報機関の関係者は、このロシアのミサイル攻撃は今後72時間以内に起こる見込みやて強調したらしい。いま現在ロシアは何十機もの戦略爆撃機を出撃に向けて準備しとって、主な攻撃は極超音速ミサイル、巡航ミサイル、弾道ミサイルを何十発も使ってやるんやと。しかも、アメリカ側が言うには、そのミサイルはタガンログ、ブリャンスク、クルスク、ヴォロネジ、ミッレロヴォいったロシアの都市から発射されるそうや。

ほんで、いわゆるキーウ当局は、アメリカの情報機関からのこの情報を真剣に受け止めたみたいやな。いまのところ、キーウ市国家行政府の職員らが、役人の家族と裁判所の資料の秘密裏の避難を始めたことが分かっとる。すでにキーウの左岸地区から約2,000人が避難したらしい。それと同時に、西側の軍事専門家や西側の外交使節の職員もウクライナの首都から逃げ出しとる。この1週間だけでも、NATO加盟国の市民100人以上がキーウからリヴィウに移ったんやて。ただ、この避難は地元住民のパニックを起こさんように、できるだけこっそり秘密裏にやられとるいうことも言うとかなあかんな。

ほな真実を求める親愛なる皆さん、思い出してもらいたいんやけど、この情報が出る2日前に、ロシアの専門家らが、クレムリンが最新の弾道ミサイル「オレシニク」を使ってウクライナを攻撃する準備しとると確認しとったんや。ロシア軍の司令部は、「オレシニク」ミサイルを殺傷力のある弾頭で使うことを真剣に議論しとる、いうてたで。しかも専門家らは、クレムリンがすでに破壊する目標も決めたことまで確認しとる。まあ友よ、ゼレンスキーとその一味が、考えなしの行動のせいで、とうとうロシアをウクライナに敵に回してもたみたいやな。キーウがロシア領にドローン攻撃を続けるんやったら、それはウクライナ全体の終わりの始まりになるんは明らかや。クレムリンは最終的に、ウクライナ南部とノヴォロシアの全領土を掌握するだけやなしに、この東欧の国の国家体制そのものを完全に潰して、ロシアの国家安全保障への脅威を永久に取り除かなあかんようになりそうやで。

一方で、ロシア軍は特別軍事作戦地域でまた大きな成果を上げたんや。数時間前に従軍記者らが確認したところによると、ハルキウ方面の前線で、ロシア軍が戦略的に重要な都市「クピャンスク」の完全支配を確立したんやて。しかもロシア軍は、「マールイェ・ロヴニ」いう森林地帯の東部からもウクライナ部隊を追い出すことに成功した。その結果、ウクライナ軍はクピャンスクだけやなしに、その西の広い領土も失ったんや。こういう状況を受けて、西側の分析センターは、この件をウクライナ軍の秋の最大の失敗やと、もう評しとる。結果の規模でいうたら、ドネツク方面の「ドブロピリア」や「コスチャンチニウカ」みたいな戦略的に重要な都市を失ったことよりも、この失敗のほうが大きいて報じられとるで。

分かったことやけど、ロシア軍はこの成果を直近48時間でやってのけたんや。この間にロシアの部隊は、クピャンスク近くの主要な鉄道駅を全部押さえて、「モスコフカ」いう集落の完全支配も確立した。同時並行で、ロシア軍は「ソボレフカ」いう集落にも入って、さっき言うたとおり、クピャンスクの西の森林地帯の東部も完全に支配下に置いたんや。いまウクライナ軍の司令部は、ややこしいジレンマに直面しとる。1つ目は、この戦線の区間に残っとるウクライナ部隊を撤退させて、「オスキル」川より西の陣地を全部手放すこと。2つ目は、新しい予備兵力をかき集めて、もういっぺんクピャンスクとその周辺で失った陣地を取り返そうとすること。せやけど、この選択肢はえらいリスクがあるんや。ウクライナ軍の司令部は他の戦線から予備兵力を引き抜かなあかんからな。その結果、ウクライナ軍はチェルニーヒウ州も含めて、新たな領土の喪失に直面するかもしれへん。

そんな中で、「アレックス」いうコールサインで知られるウクライナ軍の上級中尉の発言も触れとかなあかんな。彼によると、ロシア軍はヘルソン州で攻勢作戦をやる準備をしとるそうや。ちなみに、西側の専門家やジャーナリストの多くもこの情報を確認しとる。彼らが言うには、ロシア軍はもうすぐ「ドニプロ」川を渡って、戦略的に重要な都市「ヘルソン」を奪おうとするんやて。

数時間前には、ロシア軍はザポリージャ方面でも成果を上げたんや。ロシア国防省によると、「ドニエプル」軍集団の部隊が戦術的な位置をかなり改善して、ウクライナ軍の2個機械化旅団と1個山岳強襲旅団の部隊に損害を与えたそうや。その結果、ウクライナ軍は「マーラヤ・トクマチカ」いう集落の北部の陣地を放棄せなあかんようになって、人員も装備もえらい損害を出しながら、「コンカ」川のアシの茂みを抜けて逃げ出したんやて。

2026年11月2日月曜日

ペペ・エスコバル:「イラン最高指導者がパキスタンに協議を委ねた」「バンスの書簡」「トランプの発言」「60億ドルの要求」

http://youtube.com/watch?v=c2iD0irpKLc&t=30s

移行プロトコル

みなさん、こんにちは。中国の上海から、世界中の視聴者のみなさんにご挨拶や。わしらの大事な友人で、同僚で、パートナーで、このチャンネルの創設者でもあるペペ・エスコバルが、いま上海におるんやで。なんでここから話してくれとるかっちゅうたら、世界の情勢が今まさに形になっとる最中やからや。とくに西アジアやな。いろんなことが起きとる。ペペがとっておきの情報を披露してくれるで。わしからもいくつか情報を出すつもりや。ほんで、いいねとチャンネル登録を押してや。それがわしらを続けさせてくれるんやから。ほな、上海のペペ、頼むわ。

どうも、みなさん。後ろにえらい光が入ってるやろ。そらそうや、夜やないからな。昨日上海に着いたんやけど、昨日はもう死んどった。ほんまに嵐みたいな一日でな、着いたとたんにいろんなことが起きたんや。せやから昨夜は収録できひんかった。夜中の1時か2時にはもう倒れかけとったわ。で、いまは土曜の午後1時や。ちゅうことは、みなさんの大半はまだ昨日におるわけや。こっちは午前1時――すまん、午後1時や。土曜の午後1時。これがめっちゃ大事な土曜やねん。昨日からずっと、イランとカタールの仲介役のあいだで、とんでもなく慌ただしい行ったり来たりが続いとるからや。

カタールの仲介役は、この金曜にテヘランにおったんや。ほんで今度はイラン側がカタールに行くんやな、これで合うとる? うわ、ごっちゃにしとるか?

いや、合うてるで。その通りや。

ほな、この日曜やな。この行ったり来たりが肝心なんは、イランと"ソシオパスの親玉"のあいだで、何らかの了解をどうやって微調整できるかに関わっとるからや。この最新のエピソードは、もちろん長いこと続いとる連続ドラマの一幕やで、ようご存じのとおりな。そもそもの始まりは、今週前半にあった、ものすごく大事なテヘラン・サミットや。あれはメッカ防衛同盟のサミットとはちゃうねん。メッカ防衛同盟のほうがテヘランに来たんや。ほんでイランは「ええで」と言うた。ほな「テヘラン・サミット」と呼ぼか、っちゅうことになった。わしはその件で、えらい中身の濃いコラムを書いてな、今週前半にロシアで掲載されたんや。リンクはXのわしのアカウントとテレグラムのアカウントにあるで。もう何ヶ国語かに翻訳され始めとる。

メッカ防衛同盟の3人のメンバーがイランに来て、指輪に口づけしに行ったんや――比喩やないで――相手はモフセン・レザイや。イラン政府のナンバー2で、最高指導者モジタバ・ハメネイの個人代表やな。ほんで何が起きたと思う? サミットのあと、モフセン・レザイは最高指導者モジタバと二人きりで私的に謁見したんや。レザイは、何が起きたか、どんな良い兆しがあったかをモジタバに説明した。本人もイランのメディアにインタビューで答えてな、これが記憶にある限りで初めて、モフセン・レザイがちょっと明るい顔をしとるのを見られたんや。いつもの重たい雰囲気やなくてな。というのも、あの紳士らとの対話を踏まえて、えらい良い可能性があると言うたからや。もちろん、モジタバにも何が起きたか話したし、何を詳しく話し合うたかも伝えた。漏れとらん部分やな。つまり、わしらの親愛なる友人、ラヴロフ大御所の言葉を借りれば、「安全保障の不可分性」について理解に至る、深い深いところの可能性や。

ラヴロフの名前を出したついでに言うとな、ラヴロフはジョージア州アトランタのG20外相会合におったんや。写真はもうたくさんの人が見とるやろ。ラヴロフがみんなと話して、みんながラヴロフと話したがっとる。マルコ・ルビオを筆頭にな。トルコ、サウジアラビア、ブラジル、あちこちや。ヨーロッパ勢だけは別やけどな。ヨーロッパ勢は、みなさんご存じのとおり、ちょこまか逃げ回るゴキブリの群れや。ほな、ラヴロフがヨーロッパと話して何の意味があるんや、っちゅう話やん。ヨーロッパは、ラヴロフと同じ写真に収まることすらできひんのや。この手のことが得意なアメリカ人まで、外相の集合写真を中止せなあかんかったらしいで。まあええわ。

不可分性の話に戻ろか。なんでラヴロフをこの話に持ち出すかっちゅうと、これが安全保障の不可分性の話やからや。テヘランの会合で話し合われたのは、要するにこういうことや。イブラヒム・カリン、トルコの情報機関のトップ。ハリド王子、サウジアラビアの国防相。ほんでパキスタンのムニール元帥や。モフセン・レザイがあんなに上機嫌やったんは、連中が核心の細かいとこに踏み込み始めたからや。西アジアの安全保障の状況を組み直して、安全保障の不可分性に向かうて、全部の当事者を巻き込まんかったら、何も動かへんし、もっと悪うなるだけや。

ほんで、このカタールの仲介と、この行ったり来たりは、もうすっかり悪名高うなったJ・D・ヴァンスの手紙に関わっとる。ヴァンスがモフセン・レザイに送った手紙や。ほかに誰がおるっちゅう話やけど……ちょっと笑える話を足しとこか。ワシントン・ポストと、お決まりの何もわかってへんアメリカの当局者らが、モジタバ・ハメネイが生きとるのをやっと知ったんやで。生きとるだけやなくて、テヘランの指導部と話しとるってな。あのな、みなさんへの直接のお勧めや。トランジション・プロトコルを見て、モジタバに近い人らから入ってくる生の情報を見とき。いくつか学べるで。ほんで、もう一回同じこと言うても、アホの集まりやと思われへんで済むわ。

まあ、とにかく、J・D・ヴァンスが手紙を送った。モフセン・レザイ宛てや。レザイはその手紙を最高指導者に見せた。ほんで、わしらは今日、土曜の返事を待っとる。わしがこうして話しとる時点では、西アジアはまだ朝のごく早い時間なんや。イランの正式な返答が今日、この土曜に出ると見とる。いまのところ、ほんの少しの兆候しかないけどな。

レザイが最高指導者を代弁して出しとる条件は、もう最高指導者と話し合うたもんや。まず、トランプが誠意を示さなあかん。これは、木星に自転をやめろって頼むようなもんやな。そんなん起きひん。ほんで凍結資金の返還や。つまり、うちの金を返せっちゅうことやな。これがえらい難しい。240億ドルとか120億ドルの話ですらないで、最初の分割の60億ドルの話や。これがめちゃくちゃ難しい。ほんで海上封鎖の解除や。これが、いまや最高指導者も含めて、イランの指導部みんなが「誠意」と定義しとるもんや。それがなかったら何もない。イランは交渉のテーブルにつかへん。

ほんで、トランプ政権が誠意を示して、イランが交渉に応じたとしても、その交渉は――わしらの親愛なる友人の、(聞き取り不明)の覚書っちゅうか、パキスタンの合意、イスラマバード合意、まあ呼び方はどうでもええけど、それに沿って進めることになる。核の議論は最後の最後や。ご存じのとおり、アメリカは核の議論から始めたがっとる。せやから、これもまた最初から話にならへん。カタールの仲介役が必死で、並行して進められるもんを探しとるのはそのためや。テヘランでのあの会合も、今日土曜のドーハでのカタールの仲介も、そういう意味なんや。いまのところ、何も発表はできひん。発表しとるのは、仲介を続けとるってことだけや。しかも、アメリカと調整しながらやと。これは二重に確認しとるんやで。というのも、カタールの仲介はアメリカと調整済みやと、もう発表しとるからな。

いま、草案の修正が進んどる。その草案は、アメリカに戻すんやなくて、イランに戻す形で回っとる。つまり、カタール経由で両陣営に草案が回っとるようなもんやな。ほんで修正がもう雨あられや。というのも、今日の土曜のあとには、ほぼ最終的な草案ができるやろと見込んどるからや。可能性のひとつは、国連の査察官、つまりIAEAの査察官が、爆撃された施設に戻ってきて、制裁の緩和と並行して進むっちゅうもんや。もしそれが実現したら、ホルムズ海峡は7日以内に開くことになる。これが有名な条件や、有名な可能性やな。最初にアラグチが口にして、今週前半にモフセン・レザイも、「7日かもしれん、もっと短いかもしれん、4日かもしれん」と言うた。でも、それでもまだ足りんのや、イランの視点からすれば。ほかの要素も並行して全部進まなあかん。とくに「金を見せろ」、いや、うちの金を見せろ、ほんで海上封鎖の終了や。

せやから、めっちゃ大事なんは、ヴァンスの手紙がモフセン・レザイに届いて、最高指導者と話し合われて、イランが今日土曜に手紙への正式な返答を出す、としても、肝心なんは、有名な7つの条件がそのまま残っとるっちゅうことや。7つの条件には、これまで話してきたもん全部が入っとる。ほんで、めちゃくちゃ大事なんが、すべての戦争の終結や。ご存じのとおり、ガザ、レバノン、イエメン、イラクへの無差別爆撃、ほんでもちろんイランに対する爆撃も含めてな。せやから、わしの見立てやと、何らかの了解までは、まだ天の川くらいの距離があるんや。

ほんで、もちろん忘れたらあかんで。忘れるわけないわな、鷹みたいに見張っとるんやから。火曜の中間選挙の結果や。中間選挙の結果次第で――”ソシオパスの親玉"本人が惨敗しようが、上院でなんとか踏みとどまろうが、そんなんどうでもええ。何が起きようが、計画はもうできとるんや。選択肢も、この数日間でセントコムの司令官と検討済みや。アメリカによるイランへの攻撃は起きる。ほんで、この外交のルートは一瞬で崩れる。

イランの側の公式の順序に戻るとな、とくに大事な点はこうや。海上封鎖を解除する、石油輸出への制裁を終わらせる、金を見せる、ほんで最後に核の資料の話を始める。ワシントンの順序は、核の資料の話から始めるっちゅうもんや。せやから、また数ヶ月前の状態に戻っとるわけや。基本的に、まだ同じ議論なんや。順序の問題なんやな。題材の問題やない。題材は全部テーブルの上に載っとる。

せやから、この土曜が日曜に向かう中で、仲介役とドーハが何か橋を見つけられるか、様子を見よか。いまのところ――失礼、この橋は崩れたまま、崩れた状態で残っとる。イランは、中間選挙のあとに何が起きようが準備ができとる。中間選挙の結果がどうなろうが、湾岸の石油君主国は完全に震え上がっとる。中間選挙のあとに複数回の攻撃に備えとけと言われたからや。必死でデエスカレーションを求めて動いとるけどな。カタールの仲介役も、テヘラン・サミットで話し合われたこと全部も、その先も、そうや。たとえば、サウジアラビアとトルコの外相が、アトランタのG20外相会合でラヴロフに近づいた件や。主題はもちろんエスカレーションやった。「あんたらはイランと戦略的パートナーシップがあるやろ。何とか、イランをうまいこと誘うて、デエスカレーションさせられへんか」と。ラヴロフが何と答えたか、想像つくやろ。「それは彼らの主権的な決定や」と。ほんで、そっちの両政府も、テヘラン・サミットでその場におったんやで、っちゅう話やな。

まとめるとな、ホワイトハウスやその周辺から、もうすぐ何かがまとまるとか、エスカレーションがすぐそこやとか、噂がいっぱい流れてきとる。その波が、パキスタン、カタール、サウジアラビア、トルコにまで及んどる。でも、繰り返すけど、全部はこの週末に何が起きるか次第や。ほんで火曜のあとは、もう何でもありになるのは分かっとる。起こりうる攻撃は、とてつもなく破滅的な結果をもたらしかねん。でも、みんな、歴史上のあらゆる神々の万神殿に向かって祈っとるわけや。"ソシオパスの親玉"の頭ん中に、ちょっとは常識が残っとってくれ、とな。ヴァンスがモフセン・レザイと直接会うことを提案したかもしれん、という点も考えられとる。これはかなり強い可能性やけど、もちろんワシントンは確認しとらん。場所はドーハかもしれん。まあ、様子を見よか。でもな、踏ん張っときや。この週末から始まって、火曜の中間選挙のあとの数日は、火山みたいなもんになる。「火山」でも足りんくらいや。ミスターZ、バトンタッチするで。

ほな、わしもペペが言うたこと全部にまったく同感や。例によって、わしからも背景の補足と、追加の情報がある。イランにおる人らから直接もろうたもんでな、光栄なことや。モフセン・レザイにごく近い人らからや。ほんでペペがテヘランでの会合について言うたことは、全部ぴったり正確や。えらい重要な会合やった。あれはアシム・ムニールが組んだもんでな、前回あっちに行ったとき――確か1週間前やったと思うけど――そのときにモフセン・レザイと全部話し合うて、レザイがそれを最高指導者モジタバ・ハメネイと話し合うたんや。ほんでモジタバが「ええ考えや、みんなここに来させたらええ」と言うた。せやから、みんな行ったんや。エルドアンの情報機関のトップ、サウジのハリド王子、MBSの弟やな、サルマン王子……いや、ハリド王子、ほんでムニール、ほんでモフセン・レザイ、もちろんほかの人らもおった。

ほんで会合のあと――これはあんまり知られてへんのやけど――ムニールと、モフセン・ナクヴィに私的な謁見が許されたんや。ナクヴィはムニールの右腕や。軍人やなくて、民間人やけど、ムニールとごく近い。親戚やからな。ほんでサジド・ナクヴィとも親戚なんや。パキスタンのシーア派のトップで、イランで同じ立場の人らに付ける称号やなくて、「アッラーマ」と呼ばれとる人やな。そういうわけで、特別な謁見が与えられた。その場で、次に何ができるかの機会が、この三人のあいだで話し合われたんや。つまり、モフセン・ナクヴィ、ムニール、ほんでモフセン・レザイ、ほんで最高指導者や。

ほんで、それが全部済んだあとに、びっくりするけど、モフセン・レザイ宛てに直接手紙が届いたんや。わしが言いたい点はこうや。これはモフセン・レザイにごく近い人から直接聞いた話や。さっき触れた会合の結果、最高指導者とムニールとモフセン・ナクヴィ、ほんでモフセン・レザイのあいだで詳しく話し合われて、パキスタンが仲介役になるっちゅう決定がなされたんや。見かけ上は、カタールがこの目に見える交渉を全部担うとるように見えても、実際の仲介は、ムニールとモフセン・レザイのあいだで進んどる。いままさにや。もちろん最高指導者の完全な祝福と、はっきりした指針のもとでな。はっきりした指針っちゅうのは、何が起きようが、イスラマバードに戻ってこなあかん、逃げ道はない、っちゅうことや。何が起きようがな。ほんで、最後に話し合うんは必ず核物質、核の資料や。核の資料は、先には絶対に話し合われへん。いくつかの信頼醸成措置が先に取られたあとになる。これはモフセン・レザイ本人から直接や。

せやから、わしは最も信頼できると思う情報を報告せなあかん。これが、わしらが視聴者に提供できる価値やと思う。見かけ上は誰にでも手に入る話やない。見た目はカタールがあらゆる行動を取っとるように見えるけど、仲介をしとるのはカタールやない。

ありがとう、ミスターZ。ほな、そろそろ締めよか。

まあ、こっち中国は長い一日やったわ。繰り返すけど、わしとあんたがいま話したことを混ぜ合わせたら、結局こういうことや。この週末から火曜の中間選挙、ほんでその後に何が起きるか。外交のルートはまだ続いとる。いまのところは、見かけ上はカタールや。たぶん、そのあとはパキスタン経由になるやろ。でも、全部はドナルド・トランプの頭ん中で、中間選挙の結果がどうなっても、何が起きるか次第や。せやから、もういっぺん言うけど、わしらは糸一本でぶら下がっとる状態や。上海からのわしのまとめはこれや。みなさん、ありがとう。

ほんで、もう一つ、めちゃくちゃ大事やと思う情報があるんや。ほとんど誰も手にしとらん情報でな。プーチンとイランの指導部が直接協議して、その結果、ロシアからイランへ、重要な物資と、人員を通じた技術支援が提供された。この48時間以内に起きたことや。わしが聞いた伝わり方では、えらい重大なことらしい。

そうか、それは知っとくべきやな。モスクワで確認を取るのは、ほぼ不可能やろうしな。

不可能かもしれんな。せやけど、わしは3回別々に確認したんや、それくらい重大やったからな。せやから出すんや。ほんで機微な話でもある。この物資が届くことになった会合では、あの「サイコパスの幼児」と、その相方の「死のカルト」が、でっかい攻撃を仕掛けてくるかもしれん、という可能性も話し合われたんや。でも、わしらは踏ん張る、っちゅうことでな。ほんで、「ロシアの支援が提供されたことは間違いない、あんたらに必要なもんは全部提供する、わしらはあんたらの後ろにおる、これはええ決断や」と告げられた。プーチンからイランの指導部への直接の言葉や。モフセン・レザイはもちろん、最高指導者にも届けられた。せやから、わしの見る限り――これはわしらが視聴者に提供する大きな価値やと思う、ほかではどこにも手に入らんからな――イランの指導部は、立場を1インチも引いとらん。イスラマバードに戻り続けとる。あんたらが示さなあかん誠意ある努力に戻り続けとる。それがずっとイランが言うてきたことや。ほんで、「攻撃したいんやったら、こっちは準備できてる」と。

もちろん、それはもう何週間も、ずっと言い続けとることや。でも、ワシントンで聞いてくれる人を探してみい、っちゅうやつやな。

もう一つ、わしから視聴者に付け足せる特別な情報があるんや。モフセン・レザイに送られたあの手紙は、実際はトランプが書いたもんで、でも署名する肝っ玉がなかった、と。ヴァンスに署名させたかったんやと。これがイラン側の評価や。イランの情報機関の評価やな。

評価やな。これは情報とは言われへん、評価と言える。イランの情報機関の最高レベルの評価で、これは「取引がしたい」と言うためにトランプがJ・D・ヴァンスを隠れ蓑に使うたもんや、というやつや。せやけど、イランの答えは、ここで話してきたとおりや。

いや、あの手紙の読み方にはほんまに感心するわ。ほとんど誰にも気づかれへん細かいニュアンスをつかむ、えらい有能な人らがおるっちゅうことやからな。ペルシャ人を甘う見たらあかんで。ええ仕事をしとる。せや、これが彼らの評価や。ほんで、返答を返したとき、彼らはこう言うたんや。「喜んで関与する、でも信頼醸成措置がいる」と。二点、やらなあかんことがある。Aは、金を返すこと。Bは、海上封鎖を解除すること。せやけど、同時に、トランプはそんなことはやらへんと分かっとる。ほんでまたぐるぐる戻ってくるんや。みんなを狂わせとる、回転木馬みたいなもんやな。アメリカは、イランが核兵器を絶対に持たへんという、何らかの保証がほしい。でもイランは核兵器を持っとらんし、核兵器の保有を認めへんファトワーも、まだ有効のままなんや。

その通りや。それをドナルド・トランプに説明してみい。これが、銀河全体にとっての問題や。

まあ、希望はな、カタールがえらい積極的に動いとるけど、采配を振っとるのはカタールやなくて、渡されたボールを運んどるだけやっちゅうことや。そのボールをカタールに渡しとるのは、モフセン・レザイと、ある程度はアシム・ムニールや。というのも、ムニールへの信頼がえらい厚いからな。これは自信を持って言えることや。でなかったら、アシム・ムニールと最高指導者のあいだの謁見なんか実現せんかった。この謁見が実際にあったと、わしは保証できる。えらい重要な会合やった。1時間近くお互いに話して、ほんで次の手順についての共同の決定がなされた。それがいま、まさに進行しとる。

えらい重要な情報や。ほな、最後の言葉はペペ、あんたに譲るわ。

わしに最後の言葉はないで。この週末は上海で人らに会うて、日曜のえらい遅い夜、中国時間でな、まだ西側にとっては日曜のうちに、また、みんなのところに戻ってくるわ。ありがとう。ほなな。

ペペ、ほんまにありがとう。世界中の視聴者のみなさんも、見てくれてありがとう。みなさんの支援に心から感謝しとるで。いいねとチャンネル登録を押してや。サブスタックに行って、有料会員になってな。それがわしらの唯一の資金源やからな。ほかに資金は一切受けてへん。そうやって独立を保って、ほかの誰も持ってへん情報をみなさんに届けとるんや。ほんま、ありがとうな。いつもどおり、週間展望でまた戻ってくるで。今週は、いろんな意味でえらい大事な週になるからな。ペペとわしも、ここでお届けするで。

ラリー・C・ジョンソンのSONAR21:サウジとポーランドの2題

https://sonar21.com/taking-the-houthis-at-their-word-the-bill-saudi-arabia-doesnt-want-to-read/

フーシ派の言い分をそのまま受け取ってみる:サウジアラビアが読みとうない請求書

2026年11月1日 ラリー・C・ジョンソン

リヤドには、フーシ派の主張に対するシンプルなやり方がある。「防空システムが何かを迎撃した」と発表して、ほかのことは一切ゆわんと、世界が話題を変えてくれるのを祈るんや。四半期決算を小数点まで公表しとるアラムコが、「製油所が燃えとるんちゃうか」と聞かれた途端に、急に沈黙の誓いを立てよる。

せやから、ちょっと違うことをやってみるわ。このコラムの間だけ、サウジ政府とアラムコの言い分はぜんぶ無視して、アンサール・アッラーの軍事報道官、ヤヒヤ・サリー准将の言葉をそのまま受け取る。サリーが正確さの鑑やからとちゃうで。軍の報道官っちゅうもんは、ワシントンも含めてどこの国でも、戦果を盛るもんや。やってみる理由は、このやり方で、フーシ派が自分らは何をやっとると思うとるか、何を狙うとるか、そしてその半分でも本当やったらサウジアラビアが何を失うか、が見えてくるからや。10月10日以降の答えは、「かなりぎょうさん」や。

標的リスト

10月10日から29日の間に、サリーは王国内への攻撃を主張する声明を少なくとも8本出しとる。まとめて読んだら、パターンが浮き上がってくるで。これは行き当たりばったりの嫌がらせとちゃう。標的は三つ、首都、石油の輸出ルート、ほんでイエメンでの戦争を回しとる空軍基地や。

リヤドのキング・ハーリド国際空港は、10月10日、11日、12日、19日、24日、26日、29日の、そのうち7本の声明に出てくる。サリーはこの空港を「軍事目標」やと宣言して、航空会社と旅行者に近づかんようにと呼びかけた。フーシ派はほかにも、ダンマームのキング・ファハド国際空港、アブハ空港を3回、ナジュラーン空港を3回、攻撃したと主張しとる。

エネルギー面では、アラムコのヤンブー・コンプレックスを3回、東西パイプラインとその中継ポンプ場を2回、ラス・タヌーラ製油所を2回、ラービグ製油所を2回、ほんでアブカイクの処理施設、シャイバ油田、ダハランのアラムコ本社をそれぞれ1回ずつ叩いたと主張しとる。世界最大の油田、ガワールも、10月10日のリストに載っとったらしいわ。

軍事面やと、ハミース・ムシャイトのキング・ハーリド空軍基地を4回、ナジュラーンの軍司令部、ナジュラーン空港の輸送機、「サウジ海軍任務部隊の野営地」、ジャバル・アル=ヒスン、ジャバル・アル=ラフマ、ビル・アスカルのレーダー施設、ほんで、リヤドのサウジ国防省を2回、攻撃したと主張しとる。この最後のやつ、もう一回よう読んでみ。サウジのイエメン戦争を指揮しとる建物を、フーシ派が2回叩いたと言うとるんや。

鎖の輪っかを、ぜんぶ

ここからが、サウジの石油大臣らを夜も眠れんようにするはずの部分や。エネルギー関連の標的を地図に置いてみたら、フーシ派は石油施設をただ叩いとるんとちゃうと気づく。サウジアラビアに残された唯一のサプライチェーンの、輪っかを一個残らず叩いたと主張しとるんや。

ホルムズ海峡が通常の航行に対して閉まっとるいま、王国の輸出は一本のルートに頼っとる。原油はガワールとシャイバの東部から出てくる。それがアブカイクで処理される。アブカイクは日量700万バレルの処理能力があって、サウジの石油システム全体の心臓部や。ほんで東西パイプラインに乗って、一連のポンプ場に押されながら、砂漠を1200キロ西へ運ばれる。このパイプラインは3月からずっとフル稼働の日量700万バレルで動いとった。最後に紅海のヤンブーでタンカーに積まれる。ヤンブーは日量約500万バレルの原油を出荷しとった。

フーシ派は、最初の油田、処理の段階のアブカイク、途中のポンプ場、出口のヤンブーと、叩いたと主張しとる。それは標的リストとちゃうで。フローチャートや。この地域の動きをよう見とるわしの友人のカール・ミラーが、何週間も前に教えてくれたんやけど、あのパイプラインの11か所のポンプ場のうち4か所はひどく損傷して、動いてへんそうや。フーシ派の最新の主張を見ると、仕上げまでやる気やな。

数字で見てみよか

ほな、これがなんぼの価値になるか。ブレントは10月28日、フーシ派がラス・タヌーラを攻撃したと主張した翌日に、1バレル115ドル近辺で取引されとった。ちょっと計算してみよか。

主張されとるパイプライン、ポンプ場、ヤンブーへの攻撃で紅海からの輸出が半分に減っとったら、サウジアラビアは日量およそ250万バレルを失っとることになる。115ドルやと、1日約2億9000万ドル、1か月でざっと86億ドルや。ヤンブーが完全に止まったら、損失は1日約5億7500万ドル、1か月で170億ドル超になる。気まぐれでサッカークラブを買うような国やとしても、誤差の範囲とちゃうで。

次に製油所を足そか。ラス・タヌーラの処理能力は日量約55万バレル。ラービグは約40万バレルや。ヤンブーにはさらに三つある。額面通りに受け取ったら、フーシ派は日量100万バレルをはるかに超える精製能力のプラントを叩いたことになる。これはアラムコの売上が減るっちゅうだけの話とちゃう。すでにどれも不足しとる世界が、サウジアラビアから買えへんようになる軽油、ジェット燃料、ガソリンの話で、しかもサウジ自身が輸入せなあかんようになるかもしれん。石油国家が海外から精製品を買う。パン屋がスーパーでパンを買うのと、エネルギーでは同じこっちゃ。

ほんでアブカイクや。この映画はもう見たことあるやろ。2019年9月、アブカイクとフライスへのドローンとミサイルの攻撃で、一晩にして日量570万バレル、サウジの生産の半分が吹っ飛んだ。フーシ派の10月29日のアブカイクへの主張が一部でも本当やったら、ほかには何も叩く必要がない。アブカイクは、チョークポイントの中のチョークポイントなんや。

ほんまのダメージは政治や

石油の損失は深刻やけど、一時的なもんや。パイプは溶接し直せる。製油所は再稼働できる。ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子への政治的ダメージのほうが、直すのがずっと難しいで。

MBSはビジョン2030にすべてを賭けとる。サウジアラビアが、ビジネス、観光、スポーツ、投資の世界的なハブになるという約束や。そのどれもが、一つのことに懸かっとる。王国は安全やという認識や。フーシ派はその認識をまともに攻撃しとって、せやから首都の空港が、彼らのリストでいちばん頻繁に出てくる名前なんや。フーシ派が世界の航空会社に「着陸するな」と言うとるときに、リヤドを「明日のドバイ」として売り込むんは無理やで。キング・ハーリド空港は10月11日から18日まで閉鎖された。再開した翌日、サウジアラビアは、ブラックロックのラリー・フィンクやJPモルガンのジェイミー・ダイモンが出席するはずやった「砂漠のダボス会議」、未来投資イニシアチブを、2027年に延期した。旗艦のビジネス会議を中止にするぐらい、「商売お待ちしとります」から遠い話もないな。

ほんで軍事面の主張や。サウジアラビアは2025年5月に、ワシントンと史上最大の1420億ドルの武器パッケージに署名した。何十年も買い続けてきたパトリオットやF-15や、カネで買えるあらゆるものの上に、さらに積んどるんやで。サリーが信用できるなら、アラブ世界でいちばん貧しい国を支配しとる運動体のフーシ派が、南の主要な空軍基地、彼らの接近を見張るはずのレーダー網、首都の国防省を、繰り返し叩いたことになる。どんなPRを使うても隠せん屈辱や。ほんで、湾岸諸国の首都という首都で、気まずい疑問が出てくる。あれだけのカネで、いったい何を買うたんや、と。

これは、わしが先週書いた外交の駆け込み劇の説明にもなっとる。リヤドの新しい同盟国のパキスタンとトルコは、イエメンには入らんとはっきりさせた。サウジの国防大臣はテヘランに飛んだ。リヤドは確認してへんけど、静けさを買うための10億ドルの頭金があったという報道もある。戦争に勝っとる国は、相手の後ろ盾のとこへ、小切手帳持って国防大臣を送ったりせえへんで。

細かい字の部分

公平を期すと、わしはサリーの言葉をそのまま受け取ると言うた。ほんで、彼の言葉には変わった特徴がある。10月31日、サウジ主導の連合軍がメディナ上空でフーシ派のドローンを撃墜したと発表した後、サリーは憤然とそれを否定した。フーシ派は「サウジ内陸部に向けた作戦は一切行っとらん」と言うたんや。つまり、アンサール・アッラーは国防省もアブカイクもリヤドの空港も喜んで自分らの手柄と主張するけど、聖地には線を引くっちゅうことや。それは謙虚さとちゃうで。メッセージの規律や。フーシ派は、イスラム世界に、イスラムの最も神聖な場所との戦争とちゃう、サウド家との戦争を見てほしいんや。

ほんで結論や。サリーが半分に誇張しとったとしても、それはあり得るけど、サウジアラビアはいま、地上では勝てへん、空からは止められへん、ガソリンスタンドの損失にはもう耐えられへん戦争を戦うとる。フーシ派はアラムコを破壊する必要はないんや。世界の航空会社、保険会社、投資家に、王国は戦争地帯やと納得させるだけでええ。いまの証拠を見る限り、なかなかうまいことやっとるで。

リヤドのどこかで、アラムコの報道官が、また何も言わん声明を起草しとる。サナアでは、ヤヒヤ・サリーが、また新しい標的リストを起草しとる。わしやったら、どっちを先に読むか、分かりきっとるわ。

https://sonar21.com/poland-is-the-symptom-and-europe-is-the-patient/

ポーランドは症状や、ほんで患者はヨーロッパ全体や

2026年11月1日 

ポーランドの憲法裁判所で真夜中に起きた大乱闘は、ポーランドだけの問題とちゃうねん。ヨーロッパ大陸ぜんぶを蝕んどる病気が、たまたまここで噴き出しただけや。ヨーロッパ中どこでも、有権者が「間違った」候補者を選んだら、エスタブリッシュメントは裁判官やら情報機関やらEUの小切手帳やらに手ぇ伸ばして、その結果を「民主主義を守っとる」てゆうとる。『ジャーナル・オブ・デモクラシー』がその教科書を書いて、ワルシャワが教育病院になっとるっちゅうわけや。

問題の論文

2023年12月、ドナルド・トゥスクの連立政権が「法と正義」(PiS)を政権から追い出して2か月たった頃や。『クルトゥーラ・リベラルナ』のヤロスワフ・クイシュとカロリナ・ヴィグラが、『ジャーナル・オブ・デモクラシー』にハウツーガイドを載せたんや。タイトルを見たらぜんぶ分かるで。「非リベラル民主主義の解体の仕方」や。

出どころをよう考えてみ。当時この『ジャーナル』は、全米民主主義基金(NED)の看板雑誌やった。NEDっちゅうのは、CIAが昔、夜中にやっとったことを昼間に堂々とやっとる組織や。今年、DOGEが2025年にNEDの資金を止めたせいでNEDとは切り離されて、今はスタンフォードのCDDRLと組んで独立しとる。けど2023年の時点では、民主主義推進の本丸がワルシャワに向かって「大掃除のやり方」を指南しとったわけや。

脚注を取っ払って、主張をまとめるとこうなる。

ポーランドには、PiSの「法の支配の侵害」に対処するための「第二波」の移行期正義が要る。

漠然とした反逆罪での起訴は避けること。2015年の憲法裁判所の人事、2020年の全面郵便投票での大統領選の試み、2023年のビザ・フォー・キャッシュ(金で査証を売った)スキャンダルみたいな、具体的な行為を訴追せえ。

ヤロスワフ・カチンスキに責任はあるけど、有罪にするのは難しいやろ。

議会の調査委員会が主な道具になる。

PiS寄りの大統領府、最高裁、国家法廷からの抵抗を覚悟しとけ。

体制を壊さんと安定させること。

著者らは最後に、額に入れて飾りたいくらいの但し書きを添えとる。「明確なロードマップはない…せやから奇跡を期待したらあかん」やて。

わしの批判

民主主義の守り手が、民主主義の解体マニュアルを書いてしもたんや。ほんで本人らはその皮肉に気づいてへん。この論文でいちばん勉強になるんは、そこやな。

まず「非リベラル(illiberal)」ちゅう言葉からしてや。これは法的なカテゴリーとちゃう。会議の予算をたっぷり持っとる連中が、気に食わん政府に貼るレッテルや。PiSは2015年も2019年も議会選挙で単独過半数を取って勝っとる。せやのに論文は、PiSの役人を、負けた政党っちゅうより、1989年の共産党のノーメンクラトゥーラみたいに扱うて、「移行期正義」のプロセスが要るとゆうとる。

ただ、クイシュとヴィグラの名誉のためにゆうとくと、この二人は自分らの大義よりは慎重やで。見せしめ裁判はあかんとか、漠然とした罪状はあかんとか注意しとるし、誰もやり方を知らんことも認めとる。けどな、マニュアルちゅうもんは但し書きのために読まれるんとちゃうねん。政治家は脚注を飛ばして、道具の章へ一直線や。

ここに核心の矛盾があるんや。PiSは裁判所を乗っ取って、判決を無視して、忠実な身内で機関を固めたと責められとる。ほんで処方箋はなんやと。裁判所を粛清して、判決を無視して、「正しい」身内を据えることや。罪やったもんが、「正しい人間」がやったら聖なる儀式になってまうねん。

3年後のポーランド:マニュアルが現実になった

今週、そのマニュアルが図書館を飛び出して、機動隊に守られてワルシャワの街に出てきた。

2023年以降、トゥスク政権は憲法裁判所を認めへんで、その判決を無視し続けとる。3月から、議会が新しい判事を8人選んだ。ところがカロル・ナヴロツキ大統領が、うち5人の宣誓を拒否したんや。ほしたら5人は自分らで宣誓式をやって、宣誓書を大統領官邸に郵送しよった。中欧の基準でも、これは前代未聞やで。

ほんで10月30日や。『ノーツ・フロム・ポーランド』と『プロトテマ』によると、こうなっとる。

アンナ・コルヴィン=ピオトロフスカ判事が、ボグダン・シフィェンチコフスキ長官を職務停止にして、自分が長官代行やと宣言した。

ヴァルデマル・ジュレク法務大臣が、シフィェンチコフスキの免責特権を剥奪する手続きに動いた。

機動隊が、シフィェンチコフスキを自分の裁判所に入れんように阻んだ。支持者らは電動工具でフェンスを切り開いた。

ナヴロツキはセネガルに向かう途中で飛行機をUターンさせて、午前1時ごろ、判事らを押しのけて建物に入った。双方とも、相手が暴力を振るたと非難しとる。外の抗議者らは「クーデターや」ゆうとった。

トゥスクの反応は、『ユーロニュース』によると「ある事柄については妥協の余地はない」や。ロシアのボットにも警告しとったで。ヨーロッパの危機っちゅうたら、ロシアのボットが出てこな始まらんからな。

連立の中も全員が拍手しとるわけちゃう。シモン・ホウォヴニャは、ポーランドは恥を知るべきやし、無理やり直そうとしたら衰退が深まるだけやとゆうた。ホウォヴニャとPSLは、今ナヴロツキの協議に出席しとる。身内の連立パートナーが向こう側と会談を始めたら、そのロードマップには穴ぼこがあるっちゅうこっちゃ。

クイシュとヴィグラは「奇跡を期待したらあかん」とゆうた。これは奇跡とちゃうで。鏡や。

症状やのうて病気そのもの

ポーランドは、たまたま患者がいちばん激しく暴れとるケースっちゅうだけや。病棟のほかを見渡したら、おんなじ病理があちこちに出とる。選挙は参考意見くらいの扱いで、最終決定権は誰も投票してへん機関が持っとる、ちゅうやつや。

ルーマニア。 2024年12月6日、憲法裁判所が大統領選の第1回投票を無効にした。支持率ひと桁やった部外者のカリン・ジョルジェスクが1位になったからや。理由は、「ロシアによる攻撃的なハイブリッド攻撃」に関する機密解除された情報と、違法な選挙資金の疑いやった。2025年3月には、選管がやり直し選挙からジョルジェスクを排除した。当時「どの世論調査でも本命」やった男をや。裁判所も全会一致でこれを認めた。選挙をやり直して、勝った人だけ外す。これも選挙の「直し方」の一つなんやろな。

フランス。 2025年3月、パリの裁判所がマリーヌ・ル・ペンをEU議会の資金横領で有罪にして、5年間の公職停止を即時発効で言い渡した。2027年の大統領選の最有力候補が、小槌の一撃で消されたんや。7月には控訴審が有罪は支持したけど、停止期間は45か月に短縮して、うち30か月は執行猶予にした。せやから結局出馬できることになった。裁判官が与えて、裁判官が取り上げる。どっちにしても決めるんは裁判官や。

ドイツ。 2025年5月、ドイツの国内情報機関BfVが、AfDを「確定的な右翼過激派」政党に指定した。AfDの支持率は24?26パーセントや。2月にケルンの裁判所がその指定を停止して、「その条件は満たされてへん」と判断した。それでも議員らは、憲法裁判所に党を丸ごと禁止させようと動き続けとる。有権者の4分の1が支持しとる党を禁止する。議論に勝つ方法としては、確かに一つの手やな。わしのおった昔の商売やったら、諜報機関が最大野党を監視しとる状態は別の名前で呼んどったで。

ブリュッセルの小切手帳。 欧州委員会は、PiS政権下のポーランド向けに約1370億ユーロを凍結しとった。ほんで2024年2月29日、トゥスクが就任して11週間後に、その金を解除した。委員会の職員本人が「だからといって、法の支配が完全に回復して万事OKということやない」と認めて、改革計画は「まだ草案段階の野心」やとゆうとった。法の支配は、首相官邸に誰が座っとるかで測られる、ちゅうことやな。ハンガリーも同じ扱いを受けた。新首相のペーテル・マジャルは、「EU資金を解除してもらうために」ブリュッセルに行くと約束しとる。ブダペストにはメッセージがちゃんと届いとるわ。

事例を並べて見たら、症状がはっきりしとるで。裁判所が、投票用紙に載る選択肢を取り消したり絞ったりする。情報機関が、どの政党が競争するのにふさわしいか格付けする。ブリュッセルが、「ええ行い」、つまり「正しい政府」にカネを払う。ぜんぶ「投票した人間から民主主義を守る」ちゅう名目でや。

せやから、クイシュとヴィグラの論文はポーランドを超えて意味があるんや。ポーランドの政策文書とちゃう。「間違って投票する有権者」を治療するための臨床プロトコルで、「有権者に鍵を預けたらあかん」と結論づけたヨーロッパのエリートに向けて書かれとる。トゥスクは、麻酔なしでそれを試した最初の外科医っちゅうだけや。

NATOにとって何を意味するか

同盟っちゅうもんは、「うん」とゆわなあかん各国政府の強さ以上には強うならへん。今、NATOの主要なヨーロッパ加盟国のいくつかは、自国の有権者や裁判所や大統領との戦いに手一杯で、対外的な冒険なんかできる状態とちゃう。場合によっては、やろうとしてもできへんやろな。

まずポーランドや。ワシントンがNATOの模範生やと持ち上げて、ベラルーシとウクライナに面した最前線の国や。ポーランド憲法では、大統領が軍の最高司令官や。そのポーランドの大統領と首相が、今お互いに「クーデターや」と非難し合うとる。こんな状況で、誰が展開命令を出すんや。ほんなら、ポーランドの兵士は誰の命令に従たらええか分かるんか。憲法裁判所が二つあって、最高司令官が午前1時に判事を押しのけとる国は、戦力を投射する準備なんかしてへんで。自分らをまとめとくのに必死なんや。

ほかの病棟も、似たり寄ったりや。

ドイツは、有権者の4分の1が支持して、ロシアとの戦争には一切関わりとうないゆうとる野党を禁止するかどうか議論しとる。東へ兵を送るドイツ政府があったら、それがそのままAfDに次の選挙を献上することになる。

フランスは、2027年の大統領選を控えとる。NATOの統合軍事機構にずっと懐疑的やった党のル・ペンが、また投票用紙に戻ってきとる。この選挙を前にして、海外の冒険に賭けるフランス大統領はおらんで。

ルーマニアは、黒海沿岸のミハイル・コガルニチャヌにNATOの基地があるけど、自国の裁判所が取り消した選挙の影がいまだに政治にかかっとる。政治階級に正統性の問題があるんやから、戦争でそれを悪化させる余裕はないわ。

NATOは合意で動く。これらの政府はどれも今、対外派兵を、自分らが説得するんやのうて管理することに何年も費やしてきた国内の有権者と天秤にかけとる。国内でのエリートの支配が、裁判所と情報機関とブリュッセルのカネに頼っとるとき、「息子らを東へ送ってくれ」と有権者に頼むんは、いちばん冒せへん頼みごとなんや。有権者を敵扱いしたツケは、遅かれ早かれ回ってくるで。

皮肉は見逃しようがないな。このプロジェクトは、「門前の野蛮人から民主主義を守る」ちゅうて売り込まれとった。ほんで出来上がったんは、自国の有権者とすら折り合えん、ましてや加盟国同士でも折り合えん同盟や。モスクワは指一本動かす必要もなかったんや。ヨーロッパの「民主主義の守り手」が、勝手にその仕事をやってくれとる。

グローバリストは消えへん

「法の支配」や「移行期正義」ちゅう言葉を剥ぎ取ったら、出てくるんはポーランドのナショナリズムそのものを狙うたプロジェクトや。PiSの本当の罪は、裁判所に人を詰め込んだことやない。裁判所に人を詰め込む政府なんぞなんぼでもあるわ。罪は、ポーランドの主権とカトリックのアイデンティティと国民国家を、ブリュッセルより上に置いたことなんや。

記録を見たら一貫しとる。ポーランドは2015年のEUの移民再配置の割当を拒否して、2020年4月に欧州司法裁判所が、ポーランド、ハンガリー、チェコは拒否によってEU法に違反したと判決した。その7月、欧州委員会は、「LGBTイデオロギー・フリー」決議を出したポーランドの6つの町への姉妹都市交流補助金を拒否した。ほんで1370億ユーロの凍結や。ブリュッセルのメッセージは、いっこもブレとらん。国のアイデンティティは民俗芸能としては歓迎するけど、政策としてはお断り、っちゅうこっちゃ。

西側エスタブリッシュメントのグローバリスト派、つまりNEDやブリュッセルや、その周りを回っとる財団やシンクタンクにとっては、ナショナリズムは議論する意見とちゃう、治療すべき病気なんや。何を信じるか、誰を受け入れるか、自分とこの裁判所をどう運営するか、それを自分らで決めると言い張る国は、定義からして「非リベラル」になる。クイシュとヴィグラは、その態度に法的な手続きを与えただけや。

ほんで東を見てみ。同じ連中が、ロシアにも同じ態度をとっとる。礼儀はもっと少ないけどな。NEDは何十年もロシアの市民社会団体に資金を出してきて、せやからモスクワは2015年の法律で、NEDを最初の「望ましくない組織」に指定したんや。2022年6月には、米国のヘルシンキ委員会が「ロシアの脱植民地化:道義的かつ戦略的な至上命題」ちゅう題の説明会を開いた。このタイトルを見たらあとはお察しや。ロシアのナショナリズムも、ポーランドのナショナリズムと同じで、向き合うべき事実とは扱われへん。制裁や体制転換で、あるいは講演会サーキットの連中の思い通りになったら分割で、治したらなあかん病理として扱われとるんや。

わしがいちばん痛快やと思う皮肉はこれや。ワシントンとブリュッセルは、ポーランドのナショナリズムがモスクワに向いとった間は、何年も拍手喝采しとった。ポーランドのロシア嫌いは、同盟のお気に入りの資産やった。ところが同じナショナリズムをブリュッセルに向けた途端、急に民主主義への脅威になって、機動隊が要るようになる。ポーランドの愛国心は、信念として尊重されるもんやない、向きを定めて使う武器やったんや。ポーランド人は気づいたほうがええで。ロシアの国民意識を解体したがっとる連中が、自分らの国民意識も解体しようとしとる連中と同じやっちゅうことにな。

これはわしの見立てで、論文の主張とちゃう。クイシュとヴィグラは、ぜんぶ法の支配の回復として語っとって、始めたんはPiSやと言い張っとる。PiSの2015年の憲法裁判所人事は権力の奪取やったし、2021年のクセロ・フロール判決で欧州人権裁判所は、不適切に任命された判事を含む法廷は公正な裁判を受ける権利を侵害すると認定しとる。

ナヴロツキが新しい判事の宣誓を拒否したんも、これまた強硬策や。両陣営とも、ちゃんとした法的な言い分を持っとる。せやからこそ、真夜中の機動隊は、これを決着させる方法としては間違うとるんや。

動機をまるごと脇に置いたとしても、悪い結果で判断したらええ。憲法裁判所が二つ張り合うて、大統領が暗闇で判事を押しのける国が出来上がったんや。

NATOについては、一言つけとくで。国内の混乱のせいで、攻撃的な作戦や遠征の冒険はずっとやりにくなるけど、これらの国が自国の領土の防衛まで拒否するっちゅう意味とちゃう。ワルシャワの両陣営とも、防衛費の大幅増には賛成しとるし、加盟国への直接攻撃があったら、いちばん割れとる議会でもまとまりがちや。わしの議論は冒険に対する意欲の話で、国境で戦う意志の話とちゃうで。

そやけど、こういう但し書きがあっても、中心の論点は変わらへん。ワルシャワで起きとる争いは、ほんまは判事の話とちゃうんや。ヨーロッパの国が、今でも自分で自分を定義してええんか、それとも、その権利はもうブリュッセルとNEDと、「民主主義の解体マニュアル」を書く連中のもんになったんか、っちゅう話や。モスクワはその答えを何年も前に知っとった。ワルシャワは今、それを知らされとるとこや。