https://michael-hudson.com/2026/08/the-debt-system-that-ate-the-west/
By Michael 2026年8月29日(土)
2026年8月20日
Glenn Diesen: おかえりやすー、皆さん。今日はマイケル・ハドソン教授に来てもろてます。皆さんには教授の仕事も、教授自身のウェブサイトもぜひ見てほしいわ。説明欄にリンク貼っとくで。また会えて嬉しいわ。
Michael Hudson: こちらこそ、また来れて嬉しいで。
Glenn Diesen: 教授は政治経済についてぎょうさん重要な本を書いてはるやんか。『古代の崩壊』とかでは金融の歴史も扱うてはる。
で、今日はその歴史の話をしたかったんや。ちゅうんも、今の金融危機がどんどんスピード上がってきとって、金融システム全体があきらかに持続可能やないし、崖っぷちに向こうとるように見えるからや。
歴史を通してずっと、人間は今の現状がずっと続くもんやと思い込んでしまうもんやけど、それはいつも一時的やったわけや。歴史を振り返ったら、この仕組みの変化と連続性、そして代わりの道も理解できるんちゃうかなと思うたんや。
いうんが元々の考えやったんや。一歩下がってこの歴史を見て、今どこにおるんかもっとちゃんと理解できたらええなと。ほんで、すごい大きい質問になるけど、今のシステムについて過去見て何が学べると思うか?あるいは何が定数やと思うか?例えば金融システムの寡頭制的な傾向とかや。教授はどない見てはる?
Michael Hudson: わしがこの50年ぐらいやってきた仕事はほとんど、負債と銀行の歴史書くことやったんや。
もう1970年代終わりの時点ではっきりしとったんは、グローバルサウスの国々が負債危機起こしとって、西側経済のほとんどが「景気循環」ちゅうもんよりもっとえらいことになっとった、ちゅうことや。景気回復のたびにどんどん負債水準が高うなっていくんや。これはもう持続不可能なんは明らかやった。
わしはこれがどう始まったんか見たかったんや。せやから25年間、ハーバードのグループを率いて、メソポタミアやエジプト、イスラエル――古代中東、今でいう西アジアの経済史書くのに時間かけたんや。何が西洋を、それ以前のもんすべてとこんなに違うもんにしたんか見るためにな。
質問への答えとして一番ええフレームは、今日の言説――政治的な言説も金融的な言説も――アメリカとヨーロッパを民主主義として、中国とかアメリカの同盟に入ってへん国々を「専制主義」として対比させとる、ちゅうことやと思うで。ほんで彼らが専制主義ちゅうんは、混合経済のことなんや。19世紀までは社会主義ゆうて呼ばれとったもんやな。
基礎インフラへの政府投資、補助金付きの料金、独占レント防ぐための政府の反トラスト法とか独占禁止法――19世紀の産業資本主義がヨーロッパとアメリカでやった、経済レントを課税で取っていく、地代を自然な税源として課税していく、独占レントの発達防ぐ、そして最終的に貨幣と信用そのものを公共サービスにする、ちゅう動きの全部や。この全部が金融資本主義自身の生活費、事業経費、コスト構造全体を下げて、もっと効率よくするためにやりたかったことやったんや。
その効率化のやり方いうんは、鉄道や通信みたいな自然独占の民営化を防ぐことやったんや――サッチャー主義のイングランドの後に見るようなやつな。ほんでアメリカの「専制主義」の定義ちゅうんは、実際、マーガレット・サッチャーとロナルド・レーガンが1980年代にやったことより右寄りの政府の役割のこと全部なんや。
わしは何が西洋をそれ以前のもんから区別しとったんかを見たわけや。民主主義とちゃうんや。アリストテレスは自分が知っとる世界中の憲法の研究書いて、全部の憲法は自分らのこと民主主義や言うとるけど、実際は専制主義やった言うとる。これが問題の一部やったんや。
西洋全体は歴史的に本当にユニークやってん――自分らが主張しとる通り――それ以前のもの、青銅器時代の社会、主にメソポタミアやエジプトからずっと中国まで続くアジア社会から見てな。ほんで、経済文明のテイクオフの最初の3000年間を通じての際立った特徴いうのが、中央の支配者がおったちゅうことや。
歴史家らはこの支配者らをどう性格づけたらええか、はっきりせんのや。メソポタミアやエジプトでは「神権王政」、中国の儒教では「皇帝」ゆうて呼んどる。
中央権力――王、神殿、あるいは皇帝――の役割いうんは、民衆の繁栄維持することやったんや。それが民主主義のあるべき姿ちゃうんか。
ほな西洋は、民主主義は投票箱で達成されるもんや、人々が投票することで、思うてはるわけや。せやけど初期のローマとかギリシャの憲法見たら、憲法いうんは政治権力全部を貴族の手に集中させとったんや――地主と債権者らやな。投票はできても、誰に投票しても結局その寡頭政治――ますます略奪的になっていって、残りの人口を負債に追い込んでいく寡頭政治――になってしまうんや。
ほんで結局、この負債のダイナミクスがローマ帝国――古代を吸収してた帝国――を崩壊させたんや。同じ負債のダイナミクスが今日も起こっとるんやで。
せやのに、文明の最初の数千年――これがわしの本『彼らの負債を赦せ』の話やし、わしのハーバードでの研究、『Temples of Enterprise』の記事で書いとることや――アジア全体のテイクオフをあんなに違うもんにしたのは、経済成長よりも早う負債が膨らんでいくことこそが、最大の不安定化の力やと認識しとったことなんや。
それが全支配者の基本的な政治指針やったんや。ほんで彼らが見た――そしてアリストテレスからプラトンまで下ってくる古代文学全部が扱っとったのが――負債が返済能力より早く膨らんでいく、この傾向やったんや。ほんでこれが起こったら、債務者らは債権者に対して隷従とか束縛、下手したら奴隷とか農奴に落ちてしまうんや。
これが西洋に起こったことや。せやから同じ負債の二極化のダイナミクスが今日も起こっとるんやで。
ほんでアジアの発展をあんなに違うもんにしたんは、そして今日の中国の発展を西洋の金融政策とあんなに違うもんにしたんは、金融寡頭制が発達するのを防いだことやったんや。
わしが50年代にシカゴ大学行ってたころ、必読書の一つがプラトンの『国家』やったんや。『国家』全体のテーマは――ソクラテスがこう言うところから始まる――「めっちゃ敵意ある人間から武器借りたとするやろ。それを返したら、そいつがその武器で人を殺したり悪いことするかもしれん。それでも返さなあかんもんなんか?」ちゅう話や。
これが彼の出発点で、こう言うんや。「ほな、略奪的な寡頭制に負債負うとって、そいつらが払われた金でまた別の人間を負債に落として隷従させていくとしたら、どないすんねん?」ちゅう長い議論の末、ソクラテスの答えは――わしらが習うたんは「哲人王」ゆう訳やった。
いや、それは全然哲人王とちゃうんや。ソクラテスが言うたんは、「わしらの時代の主要な経済問題――金銭愛、富への中毒――にどう対処するんや?金と富ゆうのは経済的・社会的権力の一種で、中毒性あるもんなんや。ほな、これどないして避けるんや?」ちゅうことなんや。
ソクラテスの答えは、金融的な富もっとらん、財産もっとらん支配者を置くこと――せやからまだ金の中毒者になっとらん支配者を置くことなんや。まあもちろん、そんなことにはならんかったわけやけど、皆知っての通りな。ほな、古代はどうやってこれを止めたんや?
メソポタミアからエジプト、中国までの文献全部が言うてる基本原理は、支配者――何て呼ぼうと――の役割は経済的なバランス保って、人々を繁栄させて不幸にさせんことや、ちゅうことやった。搾取を防ぎたいわけや。人々が債権者に隷従して逃げ出すの防ぎたいわけや、せやかて軍隊も必要やし、城壁も公共インフラも全部人口が要るからな。
西アジアの支配者ら全部に共通しとったんは、負債の帳消しやったんや。シュメール、バビロニアから、ハンムラビ、そしてレビ記25章のユダヤのヨベルの年まで、文言はまったく同じやったんや。新しい支配者が即位したとき、あるいは定期的に、あるいは干ばつや洪水で作物育てられんかったときに、それが起こったんや。
負債の積み上がりが社会を貧しくして、債権者らが残りの人々を支配してしまうこと、どないして防ぐんや?バビロニアやシュメール、しばらくはエジプトでも、新しい支配者はみんな治世の始めに農地の個人負債を帳消しにするところから始めたんや。事業負債はちゃうで――そっちはそのまま残しとった。せやけど滞納した市民の負債、穀物の負債は帳消しにされたんや。ほんで、債権者に担保として差し出された束縛労働者は解放されたんや――奴隷とちゃうで、束縛されて労働させられとった市民とその家族らのことや。ほんで、困窮状態で作物の権利と一緒に担保に差し出しとった土地は、耕作者に返還されたんや。これが中心やったんや。
その伝統は西洋には最初っから完全に欠けとったんや。中央の支配者――神権王、王、ファラオ、皇帝――が負債が返済能力より早く膨らんで社会を二極化させるのを防ぐ規制者として監督する、ちゅうのがなかったら、そんな伝統立てる方法もなかったんや。
ほんで、それがまさに今の西洋経済で起こっとることなんや。第二次世界大戦終わってからずっと負債が着実に積み上がってきて、それが今わしらが見とる危機なんや。
負債は本当に、残りの経済を貧しくせんと返済できひんほど膨らんでしもうとるんや。それはまるで、IMFの緊縮財政プランをグローバルサウスの国々だけやのうて、先進工業国自身にも押し付けとるんや。それがわしらの抱えとる問題なんや。
ほんで、中国のテイクオフ見たら、何が中国をこの全部から免れさせとるんや?中国は貨幣と信用創造を政府――中国人民銀行――の手に置いとるんや。西洋の銀行が果たしとる役割――企業買収の融資、不動産購入の融資、工場や機械みたいな有形資本形成に投資するんやのうて資産買うための融資――を担う独立した金融階級ちゅうもんが、中国には一度もなかったんや。
西洋経済で金融が融資しとる役割ちゅうんは、ほとんど非生産的やったんや。負債レバレッジで金融的な富を作り出しとる――人々に金貸して不動産や株や債券買わせて、そいつらの値段をどんどん高うしていく、もっともっと金作ってもっと不動産や株や債券をもっと高い値段で買わせる、ちゅうことでな。せやから2009年以降のアメリカ経済の成長のほとんどが金融的な性格のもんやったんや。有形の産業投資の形は取っとらんし、労働全体の生活水準向上――ましてや中流階級の――の形も取っとらん。こういう金融的な富は全部、人口の一番裕福な10%、特に一番裕福な1%の手に集中しとるんや。前にも話したと思うけどな。
5000年前の歴史記録の始まりからずっと、何が社会や経済を成功させてきたんか?もっと成功した社会と経済は、この金融的な二極化を避けて、富を負債請求権――債権者の富や資産所有、株、債券――の形にせんかったことなんや。不動産は借家人への請求権、債務者への請求権や。それは経済レントなんや。
アダム・スミス、ジョン・スチュアート・ミル、マルクス自身見てみ――19世紀の産業資本主義の教義全体は基本的に、この問題を解決しようとしとったんや。「貨幣は全部、負債返済して利益出せる能力を高めるために作られるようにしよう、その利益は長期的な研究開発や有形資本形成、もっと工場、もっと雇用に再投資されるようにしよう」ちゅうことやな。それが古典派経済学の教義全体やったんや。世界全体が第一次世界大戦までその方向に向かっとるように見えとったんや。
ほんで第一次世界大戦が全部変えてしもうたんや。ドイツの賠償金とか連合国間の債務の講和条約は、全部債権者寄りやった――債権者寄りの関係のシステムやって、それがドイツだけやのうて、ぎょうさんのヨーロッパの国々を貧しくしてしもうたんや。イギリスは1926年に大ゼネストがあったし、フランスは自分らでハイパーインフレ起こしたんや。
せやから第二次世界大戦後、アメリカは戦後経済がどう運営されて構造化されるか、ほとんど自分らで決めることになったんや。せやから「今回は賠償金なし。連合国間の債務もなし。せやけど、また債権者寄りのルールにするで」ちゅうことやったんや。
アメリカの交渉担当者とジョン・メイナード・ケインズの間で議論があったんや。ケインズはこう言うとった。「戦後経済が第一次大戦後のヨーロッパ経済みたいになってほしないんやったら、経常収支赤字を貿易赤字通じてずっと出し続けて、その赤字ファイナンスするために抱えた対外債務でどんどん借金が膨らんでいく国々の負債、なんとかして帳消しにする方法が要るで」。「これらの国の負債は帳消しにせなあかんし、常に黒字出しとるアメリカみたいな国の債権請求も書き下ろせて、イギリスがそうなると予想されとったような赤字続けとる国の負債も帳消しにできる権限持った新しい国際銀行も必要や」ちゅうことやな。ケインズはイギリス財務省のために働いとったんや。
ほんで、アメリカはそれ拒否したんや。ケインズのバンコールとか彼の銀行の代わりに、債権者寄りのルールと緊縮財政を債務国に押し付けるIMFを作ったんや。
1990年代終わりから2000年代初め頃には、国々はIMFに頼ることをまるでペストみたいに避けようとしとったんや、せやかて緊縮プログラム押し付けられても実際には負債を返せるようにはならんことを知っとったからな。むしろ経済を弱らせるだけや。生産手段への新規資本投資――農業、産業、輸送、インフラへの投資――に回すべき所得を、債権者への支払いに転用させてしまうから、破壊的なんや。
過去にグローバルサウスの国々だけに課されとったことが、今アメリカとヨーロッパの経済にも課されとるんや。同じダイナミクスで貧しくされとるんやで。
せやから急に、わしらは何度も何度も起こってきた古くからのダイナミクスに戻ってしもうたんや――負債が返済能力より早う膨らんで、書き下ろさなあかんようになるちゅうやつな。もし国民や労働力、そして今や企業や政府までもの支払い能力に合わせて負債を書き下ろさへんかったら、1920年代に見たような停滞が来るんや。
ケインズが指摘した問題は、この負債の重荷が債務者を貧しくするだけやのうて、アメリカみたいな債権国に支払われた金は単に金融的に金を作るために使われるちゅうことやったんや。それが株式市場ブームを煽って、そのブームは結局暴落して債権者らも一緒に消し飛ばしてしまうんや。
こういう戦後の取り決めがどう始まったんかについては、ぎょうさん研究があるで。例えば1871年の普仏戦争の講和や。あれはドイツが戦争に負けたフランスに賠償金払わせようとして、金本位制に移行して、ドイツも金本位制採用したときのことや。それがイギリスが19世紀初めに早々に採用しとった金本位制が、他の国々にも広がっていった時期やったんや。
ほんでドイツが金本位制採用して、他の国々にも金で支払うよう強要したんや。ドイツ市場はえらい繁栄して、結局鉄道株式市場バブルになって、それが自分自身で崩壊してしもうたんや。
負債の積み上がりは債務国の富を破壊するだけやのうて、債権国自身の富も破壊するんや。それが今日わしらが置かれとる状況なんや。金融化されたアメリカとヨーロッパの経済は、この富をただ金融的にもっと金を作るための融資に使うとるんや。実際、銀行融資のほとんどがそのためのもんなんや。ほんでアメリカが金融的に自分を支えてこれた唯一の方法は、基本的に債務者に利子払うための金を貸すことやったんや。
これは16世紀、17世紀にはうまいこといかんかったし、いつもポンジースキームになってしまうんや。それが今日、西洋全体が直面しとる基本的な問題なんや。長い答えになってしもうたけど、これがわしらが話してきた大きな歴史的枠組みやな。
Glenn Diesen: これが今終わりに近づいとる、言うてはりましたけど。それをもたらしとるメカニズムは何なんですか?負債の解消がなかったら、結果はどないなると思います?さっき言うてはったみたいに、それは債務者を傷つけるけど、最終的には債権者も消し飛ばしてしまうんですよね。
Michael Hudson: 連邦準備制度によると、アメリカ人口の40%はまったく貯蓄持っとらんのや。給料日から給料日への暮らしやな。ほんでその結果、クレジットカードで食いつないどるんや。クレジットカード金利は19%から始まって、延滞利率はもっと高うて、実際の利率は30%超えることもあるんや。
これはつまり、消費者負債――ただ食いつなぐために、基本的な生活のためだけに借りとる金――が3年ごとに倍になっとるちゅうことなんや。せやけど賃金水準はそうなっとらんし、賃金は上がっとらんのや。
この負債を払わなあかんことで、ほとんどの人口の消費支出が縮小させられとるんや。連邦準備は、消費支出の増加分の半分が一番裕福な10%によるもんやと報告しとって、それはラグジュアリー品や――イタリアのファッション、車、ヨットとかの輸入品やな。
せやけど賃金労働者向けの国内市場は縮んでしもうたんや、税金と健康保険と負債返済――クレジットカード会社への、銀行への住宅ローンとか自動車ローンとかの――払った後の所得で、自分らが暮らせる分を使えへんからな。アメリカや外国の産業が作った製品を買うだけの余裕がないんや。
負債が経済より早う膨らんでいくこの傾向の結果は、脱工業化なんや。所得が負債返済に使われてしまうから、経済的繁栄と成長を着実に強化していくはずやったこの循環フローの中で、彼ら自身が生産したもんを買うために使われへんのや。
Glenn Diesen: それと、戦争と現代銀行業の関係について書いてはることについても聞きたかったんです。これもかなり興味深いし、関連あるトピックやと思うんですけど。
Michael Hudson: 1、2ヶ月で出版される本がある。国際銀行業が十字軍から第一次世界大戦までどう発展してきたか、その歴史や。ほんで、わしが見つけたんは何やユニークなことやったんや。
国際銀行業を作って、国際的な銀行を支援したんはローマ教会自身やったんや。そうやって、キリスト教の反高利貸し教義を全部逆転させてしもうたんや。ローマは基本的に、自分らの支配に抵抗する国々に対して宗教的・政治的な戦いを起こそうとしたんや。十字軍いうんは、正式な十字軍が始まる前からすでに始まっとって、まずドイツと戦って、後にフランスとも戦うたんや。
十字軍は、ローマの支配に抵抗する他の西方キリスト教国と戦うためのもんやったんや。ローマ教皇庁にとっての問題は、軍隊雇うほどの金がなかったことやったんや。彼らには軍隊がなかった――スターリンが第二次大戦後の教皇について皮肉ったようにな。ほんならどないすんねん?
彼らは11世紀からノルマンの武将らをリクルートしたんや、例えばイングランドの征服王ウィリアムみたいな武将をな――彼は武将やったんや。「あんたがイングランドを征服して、わしらに封建的忠誠誓って、ペテロの献金とかその他の貢物を約束して、わしらの教会がお前の領土全体の司教を任命するの許してくれるんやったら、わしらがあんたの統治を後押しして神聖化したるで」ゆうたんや。司教らは教会の財政を仕切っとって、教会はヨーロッパ全土で最大の地主で地代の受取人やったんや。ウィリアムはそれに同意して、基本的にローマの封土としてイギリスを作り上げたんや。
ほんで、それよりほんの10年ほど前に、ローマは南イタリアとシチリア征服した武将とも同じ契約結んどったんや――わしの本にその契約のコピーを載せて論じとるんやけど。ロベルト・グイスカルドいう武将に、「あんたをシチリア王にしたる、あんたの王権を支持したる。せやけど忠誠誓って、わしらの指示に従って、あんたの領土の司教任命権と教会財政の統制権はわしらに渡してもらうで」ゆうたんや。
それが彼らが王になった経緯やな。11世紀終わり頃には、ヨーロッパの他の領域がこれに反対し始めたんや。せやから2人の教皇がおったんや。ドイツ支持の教皇に対して、ローマ教皇は「ビザンツを助けよう。ビザンツ帝国はトルコの侵略に脅かされとる。救おう。イスラム教徒からエルサレムを救おう」ゆうたんや。
そして、すごい広報戦略の勝利で、ヨーロッパ全土の王らを集めて戦いに行かせたんや。ほんで実際の狙いは、コンスタンティノープルとビザンツ帝国を征服することやったんや。行った先でまずエルサレムを略奪したんや。エルサレムはキリスト教徒をイスラム教徒から守る必要なんて全然なかったんや、せやかてイスラム教徒はキリスト教会許しとったし、反キリスト教なんてまったくなかったからな。
13世紀までに、十字軍はコンスタンティノープル自体を略奪して、それをローマ教会に吸収しようとしたんや。東方の司教座はこれ全部に反対したんや。ローマ教会と東方正教会――コンスタンティノープル、アンティオキア、エルサレム、アレクサンドリアの主要4司教座――との分裂が起こったんや。彼らは皆この全部に反発しとったんや。
ローマ教会――帝国教皇庁いうんやけど――は、「わしらの支配に抵抗しとるドイツとか他の国々ともまだ戦わなあかんな。ほな、金どないして手に入れるんや?」ゆうたわけや。
ノルマンの武将らは軍隊持っとったけど、戦争する金は持っとらんかったんや。北イタリアの銀行家、そしてアルプス越えてすぐのコアオルサンス――カオール出身の銀行家――をヴァチカンが支援したんや。教皇特使が銀行契約持って王らのところに行ったんや。ジョン王の息子、イングランドのヘンリー3世とかにな。「あんたの息子をシチリア王にしたる、せやかてドイツとビザンツ教会がシチリアと南イタリアの都市支配しとるからな。やってくれるか?」ゆうたんや。
ジョン王に既に税金取ろうとして反対しとった諸侯らの争いがあったんや、1215年のことやな。マグナ・カルタは、諸侯が王が戦争するために税金かけるのに反対した戦いで、その税金は基本的に銀行からの借金で賄われるはずやったんや。教皇はマグナ・カルタ支持しとった諸侯を破門したんや、王への利子付き負債の返済阻もうとしとる、ちゅう理由でな。
その50年後、また同じことが起こったんや。今度はヘンリー3世に対して諸侯が戦うたんやけど、彼は教皇に従うために税金かけようとしとったんや。またその時の教皇が、この内戦の指導者らを破門したんや。基本的にキリスト教の反高利貸し教義全体をひっくり返して、負債を神聖化して、北イタリア人やその他の国際銀行家からなる国際銀行階級を作るのに反対する者らを敵に回したんや――ローマが支持しとった王らに融資させて、他のヨーロッパ諸国と、最終的にはビザンツ帝国自体との宗教的政治的戦争を戦わせるためにな。
教皇庁が11世紀に既に取り組み始めてた問題があって、教皇らはこれについて丸ごと戦略書いとったんや。その戦略ちゅうんは、「わしらが世俗の王国を統治する権利持っとるんやったら、これらの王国の政府をローマ教会の一部門にせなあかん。どないしてやるんや?」ちゅうことやったんや。
金融的にやるんや。財政政策を統制することでやるんや。財政政策は基本的にまず教会が決める。次に、王らに教会が支持する財政政策に従うことを誓わせて、これらの王国から貢物を取って、わしらが雇うた武将――主にノルマン人――の軍隊への支払いに使う、ちゅうことやったんや。
次の数世紀の間、古代とは全然違う国際銀行業の発展があったんや。この国際銀行業を世界中の何もかもと違うもんにしたんは、それ以前――古典古代でさえも――ほんまの銀行業ちゅうもんは存在せんかったちゅうことなんや。
金融的な寡頭制はあったけど、高利貸しで金儲けするんは反社会的な行為やと考えられとったんや。高利貸しと利子の区別なんてなかったんや。利子取ることは全部高利貸しゆうて呼ばれたんや。商業活動で儲けることも、めっちゃ搾取的な行為やと認識されとったんや。
貴族の名門家系は皆、自分らの金融業務を全部、解放奴隷とか奴隷とか、自分ら以外の外部の誰かに委任しとったんや。プテオリみたいな街全体が、裕福な人らの銀行家として解放奴隷が働いとる場所やったんや。せやけど、銀行階級ちゅうもんはなかったんや。ほとんどの融資は商業貿易向けか、単に消費者向けの高利貸し――特に贅沢な暮らし支えたい裕福な貴族向け、あるいはただ生きていくために金が必要な貧しい人ら向け――やったんや。
せやけど、十字軍中とその後、ヨーロッパは完全に違うもんになったんや。銀行家一族の多くは貿易金融で財産作っとったけど、金貸しで作ったんとちゃうんや。彼らが融資し始めたとき、貧しい人らへやなかったし、他の商人へでもなかったんや。他の王国を征服する戦争するための王らへの融資やったんや。
十字軍が13世紀末に終わった後、教会はこの全部をもう統制できひんくなってしもうたけど、国際銀行業と王ら――世俗の王ら――はローマからの独立を勝ち取ったんや。特にフランス王フィリップ4世がそうやな。彼は教皇座をローマから離れてフランスのアヴィニョンに移した教皇を任命したんや、フィリップが教皇ボニファティウス8世を捕らえて交代させた後にな。王ら自身がこれを引き継いで、戦争するための金を借りるのに、この国際銀行に頼り続けたんや――特にイングランドとフランスの間でな。それがほとんどの戦争やったんやけど、他の王国や新しい武将、王らも皆、戦争するために借金しとったんや。
金は貧しい人らやのうて、社会で一番裕福な層――王らと教会――に貸されとったんや。ほんで後に、各都市が王らに金払って自分らの共同体としての独立を勝ち取っていくようになると――フィレンツェ、ジェノヴァ、ヴェネツィアみたいにな――独立してるこれらの地方の議会や共同体国家が、現代政府の原型になっていったんや。フィレンツェの有利な点いうんは、王室の予算とは違うてな。
王らは、これらの銀行家への対外債務を払う余裕がなかったし、実際に払うんもえらい難しかったんや。せやかて、持っとるんは自分の王領だけで、貴族――諸侯――が同意せんかったから、経済全体に課税することもできひんかったからな。ずっと債務不履行を繰り返しとったんや。イングランドでは、王室の宝石を担保に入れて、何度も何度も失っとったんや。
せやけど、フィレンツェとか他の都市国家――特にオランダ共和国になっていく都市らでは――これらの共同体は住民全体に課税する能力持っとって、基本的に銀行家らの集金代理人として機能できたんや。「フランスとかスペインとかオーストリアの王らに貸したら、彼らは払う金集められへんからずっと債務不履行するで。せやけど、わしらは全市民の富を担保にして、皆に課税できるで。そして、わしらの防衛のために自分の身守るために戦争しに行かなあかん時に必要な、外国からの借入金の返済を優先させるで。あんたらのための集金代理人になったるで、専制的なカトリックの王らに対抗してな。」
歴史家らはこれを「財政国家」の誕生と呼んどる――何よりも財政政策によって統治される国家、そしてその財政政策は銀行階級自身に支配されとる国家のことやな。国際銀行家らが基本的に、ローマ教会が11世紀、12世紀、13世紀に据え付けたこの超国家的な、ヨーロッパ全域にわたる政府統制を引き継いでしもうたんや。この全部が、銀行家らの手と、王室の専制よりはるかに大きい借金を積み上げることができた財政国家らの手に、世俗化されていったんや。
Glenn Diesen: 最後にもう一つ質問させてください。ここから得られる教訓は何なんでしょうか?わしらは今どこに向こうとるか、ある程度見えとると思うんです。この過去を踏まえて、どういう構造的な変化を勧めはります?現状がそう長くは続かんのは明らかですし。
Michael Hudson: 今の状況ちゅうんは、金融階級がほとんど政治政策と立法を仕切っとる状態なんや、特にアメリカでは、最高裁の「シチズンズ・ユナイテッド」判決以来な。あれは、企業がPAC作って、予備選挙や本選挙に出る政治家――自分らの金融的な支援者の経済的利益を代表することを誓う政治家――の選挙運動に資金提供できる、ちゅう判決なんや。
基本的にアメリカの政治的な投票プロセスを民営化して、一番裕福な階級――億万長者階級――に渡してしもうたんや。債権者だけやのうて、今やシリコンバレー、石油産業、あらゆる特殊利益団体――独占企業、金融的利益――こそが、19世紀の産業資本主義が財やサービスの生産コスト下げるため、産業化してもっと競争力のある経済になるために排除しようとした階級そのものなんや。それが全部、産業資本主義が排除しようとした階級そのものに取って代わられてしもうたんや。
産業資本主義は革命的やったんや。封建時代から受け継いだ地主階級から、王らが議会に統制されへん形で戦争借金の金を集めるのを助けるために国際銀行家らが作った独占から、経済を解放したかったんや。銀行業を産業化して、産業資本形成に奉仕させようとしとったんや――19世紀後半のドイツや中央ヨーロッパで起こっとったようにな。それとは対照的に、イングランドでは銀行業はもっと短期的で商業的で、国家的な発展戦略の一部ちゅうよりはずっとそうやったんや。
今起こっとることは基本的に、金融寡頭制が政治を支配してしまっとることなんや。ソクラテスが警告した通り、アリストテレスが金銭欲を描写した通り、彼らの関心事は、労働力の生活水準上げながら社会の生産を発展させることやのうて、もっと金融的な富を追求するための法律を作ることに向いとるんや。
西洋は、アメリカを筆頭に、脱工業化しとるんや。ほんで中国は脱工業化しとらん。この脱工業化の理由は金融化なんや。19世紀の古典派経済学者らが期待しとった産業資本主義の代わりに、わしらが手にしとるんは金融資本主義――産業的にやのうて、金融的に富を作り出す資本主義――なんや。
ほんで実際、経済全体を借金漬けにして金融的な富を蓄積することは、結局その経済を貧しくして、二極化させて、脱工業化させて、それゆえに、19世紀にアダム・スミス、ジョン・スチュアート・ミル、マルクス、そしてアメリカの経済学者らが皆発展させた、基本的に同じ古典派経済学に従っとる中国みたいな国や経済に比べて、競争力を落とすことになるんや――金融寡頭制が産業と農業の経済全体を犠牲にして、自分らの利益のために法律書くのを防ぐためにな。
これが大きな絵図や。わしが書いた古代についての本、封建時代についての本、そして近代財政国家への移行についての本、これら全部がこのことを説明しとって、全部同じ基本原理が出てくるんや。
金融システムを監督して、貨幣と信用が生産手段への有形資本投資、公共インフラの提供、労働力の基本的なニーズ支援に使われるよう確保する、中央の権威が必要なんや。医療、教育、あらゆる他の基本的ニーズ、補助金付きの輸送、補助金付きの通信を安くすることで、経済を雇用主にとって安上がりにするんや、労働のコストが労働自身の賃金だけから払われるんやのうて、産業雇用主階級が払わんでもええ公的補助によって賄われるようになるからな。それが産業資本主義の戦略やったし、それが古典派経済学の全てやったんや。
そしてこれが、アメリカの学部カリキュラムがもう経済思想史を扱わんようになった主な理由なんや、その思想がマーガレット・サッチャー、ロナルド・レーガン、ミルトン・フリードマン、そしてシカゴ学派全体の反政府・親レント経済の対極にあるからやな。
この広い視点持ったら、今日起こっとることは、わしが言うたように、歴史を通じて何度も何度も起こってきたことやとわかるし、そのダイナミクスはいつも同じなんや。
社会は自分らの負債の重荷に、銀行が金作って債務者に貸して利子払わせて、もっと利子稼ぐもっと負債を積み上げさせて、そいつらの支払い能力維持するためにもっと融資が必要になって、経済を巨大なポンジースキームに変えてしまう、ちゅうやり方以外のどないな方法で対処するんか?
Glenn Diesen: 民主主義を単に投票箱を設置することとしてやのうて、この権力の寡頭制への移転を防ぐことこそが大事なんやと考えるべきなんやろな。まあでも、いつもの通り、お時間いただいてほんまにありがとうございます。他に何か思うてはることとかあります?
Michael Hudson: まだ1時間ぐらい話せるで。ええで。この全部、もっと詳しく話せるけどな。ドルの未来はどないなるんや?ちゅうことやな。それはわしとお前がずっと話してきたことや。
政府自身がこの新しいシステムでは債務者なんや。以前は基本的に政府債務なんてなかったんや。これが実は初めて、政府が借金抱えることになったんやな。十字軍後の経済――国際銀行業のテイクオフが、政府を自分らの債権者だけやのうて、国際銀行家にも借金させることになったんや。ほんで今、アメリカはIMFの債権者寄りのルールを――自国の労働と産業に対抗する形で――支持しとるけど、負債は払わなあかんもんなんや。
政府は言うんや、「アメリカ国債とか他の発行済み負債全部返せる方法なんてないで。じゃあこの政府IOU(借用証書)をあんたらの通貨として使うたらどないや?」ちゅう。この金は実際に現金化する――金と交換する――ためのもんとちゃうんや。それより先には何もないんや、わしらは経常収支赤字を戦争支出や海外投資のために使うとるだけやからな。ただ経済に使い込んどるだけで、「これはわしらのドルやけど、あんたらの問題や」ちゅうことやな――ジョン・コナリー(元テキサス州知事、当時財務長官)が、アメリカがドルの金交換を止めた直後に言うた通りにな。
他の国々はこれを見とって、せやから国際準備の増加分のほとんどが、アメリカ国債のIOUやのうて金と外貨、暗号資産の形を取っとるんや。EUは今、ドルより金の方を準備資産として多く持っとるんやで。
ほな、アメリカはこれにどう対応するんや?これがわしとお前が話してきた政治的な次元に入っていくところやな。トランプは、税政策で、ヨーロッパ経済や他の経済に対して貢物課そうとしとるんや。「アメリカ市場へのアクセス代払わなあかんで。高い関税払わなあかんで。あれこれ譲歩せなあかんで」ちゅうことやな。
彼はヨーロッパに、過去アメリカが払うてきた軍事費の重荷全部払ってほしい、言うとるんや。ヨーロッパの財政政策は、今や基本的に税政策の面でNATOの一部門になってしもうとる。中東でも同じことや。トランプは「OPEC諸国に、わしらがそこでやっとる戦争の費用全部払わせたる」言うとるんや。
それが今の争いの原因なんや。年末までにおそらく国際的な不況につながる石油取引の崩壊が起こっとるんや。
トランプが「イランにホルムズ海峡の貿易支配させて関税とか通過料取らせるわけにはいかへん、わしトランプは、わしらが守るために払うとる戦争の対価として、OPECの石油貿易の20%取ったるで」ゆうたとき。
ほんなら今、ペルシャ湾岸諸国は「ちょっと待てや、あんたわしらのこと守ってへんやんか。あんたがイランを通じてわしらを攻撃したら、イランはわしらの石油生産を攻撃してわしらを潰してまうやんか。あんたが金払わせて置いとるこの軍事基地と、あんたが払うとるこの戦争は、わしらを守ってへんで。もう既にわしらの石油生産の多くを破壊してしもうたし、わしらの石油貿易を止めてしもうたやんか」ちゅうことになっとるんや。
これがアメリカとペルシャ湾岸諸国の間の行き詰まりなんや。ほんでイランの立場は、「アメリカがわしらの石油輸出を止めるんやったら、ペルシャ湾から石油輸出なんて何も出て行かへんことになるで。これはもう外国、この石油を必要とする、自分らの経済のためにこの石油全部必要としとるヨーロッパとアジア次第やな。トランプのわしらへの石油戦争止めるために、彼らは何すんねん?」ちゅうことになっとるんや。
それが今この問題全体を形作っとるんや。そしてこの多く全部が、アメリカの対外債務の文脈で語られとる。他の国々は、この戦争――石油貿易を止めさせてしもうて、ヨーロッパとアジアを経済不況に押し込もうとしとる戦争――を賄うために、アメリカ国債やIOUの形で自分らの負債を保有し続けるんかどうか。世界の石油貿易の25%と、それに関連する肥料貿易、ヘリウム貿易が全部削減されようとしとるんやで。
それが今日わしらが抱えとる危機なんや。それは以前あった負債危機とはちゃう種類の危機やけど、まあ基本的にこれが文脈や。
Glenn Diesen: いつも通り、ほんまにありがとうございます。いつも勉強になるわ。あなたのウェブサイト見て、仕事――書かれたもんも、そこに投稿されてはる動画も、どっちもほんま素晴らしいから――フォローしてくれるよう、視聴者にまた勧めさせてもらいますわ。ほんまにありがとうございました。
Michael Hudson: こちらこそ、ここに来れてよかったで。わしが言うてることはめっちゃアカデミックやとわかっとるけど、これが歴史的な視点全部を提供する唯一のやり方なんや、それが今日あんたが頼んでくれたことやしな。