マイケル・ハドソン:「金融のDデイ」制裁は、イランやのうてドルを殺しとる
https://michael-hudson.com/2026/08/the-dollars-self-expulsion/
2026年8月26日。
ラディカ・デサイ:
皆さん、こんにちは。ようこそ、また『地政学経済アワー』へ。わしらの時代の急速に変化する政治経済・地政学経済に光を当てる、社会主義的かつ反帝国主義的な対話番組ですわ。皆さんが今ご覧になっとるのは『地政学経済アワー』で、うちは地政学経済学者のラディカ・デサイですわ。今日の番組は、こちらにお見えのマイケル・ハドソン教授と隔週で行うとる対話の一つですわ。ようこそ、マイケル。
マイケル・ハドソン:
また来られて嬉しいで。
ラディカ・デサイ:
マイケル、今日はドルとドルシステムについて全般的に話し合いたいと思うとりますねん。ある意味これは、わてらにとってちょっとした「練習」みたいなもんなんですわ。来週、ウラジオストクで開催される東方経済フォーラムで、うちらは二人とも登壇して、同じパネルに出ることになっとるからですわ。うちは現地に行きますけど、あんたはズームでの参加ですね。わてらのパネルは、いま西側金融システムの外で構築されつつある決済・清算インフラについてのもんですわ。んで、明らかにうちとあんたは、ドルシステムの問題点を強調しながら、ケインズの国際清算同盟の構想やブレトンウッズの理念に沿った代替案について考える必要性を訴えてきましたわな。
さて、このパネルがこれほど絶好のタイミングで開かれることはあらへんかったですわ。ドルシステムの問題を示す兆候が、ここ数ヶ月でようけ積み重なっとります。まあ不完全なリストですけど、次のような点が挙げられますわ。財務省が円を救おうとして最近介入したけど、失敗しましたわな。その後、同じように効果がなさそうな追加措置の約束が続いた。ベッセントが長期債──10年物から30年物の米国債を買う新しいプログラムを発表したけど、これは長期債の利回りを下げる効果としては小さすぎると広く判断されました。しかも悪いことに、これは米国債への需要が減っとって、発行(つまり供給)がトランプの減税や軍事費増額、その他もろもろの要因で増えとる、まさにそのタイミングで、米国債コスト上昇についての焦りを露呈してしもてます。
さらにこれ全部に加えて、イランに対する「経済的Dデイ」いう中身のない脅しもありましたわな。トランプもそれについて似たような大げさな発言をしましたし、スコット・ベッセントはそれを「経済的Dデイ」と呼んで、フィナンシャル・タイムズに正当化する論説まで書きましたわ。せやけどこの行動が示しとるのは、結局アメリカが中東での軍事戦争に負けたいう事実だけですわ。んで今、経済戦争を追求する方向にギアを切り替えとる。せやけどこれもイランに何らかの影響を与えるいう点ではあんまり効果がなさそうですわな。もっとありそうなんは、ペルシャ湾岸諸国の資金がさらにドルシステムから離れていく結果になることですわ。イランの貿易相手国に圧力をかけることは、ベッセント自身の言葉によれば、世界の金融システム──つまりドル建て金融システム──を吹き飛ばすことに等しいいうことになりますわな。んで最後に、連邦準備制度に利上げを求める圧力もありますわ。せやけど、これを本格的にやったら、緩和的金融政策に頼りきっとる史上空前の「エブリシング・バブル」を危険にさらすだけになってしまいますわ。せやから、マイケル、明らかにドルとドルシステムには前途に困難が待ち受けとりますな。これ全部について、あんたの見立てはどないですか?
マイケル・ハドソン:
あんたは今、一気に絡み合うとるあらゆる側面のメニューを並べてくれたわけやけど、大きな絵で言うたら、あんたが今言うた通り、ドルシステムそのものが問題なんや。ベッセントがやろうとしとるのは、ドルの為替レートと世界金融システムにおける支配的な役割を守ることや。同時に、こっちの金利を低く保つこともな。金利が上がったら、投資家が株を買うためにカネを借りて、それが上がることを期待する、いうことができんくなってしまうからな。株式市場の上昇が止まってしまう。んで、株式市場には海外からの巨大な資金流入があった。せやから、株式市場とイラン戦争を結びつけて考えたら、この数年間驚くほど安定しとったドルの為替レートを、いったいどうやって維持し続けるつもりなんか見えてくるやろ。
鍵になるのは、ベッセントが記者会見の締めくくりで言うた一文やと思うんや。イランを金融的な石器時代に爆撃で戻す、いう制裁全部についての発言や。クリップがあったら良かったんやけど、その驚くべき発言をそのまま読んだるわ。「わしらが本気やということを皆知っとくべきや。二次制裁いうんは非常に強力な道具や。もし人々がわしらの期待に応えたないんやったら」──つまり、イランとの金融取引を全部やめて、受け取った石油の代金を一切払わない、いうことやな──「もしわしらの期待に応えんかったら、彼らはドルシステムから出ていくことを覚悟せなあかん」とな。
これはすごい発言なんや。アメリカが今のような為替レートを維持するため、株式市場と債券市場に海外からの資金を呼び込むためには、各国がこのシステムの一部でなあかんいうことなんや。ほな、ベッセントが閉ざそうとしとったシステムいうんは何なんや?まあ基本的にはSWIFTのメッセージングシステムのことや。あんたが自分の銀行やアメリカの誰かに小切手を切るとき、あるいはイランへの石油代金として送金するはずの小切手を切るとき、これまでの発想としては、コンピューターがSWIFTの銀行間清算システムを通じて「ある銀行から別の銀行への請求はこれや」いうメモを送るいうことやったんや。せやからSWIFTそのものは実際には資金を全く移動させへん。単なるメッセージングシステムに過ぎんのや。せやけど、もし各国が「わしの口座からあんたの口座へこう送金してくれ」いうメッセージを送れんくなったら、いったいどないしてイランは石油の代金を受け取れるんや?
彼はバイデン政権以降、いやそれ以前からずっとアメリカが脅してきたことをやれば、つまりトランプが「もうSWIFTシステムを使わせへんで」言うだけで、いったいどうやってイラン産石油やその他の支払いを銀行に指示するんや、いうんが解決すると思うとるみたいなんや。中国はこれを回避する道を作った。アメリカはロシアをこのシステムから切り離す、中国をこのシステムから切り離す、イランをこのシステムから切り離す、いうことを何年も脅してきたけど、驚くまでもなく、中国は独自のシステム──国境間銀行間決済システム(CIPS)──を作ったんや。せやから中国はもう、ドル化されたアメリカの金融システムを一切使う必要のない状態に、すでに移行してしもとる。んで、中国と取引したい他の国々──ロシアやイラン、あるいはアメリカが制裁で脅すかもしれん国々──は、この中国のシステムを使うことになるんや。ベッセントが言うとるのは、もし例えば、中国の小規模な民間製油所への支払いのために中国の銀行にカネを払う国や企業を見つけたら、わしらはその銀行を制裁して、システムから締め出したる、いうことなんや。ベッセントがやっとることは、要するに「石油を買う必要がある国はもうドルを使うな」「トランプが関税削減の見返りに要求することに従わへん国、わしらの軍事・冷戦政策に従わへん国はドルを使うな」いうことなんや。彼は各国をドルから追い払っとるんやで。
海外の投資家がどう思うとるか、想像に難くないやろ。新聞報道は「円と長期金利について何をそんなに心配しとるんや」いう調子やけど、前回の番組でも話した通り、米財務省は日本が自国の米国債の巨大な保有分を売り払って通貨を支えるためにドルを買う、いうことを始めてほしないんや。そうなったら連邦準備制度は結局この借金全部を自ら通貨化せなあかんくなるからな。せやから問題は、これをどうやって避けるかいうことなんや。あんたは昨日、ベッセントの元上司がウォール・ストリート・ジャーナルにえらい興味深い論説を書いとった、いう話をしとったな。連邦準備制度が市場全体に逆らって、どないして長期金利を低く抑え込むことに成功できるんか、いう内容やった。連邦準備制度がどんなに強力でも、民間投資家が長期国債を売りたいと思っとるいう事実には勝てへんのや。んで神話としてよく言われるんは、彼らはインフレを心配しとるから国債を売っとる、25年後、30年後にドルの購買力が今と比べてどれくらいになるか、いうことを心配しとって、それが債券保有者のドル建て資産の目減りにつながる、いう話や。せやけど、彼らが本当に心配しとるのはそんなことやあらへん。彼らが心配しとるのは、国債がドルに対して価値を失うことやのうて、トランプが世界の他の国々をドルの使用から孤立させることに成功していく中で、米ドル自体が外国通貨に対してどんどん下がっていくいうことなんや。
ベッセントとトランプは「ドルを使うな、わしらは海賊やから」言うとるようなもんなんや。「わしらが気に入らんことをしたら、あんたらのカネを奪うで」とな。あんたがベネズエラやろうがイランやろうがロシアやろうが中国やろうが、あるいはイランやロシアや中国と取引する銀行やろうが、わしらはあんたらのカネを一瞬で奪えるんや、いうことなんや。そんなリスクを取ってまで誰がこのシステムに留まりたいと思うんや?トランプとベッセントは、世界の他の国々に対して金融戦争を宣言したようなもんなんや。んで、誰かがあんたに戦争を仕掛けてきたら、あんたはどないする?最初にやることは、戦争を避けることや。奪われるもんを何も持たへんようにしたらええんや。わしらはアメリカドルの土俵で戦う必要なんてあらへん。わしらが本当に必要としとるもんは何や?世界は今、石油危機に突入しつつあって、食糧危機にも突入しつつあるんや。わしらは石油と食糧を買わなあかん。誰から買う必要があるんや?ロシアから穀物が要る、ロシアとイランから石油が要る。んで、わしらは中国の銀行決済システム──アメリカのCHIPS(手形交換所銀行間決済システム)の中国版みたいなもんや──を通じて、彼らと非常に簡単に取引できるんや。中国は独自の中国銀行間決済システムを持っとって、それは中国通貨建てや。んで人々はこう考えとる、中国の国際収支黒字が年間およそ6,000億ドルで、莫大な金と外貨準備を持っとることを考えたら、それは米ドルよりも安定した通貨やないか、とな。わしにとってこれは一見して明らかな事実やと思うし、あんたにとってもそうやと思うで。それが、わしらがずっと議論してきた地政学の結果としてドルが国際的にどこへ向かっとるか考えたときに、なんで国債──特に長期債──を売れいう圧力がこないにかかっとるんか、いうことの説明になるんや。
ラディカ・デサイ:
そうですね、マイケル。あんたがそういう話をしとるのを聞いて、うちの頭に浮かんだ論点がいくつかありますわ。ある意味では、あんたがやってきたのは「ドルシステムの武器化」いう議論を再確認しとるだけなんですわ。それがドルシステムが危機に陥っとる主な理由やと。せやけどこれには別の側面もあって、それはドルシステムの武器化よりもっと大きな話なんですわ。なぜなら、ドルシステムいうんは、そもそも世界にとってちゃんと機能したことなんてあらへんかったんやから、いうんが、うちが強調したい点の一つですわ。せやけど順番に話していきますわな。
まず最初にお見せしたいのは、ドルの価値のグラフですわ。いくつか注目すべき点があると思いますねん。明らかにドルの価値は、少なくとも2008年の金融危機、あの北大西洋金融危機以降、あるいはひょっとしたら今世紀に入ってから、いや連邦準備制度のアラン・グリーンスパン時代までさかのぼるかもしれませんけど、ずっと「操作」の要素が常にあったいうことは言えますわな。せやけどそれでも、このグラフを見たら、2025年初頭──トランプの任期が始まったあたり──がピークやいうことがわかります。そこからドルはずっと下落傾向にありますわ。んでイラン戦争が始まって以降、本来やったら「安全資産効果」が働いて、世界中のカネがドルに一気に戻ってきて、ドルを強くするはずやと思うでしょ。せやけどそれが起こっとらへんのですわ。これは皆さんが心に留めとくべき非常に重要なことですわ。とはいえ、ある水準では、あんたの言う通り、ドルの価値にはある種の安定性があるように見えますけど、その安定性、たとえばこのピークいうんは、緩和的金融政策の結果であって、その後の利上げの結果でもあるいうことを忘れたらあきませんな。ボタンを押す場所を変えとるだけですからね。
それがうちの言いたかった一点目で、要するにドルの価値には下落傾向があって、それは心配な状況やということですわ。これは単に武器化だけの問題やあらへんのですけど、そこには確かに重要な要素がありますわな。せやけどもしそれが武器化だけの問題やったら──武器化が始まったんはもっと前、バイデン政権下、いやそれよりさらに前からやったこと覚えといてください──まあ武器化の要素はあるとしましょう。せやけどもし武器化だけが問題やったら、もっと大きな「ドルからの逃避」が見られるはずですわ。〔もうちょっとゆっくりお願いします。〕〔わかりました。〕もし武器化が主要な問題やったら、ドルシステムからの逃避はもっと大規模になっとるはずですけど、そういうことは起こっとらへんのですわ。実際、うちがこれまで書いたり話したりしてきた色んな内容の中で、ドルシステムから離れる流れ、代替システムの構築が、予想されとったほど早く進んどらへんいう事実に、うち自身が向き合わなあかんかったんですわ。特にカザン・サミットの頃には、何か大きな進展があるやろうと皆思っとったんですわ。ロシアが主催国で、これを進めることに非常に大きな利害を持っとりましたからね。せやけどそれは起こらへんかった。うちの主な主張は、世界中にドルシステムに深く投資しとるエリート層があまりにも多く残っとって、それがある程度、このシステムを維持し続ける要因になっとる、いうことですわ。
せやけど、あんたが実体経済、生産的な経済について指摘してくれたことも非常に良い指摘やと思いましたわ。あんたの言う通りですし、これからさらにそうなっていくでしょうな。すでに2025年4月、トランプが大規模な関税──というより、ホワイトハウスのローズガーデンでの「解放の日」いう大がかりな関税ショーをやった時点で、うちはすでにそのことについて話したり書いたりしとって、こう指摘しとったんですわ。「皆さん、数え方にもよりますけど、アメリカの世界輸入総額に占めるシェアは、決して小さいわけやないですけど、だいたい15%程度で、それほど巨大でもあらへん。せやから世界は比較的迅速な調整で、アメリカなしでもやっていけるようになれる」とな。アメリカは世界の物品の「めっちゃでっかい買い手」いうほどのもんやあらへんのですわ。アメリカの消費者いうんは、どんどん神話的な存在になりつつあります。今や統計を見たら、ほとんどのアメリカの家計支出の圧倒的多数が非裁量的な支出やいうことがわかりますわ。家賃を払わなあかん、光熱費を払わなあかん、住宅ローンを払わなあかん、等々。せやから、あの服やあのスマホやあのテレビを買うために残っとるカネなんて、ほとんどあらへんのですわ。せやからアメリカの重要性はどんどん下がってきとります。アメリカは脱工業化もしとりますし、技術的にも遅れをとっとります。せやから、製造品に関しては、うちの見立てでは中国の方がますます魅力的な調達先になっとりますし、資源に関しては、ロシアが素晴らしい調達先ですわな──ロシア、イラン等々、資源の素晴らしい調達先ですわ。せやけど、うちが思うに、世界が直面しとる大きな課題いうんは、経済をどうやってリフレーションさせるか、もはやアメリカには存在せんくなった需要を、世界が必要としとる形でどうやって新たに作り出すか、いうことなんですわ。んで、国際通貨・金融システムを根本から徹底的に変える以外に道はあらへんのですわ。この50年間、それは世界にデフレを押し付け続けて、需要を収縮させ続けてきたんですから。せやから、金融システムの再編、アメリカから離れてもっと生産的な経済へと世界を再編する試みいうんは、必ず需要を求めていかなあかんし、それはIMFや世界銀行、彼らの緊縮的な規則いう新自由主義的政策パラダイムを根本から徹底的に拒否することを意味しますわ。まあそんなところが、うちが言いたかったことですわ。
んで、もう一枚グラフをお見せしますわ。マイケル、あんたがうちに送ってくれたやつですけど、これはすごく興味深いんで見せたいんですわ。金融システムがどれだけ狂暴になっとるか、どれだけバブル領域に入っとるかを示しとりますからね。これがあんたが送ってくれたチャートで、基本的にはこう言うとります。ウォール街は、メインストリートのほぼ7倍の規模にまで急拡大するペースにある、とな。要するに、アメリカ民間セクターの金融資産のGDPに対する比率をとったもんですわ。ええと、1950年代から1980年代初頭までは、だいたい3倍から3.5倍くらいの水準やったのがわかりますな。それ以降はほぼ一貫して上昇を続けとりますわ。この網掛け部分──量的緩和の時期──に後押しされとる部分も含めてね。んで今もわてらがまだ量的緩和の中におらへんとは誰にも言えへんと思いますわ、うちは実質的に今もそうやと思いますけどね。んでもう一つだけ言わせてもらいますと、ベルリンの壁崩壊、NAFTA、中国のWTO加盟等々、色んな重要な節目が見えますな。せやけど、これを言う前に一つだけ指摘しときたいんは、これはGDPに対する比率やけど、あんたとうちが知っとる通り、GDPそのものが実際の生産的な経済をはるかに超えて水増しされとりますわな。GDPは金融セクターの経済もその一部としてカウントしとりますから、もしアメリカの本当の意味での生産的な経済だけを測る何らかの指標が見つかったら、この比率は7倍よりずっと大きなもんになるかもしれませんな。
マイケル・ハドソン:
あんたが説明してくれたことは、基本的には「債務デフレ」なんや。アメリカ経済だけやのうて、世界経済全体にとってもな。せやから、今後数ヶ月と年末までにこれがどないなるか、ちょっと先を見てみようや。それがウラジオストクでも話すことになるやろうからな。んで、明らかに石油価格が上がって、食糧、肥料、化学製品の価格が上がっていけば、石油と食糧の輸入に依存しとる国々は選択を迫られることになるんや。ドル化された経済で主に発生する海外債務の返済と全部払いながら、自国の経済を回して、事業所や家庭に電気を灯して暖房を入れて、工場を動かし続けることなんて、いったいどうやってできるんや、とな。
あんたとわしがドル化の終焉について話すとき、わしらはドルの使用を終わらせることだけを話しとるわけやないんや。1945年からずっと積み上がってきた、対外債務の上部構造全体について話しとるんや。あの年、アメリカがIMFと世界銀行、そして世界経済全体を「親債権者」的な役割で設計したその時からずっとな。もし各国が国際収支と貿易赤字を賄うためにカネを借りなあかんとしたら、そんでアメリカ寄りの自由貿易政策を採用してアメリカに依存する状態になっとったら、彼らは赤字を垂れ流してカネを借り続けなあかんくなるんや。グローバルサウスの国々をはじめとして、彼らが抱えてきたこの借金いうんは、彼らがその借金を返済する手段を整える助けには全くなっとらんかったんや。この借金の積み上がり全体は、間違いなく知的な詐欺に基づいとると言えるし、はっきり言うたら直接的な金融詐欺やと言うてもええやろう。彼らにカネを貸す目的は、彼らの発展を助けることやのうて、彼らの依存と発展の失敗に資金を供給することやったんや。
いま各国が議論しとることには道義的な側面があって、あんたとわしがずっと焦点を当ててきたことなんやけど、こういう借金いうんは、本来自分自身の成長や生産性、生活水準、資本投資に資金を供給することに基づいて自国の財政・税制政策を組み立てるべき主権国家が、返済すべきもんやない、いうことなんや。それが独立を達成して、最終的に借金を返済できるようになるための前提やからな。それが、たとえば中国の「一帯一路」構想の下で積み上がっとる借金の原則そのものなんや。一帯一路構想は実際に、借金を返済できるようにするインフラを整備しとる。それは生産的な信用や。せやけど、ドル化された借金いうんはそういう種類の信用やないんや。
せやから、年末に向けて石油価格が上昇していく中で、グローバルサウスからヨーロッパ、北米自身に至るまで、多くの国々がこの高い価格では商売を続けられんくなって、金融的な破綻が起こることになるやろう。金融的な破綻が起こったら、多くの国々と企業が借金を返済できんくなる。特に、連邦準備制度とベッセントが言うとる通り、非銀行の貸し手──銀行やないけど銀行から莫大なカネを借りて、それを他の金融機関や自分らの関連会社に貸し出して、デリバティブやあらゆる種類の金融的な賭けに投機しとる民間資本──について、彼らは本当に心配しとるんや。2008年、2009年に経済を危機に陥れたのと同じような賭けやな。わしらはまた別の銀行危機に向こうとる。その段階になったら、まさに1929年にそうやったように、単なる金融的な破綻だけやのうて、それが株式市場の暴落にもなっていくやろう。信用で買われた株がありとあらゆる種類、山ほどあるからな。あんたが見せてくれたチャート、なんで市場が上がってきたんか?その大部分は借金、借入資金、借金レバレッジやったんや。1929年とまったく同じようにな。これ全部が崩壊していくことになる。そうなったらアメリカの株式市場はあんまり魅力的なもんやなくなって、他の国々や巨大な国際投資家は、あんたとわしが見とるのと同じもんを見ることになる。彼らは自分らの株を売るんや。アメリカの株式市場と債券市場からのこの一斉撤退が、米ドルの為替レートにどんな影響を与えるか想像してみてくれ。連邦準備制度はいつでも米財務省の借金をドルで払うためのカネを刷ることはできるけど、中国通貨やロシアルーブル、ユーロや外貨を刷ることはできへんのや。それが市場を動かしていって、ある時点で市場は現実的にならざるをえんようになって、「もう学者の経済学者の言うことは聞かへん、現実と統計が示しとることを見よう」いうことになるやろう。せやから、その醜い現実がいつか頭をもたげることになるんや。米ドルはそれで終わりや、手短に言うたらな。
ラディカ・デサイ:
素晴らしい指摘ですわ、マイケル。まず、あんたの指摘を裏付けるチャートをお見せしましょうかね。これは最近のIMFの世界債務に関する報告書からのグラフですわ。ここで見えとるのは、公的債務だけやあらへんのですわ。普通、人はこの公的債務のことばっかり話して、「公的債務が多すぎる、せやから緊縮せなあかん、社会保障支出を削らなあかん」等々言いますけど、公的債務いうんはその一部に過ぎませんねん。他にも家計債務があって、非金融法人債務もありますわ。ちなみに、これでもまだ非常に重要な四つ目のピース──金融セクター自体の債務──が抜けとるんですわ。金融セクターそのものが、借金の上に築かれたカードの城やからですわ。せやけどそれでも、これを見ると、GDP比でだいたい100%くらいやったんが、今や2.5倍くらいにまで上がっとりますわ。これは世界全体の数字やということを忘れんといてください。せやから当然、信用力があらへんと見なされとる国々や企業、家計はそもそも借金なんてあらへんのですわ。せやから、そもそもカウントすらされとらへんのです、貧しすぎて借金する資格すらあらへんいうことですわな。「金融包摂」いう言葉や言い回しが色々ありますけど、それらは彼らをこのシステムに組み込もうとする試みに過ぎませんが、あんたがすでに説明した理由から、それは非常に危険な事業ですわな。せやけど、それがうちの言いたい一点目ですわ。
んで、もう一つ非常に重要な点を言わせてください。あんたの話から示唆される点で、思い出させてくれたことですわ、めっちゃ重要なことですねん。なんでこんなに借金が多いんでしょう?特にアメリカで、そして富裕国全般で、脱工業化が進むにつれて、ますます多くの資本が、モノを作ることでカネを稼ぐんやのうて、カネそのものからカネを直接作ることでカネを稼ぎたいと思うようになっとるからですわ。んで、カネからカネを作る方法は二つありますねん。一つは非生産的な目的のための融資で、冷蔵庫や車や家などを買うための信用を人に与えるやり方。もう一つは投機ですわ。せやから、これが第一世界の国々、特にアメリカで資本が自らを豊かにする手段として頼るようになった二つの方法なんですわ。この種の富の蓄積は、他のどこかで十分な生産活動が行われとって、その収入からある程度をピンハネできる限りでしか成り立ちませんねん。もちろん、ここ数十年でどんどんピンハネされる割合が増えてきましたけどね。せやけど当然、単にピンハネしとるだけのセクターの規模が、実際に何かを生産しとるセクターに対して大きくなればなるほど、状況は危険になっていきますし、それが借金危機がいずれ起こる根本的な原因なんですわ。ちなみに、うちが今見せたこのグラフのカネ全部が、もし生産的な目的のために貸し出されとったんやったら、何も心配することはあらへんかったはずですわ。そこから莫大な収入が生まれて、そのうちわずかな利子が払えて、借金は維持できとったはずですわ。困難が生じるのは、このカネのほとんどが非生産的な目的のために貸し出されとるからで、企業に貸し出される場合ですらそうなんですわ。せやかて、今日の金融化された企業──非金融企業ですら──は、そのカネをどう使うとるんですか?自社株買いやらそういうことのために使うとるんですわ。それは投資のやり方やあらへんのですわ。
せやから、また練習しとるパネルの話に戻りますけど、わてらがこのアメリカ主導の、非生産的で金融化されたシステムから離れて、何か新しいもん、もっと生産的でもっと多極的で、もっと平等主義的で、借金主導でも投機主導でもないもんに向かっていこうとするなら、それは金融システムの完全な改革、完全な再構築を伴うことになりますわ。この種の金融システムから離れて、あんたとうちが何度も話してきた金融システムへ、それをヒルファーディングが『金融資本論』で語った金融システムやと言い表しときましょうか。彼は今日のわてらが持っとるような金融システムについて語っとったんやあらへん。実際には、今日のわてらが持っとる金融システムとほぼあらゆる面で正反対の金融システム、生産と生産拡大に向けられた金融システムのことを語っとったんですわ。んで、中国はそういう金融システムを持っとりますねん。うちが今見せたグラフに載っとる世界のほとんどの国について、なんで戦後最初の数十年間は、世界全体としてGDPに対する債務比率がかなり安定しとったんでしょうか?それは、1970年代くらいまでの金融システムが、本質的に生産の拡大に向けられた種類の金融システムやったからですわ。
マイケル・ハドソン:
あんたとわしがずっと注目してきた、生産的信用と非生産的信用、生産的活動対非生産的活動の区別いうんは、アダム・スミスからジョン・スチュアート・ミル、マルクス、19世紀のその他すべてに至るまで、古典派政治経済学全体の鍵となるもんなんや。せやけど、アメリカが1980年代にサッチャリズムとレーガノミクスを採用して以降、実際にはそうやなくなってしもとる。あんたの言う通り、自社株買いやら、株価を支えるために利益を配当として払い出したりすることでカネを稼ぐんや。金融活動の目的は、金融的な富を作り出すことになったんや。もともとの考えでは、銀行システムと債券、金融セクター全体は金融的なもんやけど、株式市場いうんは、銀行が工場や機械を建てて労働者を雇うためのカネを貸すんやのうて、それは株式市場の仕事や、いうことになっとったはずやったんや。せやけど1980年代に、ドレクセル・バーナムやスケーデン・アープス、そしてジャンク債による企業買収運動全体が始まってから、銀行がカネを作り出して、株式市場は銀行から借り入れて大企業の株主を買収して、彼らを金融的な乗り物に変えてしまう道具になってしもたんや。ゼネラル・エレクトリックはどうなった?ボーイングはどうなった?企業を金融的な乗り物に変えてしもて、企業が調達したカネを設備や機械への投資、生産的投資に使うんやのうて、できるだけ早く払い出して、素早い一発稼ぎの利益を上げようとしたんや。
1914年に第一次世界大戦が勃発したとき、すでにイギリスの経済学者らが「わしらはドイツがこの戦争に勝つんやないかと心配しとる、わしらやない」言うとったんや。ドイツの銀行業、政府、産業、そして銀行が協力して、信用を重工業、特に戦争産業──鉄鋼と武器──への資本投資に振り向けとったからな。せやけどイギリスの株式市場投資はいつも「一発稼ぎ」的な、ちょっといかがわしいもんやった。アメリカの株式市場でも同じことが起こったんや。それは脱工業化の道具になってしもたんや。
これは中国では起こらんかったことなんや。あんたがそれを持ち出したから言うとくけど、毛沢東の革命後の独立した中国には、「働かずに寝とるだけで、操作によって簡単にカネを稼ぎたい」いう金融階級はおらへんかったんや。せやから中国人民銀行がカネを作り出して、信用を振り向けとる。今わしらが見とる通り、その多くが不動産に誤って振り向けられてしもたけど、基本的には信用の意図は、有形の生産手段を築くことやったんや。彼らは不動産建設に過剰投資してしもたけど、彼らが獲得したそれ以外の技術は全部、金融的な借金のレバレッジや投機的な手段やのうて、実際に生産的な投資をするための政府融資によって整備されてきたんや。
せやから、二つの別々の──世界は二種類の経済に分かれてしもとる。あんたはどっちの道を選ぶんか?19世紀の産業資本主義の離陸をあれほど成功させた道──産業への投資──を選ぶんか、それとも全部反社会的な自由市場アプローチを選ぶんか──つまり政府のルールなし、生産的な労働と非生産的な労働の区別なし、鍵はただカネを稼ぐこと、富を作ることだけで、実際に工場を建てて自社製品の市場を開拓して原材料の供給を開発して労働力を組織する──そんな仕事に近すぎることをやるより、略奪的で非生産的な投機によってもっと早く金融的に富を作れる、いう道を選ぶんか。それが違いなんや。世界全体が分かれつつあって、それが今年末に金融危機として頂点に達することになるんや。各国は「これはどないして起こったんや、これをどう避けたらええんや」言い出すやろう。アメリカは「わしらはそれを避けへん、それがアメリカのやり方や」言う。んで中国は「わしらにはやり方があるで、昔は産業資本主義と呼ばれとったもんや、今は社会主義と呼ばれとるけど、これは実は古いアダム・スミス、ミル、マルクスなんや」と言うことになる。中国は古典経済学に、この古典経済学の高まり全体の終わりに来たマルクス主義を経由してたどり着いたんや。それが世界の直面しとることなんや。マルクスは『資本論』で社会主義を分析しとったわけやない、せやからこの本を『資本論』と呼んだんや。資本主義がどう機能するかについての本なんや。んで、それはまさにスミスやミル、19世紀の古典経済学全体──生産的労働対非生産的労働、投資、信用──と同じことなんや。
せやから、世界は分裂しつつあって、それはドルを置き去りにすることになるやろう。借金がすでに高すぎて返済不可能なのに、なんでドルに投資するんか、借金レバレッジによって金融的にカネを稼ぐという発想に投資するんか。経済全体を縮小させて、投資をやめて、賃金を止めて、社会保障を廃止して、手持ちのカネ全部を、この返済不可能な借金の山を作った既存の債権者への支払いだけに使うんでもせんかったらな。
ラディカ・デサイ:
あんたの言う通りやと思いますわ、特にこれほど多くのカネが非生産的な目的のために貸し出されてきたことを考えたら、借金の逼迫は必ずやってきますわな。うちは思い出すんですけど、この前の8月13日はフィデル・カストロ生誕100周年やったんですわ。うちが本当にまだ十代やった頃、第三世界の債務危機が起こったとき、それがまさにカストロが初めてうちの想像力の中に入ってきた瞬間やったんですわ。彼は世界に、借金を抱えとる国々全部に──メキシコに、ブラジルに、アルゼンチンに──こう言うたんですわ。「借金を拒否せえ、これは忌まわしい借金や、払う必要なんてあらへん」とな。もちろん、もし彼らがそうしとったら、歴史はまったく違うもんになっとったでしょうな。せやけど、それを持ち出しときたかったんですわ。残念ながら、事態は非常に違う様相を呈するかもしれませんな。1980年代に何が起こったかいうと、借金は再編されて、結局のところ、借り手の国々は最初に借りた額よりもはるかに多く──何倍も──払うことになったんですわ。それが彼らの運命でしたわな。せやけど、今回この借金のクッキーがどう砕けるかは正確にはわかりませんが、今回はもっと反抗があってほしいと思いますわ。せやけど反抗と一緒に必要になるのは、他のもんもですわ。自国の経済を新しい基盤の上に再構築する決意ですわな。少なくとも西側の資本市場等々からは締め出されることになりますけど、それでもやっていく方法を見つけなあかんのですわ。んで正直、うちはロシアがこれをうまくやってきたと思うとりますし、イランもそれをやりつつある、中国も特にその発展の初期段階、革命から1970?80年代にかけて、それをやらなあかんかったですわな。んでソ連ももちろんそれをやらなあかんかったですわ。せやから、それをやる方法はあると思うんですけど、そのためには政治的な合意を作り出す必要がありますわ。せやから、ここが経済と政治が深く絡み合うとるところなんですわ。
せやけど、そろそろこの対話をまとめにかかりましょうかね。最初に始めたいくつかのテーマに戻りたいと思いますわ。うちが思うに、少なくとも二つの別々の危機がありますな、あんたが言うとった借金危機に加えて。一つはもちろん「エブリシング・バブル」ですわ。問題は、このエブリシング・バブルがどないなるか、弾けるんか、いうことです。んで、たとえ弾けへんかったとしても、それがバブル領域にあるいう事実、それがバブル領域にあるいう認識そのものが、いずれ投資家の行動に影響を与えるかもしれませんな。ちょうど、さっき話しとった「マグニフィセント・セブン」からチップメーカーへと投資をシフトさせたことに関して、投資家の行動にすでに影響を与えとるようにですわ。せやけど、もう一つ危機がありますわ。それは米国債の危機ですわ。これは1945年以降の未償還米国債総額に占める外国保有シェアを示したチャートですわ。見ての通り、外国シェアは実際に増加し続けて、2008年頃にピークに達して、それ以降ずっと下がり続けとります。ええと、これは非常に重要なことですわ。基本的に、米国債に対する外国需要はずっと下がってきとって、それがまさにベッセントらが懸念しとることなんやと思いますわ。
多くの人々、色んな場所で米国債の危機があるかどうかについて大きな議論がありますねん。せやけど多くの人が指摘するのは、決定的な危機なんてあらへん、インフレを考慮した実質利回りは長い間とそれほど違わへん、いうことですわな。これ全部が正しいかもしれませんけど、他の多くの人々が指摘しとるのは、「ジワジワと続く危機」があるいうことなんですわ。一方で外国需要が減っとって、他方で発行が増えとって、さらに株式市場のバブルもあって、それはいつも米国債の競合相手になりますからね。せやから、ここには何らかの問題が起こる可能性があると思いますわ、米国債に関してだけやのうて──すみません、最後にもう一点だけ言わせてください、そこで終わりますわ──アメリカ資産全般の魅力度に関してもですわ。重要なのは緩和的金融政策が続くかどうかですわな。んで、うちは長いこと主張してきましたけど、連邦準備制度は板挟みの状態にありますわ。インフレ対応として利上げする(それが唯一の方法ですけど)か、緩和的金融政策を続けるかのどちらかですわ。前者の場合、インフレに実際に対処するために十分強い措置を取ったら、エブリシング・バブルを弾けさせてしまうことになりますし、後者の場合はドルの下落を許すことになりますわ。んで、トランプ政権とスコット・ベッセントがこれほど明確に緩和的金融政策を支持する姿勢を見せとることを考えると、今週末のジャクソンホールでウォーシュも同じアプローチを取るんやないかとうちは疑っとります。せやから、ドルの未来が危険にさらされうる二つの可能性のうち、明らかに好まれとる方があるわけですわな。ドルは金融危機というビッグバンで終わるんか?おそらくそうやないでしょう。ドルはインフレ等々でその価値を蝕みながら、長期的な下落という「うめき声」で終わるんか?おそらくそうなるでしょうな。これがおそらくわてらが直面しとる状況ですわ。せやけど、続けてください、マイケル。
マイケル・ハドソン:
あんたのチャートが示しとるのは、外国シェアの漸減や──すまん、財務省市場における外国シェアのことやな。
ラディカ・デサイ:
財務省市場ですか?あんた、株式市場言うてましたよね。
マイケル・ハドソン:
いや、財務省(国債)て言うたんや。
ラディカ・デサイ:
ああ、それやったら誤解してました。
マイケル・ハドソン:
その一部は、アメリカ国内による国債購入の増加やし、それ全部はゼロ金利政策がもたらしたもんなんや。低金利いう発想は、経済にカネを氾濫させることやった。それは単なるナンセンスで、フィクションで、政府の赤字によるカネの創造が消費者物価インフレを煽る、いう意図的な嘘なんや。彼らはそれが事実やないことをようわかっとる。なぜならこの政府がカネを作り出す目的は、金融セクターに注入して価格を吊り上げることやからな。アメリカにおけるカネの創造の目的は、株価と債券価格を上げることなんや。連邦準備制度が銀行に信用を供給して金利を押し下げることで、金融投機家や裁定取引業者が銀行から安く借りて株や債券を買うことでカネを稼げるようにするためにな。んで、たとえば銀行は連銀から低金利で安く借りて、そのカネをそのまま連銀への預金に戻すことができて、連銀は貸し出した金利よりも高い利息をその預金に払っとったんや。要するに、連銀の目的は、銀行システムのために無料のカネを作り出して、それを専ら非生産的な融資、つまり投機にだけ使わせる、いうことなんや。生産的な融資は株や債券の価格上昇を遅らせてしまうからな。このカネは株や債券の価格を吊り上げるんであって、消費者物価やない。その効果は実体経済への「債務デフレ」なんや。人々が借金を返済するためのカネ、実際の商品やサービス──消費者物価指数が測っとる経済の部分──を買うためのカネが少なくなってしまうからな。せやから、これ全部が銀行学生に教えられとる統計上のフィクション、偽りのイデオロギーなんや。せやから基本的に、経済学やビジネススクールの学位を取ったら、経済がどう機能しとるかを理解せんように訓練されてしまうんや。それは内部者のためのもんや。ある投資銀行家に一度言われたことがあるんやけど、「わしらはブルックリンでもロサンゼルスでも香港でも、見つけられる限り一番貧しい地域の貧しい人間を雇いたいんや。彼らが望んどるのはカネを稼ぐことだけや。それがわしらの必要としとるもんや。学校に行って学ぶ必要なんてあらへん。理論なんて要らへん。必要なんは欲だけで、カネからカネを稼ぐ方法を知っとることだけや」とな。
それがこのチャートを説明しとるんや。もしここで金利が上がったら、もし外国が、もしアメリカの国際収支と貿易がさらに悪化したら、特に軍事費、冷戦支出、脱工業化のせいでな、そうなったら利息はどっかいってしまう。アメリカは他の国々がやっとるのと同じことをするために利上げせなあかんくなるんや。金利の下落を防ぐためにカネを借りる、いうことをな。利上げすることで、ゼロ金利政策全体がひっくり返って、株式市場のブームを終わらせる高金利政策になって、民間資本の裁定取引業者や投機家を破産させて、また2008年みたいな金融危機を引き起こすことになるんや。せやから、それがわしらが直面しとることで、他の国々も見とることなんや。んで彼らはわかっとる、「これ全部をどうやって避けたらええんや?」とな。これを避けるためには、ドル化された金融システム全体を避けなあかん。わしらはどないしたらええんや?なんとかしてカネを中国に移す方法を探ろう、いうことになるんや。
あと二点だけ手短に言うて、あんたに最後にもう一言してもらうわ。わしの最後の点は、あんたが正しく指摘してくれたことに関連して、もっと早く言うとくべきやったんやけど、現代経済学には生産的活動と非生産的活動の区別いう、古典派政治経済学全体を貫く非常に重要な区別があって、それが消えてしもとる、いうことなんや。それは1870年頃に新古典派経済学が誕生したからで、その存在目的全体は、古典派政治経済学を側線に追いやって、どこにも行かせんようにして、本質的に物質生活──わしはそれを「物質生活」と呼ぶけど、彼らは「経済」と呼ぶ──を理解する主要な方法になることやったんや。古典派政治経済学にとっては「経済」なんてもんは存在せんかった。あったのは「社会」で、その物質生産と再生産の社会組織いうんは、社会を理解するための一つの側面にすぎんかったんや。それは脇に置いとこう。新古典派経済学が確立されると、基本的にあらゆる市場活動が「生産的」なもんになってしまうんや。つまり、わしが何かを売り買いしとったら、株式市場は実物の財やサービスの市場とまったく同じもんとして扱われる、いう区別がなくなってしまうんや。せやから、そこから「あらゆる市場活動は生産的や、区別なんてあらへん」いう発想が生まれてくるんや。せやから、この皮肉なところやけど、わしがよく言うことなんやけど、金融いうんは市場関係やと人々は思うとる。せやけどそうやないんや。市場では、わしは誰とでも売り買いできる。せやけど金融では、それは政治的な関係なんや。信用力があると見なされた特定の人間だけが信用を得られるんや。んで、それを取り巻く政治学と美学が丸ごと存在するんやで。
それがわしの言いたかった一つ目のことや。んで二つ目やけど、あんたは、世界全体がこの有害なドルシステムから離れなあかんいう話をしとったな。わしも完全に同意するで。ほな、なんでもっと早く離れていかへんのや?もし世界にとってこれほど良いことやったら、なんで世界はそうしとらへんのや?それは、世界の圧倒的多数の国々が、ドルシステムに投資しとるエリート層に支配されとるからなんや。彼らこそが、自分らのカネをケイマン諸島に入れる連中や。まあニューヨークやロンドンがあるのに、なんでわざわざケイマン諸島やねん、いう話やけど、まあとにかく彼らはそれに投資しとるんや。んで、だからこそ、これの決定的に重要なピースである「資本規制」いうんは、上品な社交の場ではほとんどタブー用語みたいなもんになっとるんや。もしあんたがあらゆる種類の派手な金持ちが集まるカクテルパーティーに行って「資本規制」言うたら、会場全体があんたのおるところから部屋の反対側へ移動してしまうやろう。彼らはそれと関わり合いになりたないからな。んで、何らかの資本規制のシステムを持たん限り、その位置にはたどり着けへんと思うんや。せやけどそれを超えたら、実際に別のシステムに移行すること自体は、実はとても簡単なんや。理由は非常にシンプルで、毎日国境を越えとる、あの膨大な、天文学的な金額のカネがあるからなんや。
ラディカ・デサイ:
その大部分──99.9%──は、貿易や投資、生産的活動とは何の関係もあらへんのですわ。金融活動と全面的に関係しとるんですわ。うちらはそれすら必要ないんですわ。生産的活動は、その大部分が明日にでもポンと消えてしまったとしても続けられますわ。せやから、この生産的活動を他のものから切り離すことが重要やと思うんですわ。んで、中国が金融化やなくて生産に重きを置く経済として先頭に立っていくにつれて、そういう違う金融システムが出現するための、もっと大きな空間が作られていくと思いますわ。
マイケル・ハドソン:
あんたが指摘しとることは決定的に重要やな。わしのPatreonグループの多くの人が、これ全部について何かテキストブックはないんか、いうて連絡してきよるんや。わしが1971年に経済分析と国民所得分析を教えとった頃、経済思想史に関する最初の教科書がちょうどアメリカ語訳で出版されたところやったんや。マルクスの『剰余価値学説史』全三巻や。これは、重農主義者やアダム・スミス、ウィリアム・ペティから始まる経済思想がどう発展してきたか、生産的労働と非生産的労働の区別についての議論の変遷全体を扱っとるんや。せやから、もし人々が「生産的」「非生産的」いうこの言葉全部が何を意味するんか知りたいんやったら、古典派経済学者らが書いたこと全部について書かれた教科書が丸ごとあるんやで。んでマルクスの経済思想史は、その最初の英訳では『経済学説史』カール・マルクス著、いうタイトルやった。それが『剰余価値学説史』の第一巻やったんや。これは歴史や、マルクス主義やない、古典経済学、その歴史なんや。せやから、あんたとわしが話しとることについて深く読みたい人のための場所は、ちゃんとあるんやで。今の経済学カリキュラムの近代的な歴史書は、もう経済思想史を教えとらへん。んで経済思想史を勉強せんかったら、まるであんたとわしが話してきたことについて、これまで一度も議論なんてなかったみたいなことになってしまうんや。せやから、わしらがずっと話してきたことの全体像を埋めたいと思う人がおったら、そのための教科書はちゃんとあるんやで。
ラディカ・デサイ:
それは素晴らしいですわ、マイケル。んでもちろん、あんたのウェブサイト、michaelhudson.comもありますわな。んで、うち自身のウェブサイドももうすぐオンラインになりますし、academia.eduのページもすでにありますし、実はradhikadesai.comいう既存のウェブサイトもあって、今リニューアル中ですわ。せやから、ぜひチェックしてください、興味深い文章がようけ載っとりますわ。せやけど、そろそろこの対話を締めくくりましょうかね。次回、2週間後には、おそらくケビン・ウォーシュがジャクソンホールで何を言うたか、それが何を意味するか、いうことを解剖することになるでしょうな。おそらくその頃にはもう何らかの影響が出とるでしょうな。せやけど来週、マイケルとうちは東方経済フォーラムにおりますわ。せやから、それまでの間、皆さん、もちろんそれより早くまたお会いすることになると思いますわ。せやけど次回まで、ありがとうございました、さようなら。

