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When the Empire Becomes the Risk
By Michael Thursday, May 21, 2026
Glenn Diesen: おかえりやす。今日はMichael Hudson教授にお越しいただいとります。イランの戦争から生まれとる壊滅的な世界経済の争いについて、それからこの世界秩序が終わった後に続く経済的な世界秩序をめぐる競争についてお話聞かせてもらいまっせ。まいどおおきに、また出てきてくれはって。
Michael Hudson: ここはいつも快適です。あなたが聞いてくれる質問が、世界中の経済全体がどう進化してるかってことに関わってるからね。
Glenn Diesen: ほんまそうですなあ。一度にぎょうさんのことが起きてますし。ほんま、歴史的な時代です。過去80年の経済的な枠組みが目の前で崩れていってますやん。これの後に何が続くのか、それぞれの登場人物がどう動くのかも知りたいんです。あなたはつい最近、「世界の金融の冬をいつまで先送りできるか」という素晴らしい記事を出されましたな。みんなに読んでほしいと思います。
まず、エネルギー市場から始めるのがええかなと思てまして。これは明らかに世界経済への大きな打撃ですからな。アメリカのイランへの戦争で国際エネルギー市場が全部危機に陥ってますやろ。このエネルギー問題でアメリカに何か明るい面が見えるかどうか、聞かせてもらえますか?
Michael Hudson: まあ、エネルギー市場いうのはほぼ全てに関わってます。たとえば肥料ですな。インドでは肥料の価格がもうえらい上がってると聞いてます。アメリカでも確かに上がってて、農家の人らが言うには、肥料代払って、機械代払って、価格が膨れ上がってる他の全部の投入物に払ったら、作物で利益出せへんって。まあ、もちろん作物の値段も上がるかもしれんけど、世界中で肥料なしやったら作物不足になりますさかいな。
でも農家は春の作付けと夏に向けて、銀行に行って借金せんといかんわけです。そんでたいてい、作物を事前に決まった値段で売ることになる。せやから大きな作物取引会社が大儲けすることになって、農家はそうならへんわけや。
農家はほんまにひどい目に遭うてます。もちろん彼らがトランプと共和党に一番忠実な支持者やのに。まあ、農家をいじめても支持基盤はあるから平気ってことですな。でも医薬品もそこに絡んでます。肥料から作られるものの中に医薬品もありますからな。
ヘリウムはもう止まってます。せやから病院のスキャン機器にも、コンピューターチップの低温冷凍にも影響が出てますやん。それから、輸送の基本的なエネルギー、特に高度に精製された航空機燃料、これがもうこの夏の観光シーズンに向けた航空会社の計画フライトの大幅削減につながってます。せやからエネルギーっていうのはほんまに経済全体なんです。
まあ、エネルギーはGDPの10%やから、GDPが10%下がるやろってゆう単純な経済分析も出てきますけどな。でもそれはあんまり役に立たへん話で、製品を作るにはいろんなものが必要でっしゃろ。エネルギーがなかったら、他のもの全部も使えへんくなる。その結果、製造業で失業が起きます。
アルミニウムはもう削減されてます。アルミニウムはほんまに電気から作られますからな、ボーキサイトの電解精錬に電気を使うわけやし。全部の分野で、影響は10%以上になります。
それからイランの政治的姿勢の賢さいうのは、こういうことです。もしあなたたち、つまり世界の残りの国々が、アメリカとイスラエルが自分らを破壊するのを止めてくれへんなら、それが奴らの明示的な脅しですけど、橋を全部爆破する、精製能力を全部破壊する、電気を全部潰す、政権交代させて1979年の革命でひっくり返したシャーみたいな警察国家を再び押しつける、そういうことになる。
国連憲章が守るはずやった国際法や戦争法規の体系全部を世界が無視するのをただ座って見てるだけなら、うちらだけで沈むつもりはないで。他のアラブの産油国も一緒に引き込むで。そしたら供給不足が1930年代より悪い国際的な大恐慌を引き起こすことになる。なんで1930年代より悪いかっていうたら、あの時はほんまに金融的な恐慌やったからや。
でもエネルギーの削減と生産プロセスそのものの一部である有形の物的財の流れの削減は、債務を帳消しにしても解決できへんし、戦時経済や軍事ケインズ主義で恐慌から抜け出そうとしても解決できへん。はるかに深刻なんです。せやから世界経済という意味では、もし他の国々が、全世界の貿易・決済・金融の仕組みと、国際準備金の積み立て方を全部まとめて改革せんかったら、全部苦しむことになります。
既存の国連を直そうとするよりも、新しい国連みたいな全く新しい制度を作る方が、時には簡単なことがありますわな。アメリカが国連に対して持つ拒否権の悪用だけでなく、アメリカが望まへんことは何も国連にできへんようにしてる腐敗ぶり、それからイランへのイスラエルのテロリズムのためのスパイとして基本的に機能してる原子力エネルギー機関の腐敗、アメリカが請求書の支払いを拒否して国連を財政破綻に追い込んでいるという事実。
それからアメリカが地球温暖化に対処し、化石燃料、石油やガスを原子力エネルギーや太陽光エネルギーや風力エネルギーや代替エネルギーに置き換えるためのいかなる国際的動きもブロックしてる事実。せやから全部のスペクトルをシステムとして変えんといかんわけや。ただ石油を流せるようにするだけやないんです。
だからこそ、なんで株式市場が、世界的な大恐慌とアメリカが石油貿易を支配するためのイランの完全降伏・完全支配の間に、何かハッピーな中間点があるかもしれんって言ってるのかわからへん。基本的に世界の独裁者になるっていうことやし、今日のOPEC貿易を破壊した結果として脅かされてることを世界にできるようになるっていうことです。その二択なんです。株式・債券市場の背後にいる大きな投資家たちには、考えられへんことのように思えてるみたいやけどな。
Glenn Diesen: あなたがたったいま描写したのは、経済的な相互確証破壊ですやん。なんでイランがそうしてるか、まあわかりますわな。あなたもその記事でその言葉を使ってましたけど、誰もイランの味方をせえへんかったから。アメリカとイスラエルがインフラを破壊して、核施設を標的にして、文明全体を滅ぼすとか言いながら、ほんまに残忍なやり方で攻撃したんです。ヨーロッパの新聞で見たのは、まあ、独裁から解放されたんやから、イラン人は自由になるチャンスが出てきたっていう話ばかりで。最初の頃は特に、これを正当化しようとする記事ばかりで。国際法とか撤退とかの話は誰もしてへんかった。もし自分たちだけが破壊されるんやったら、もちろんこういう形でやり返したいでしょうなあ。
でも、これはほんまに相互確証破壊みたいなもんですわな。アメリカが国際経済システムが完全に崩壊してほしくなくて、かつ支配も手放したくないんやったら、これどこに向かうと思います?
Michael Hudson: アメリカは支配を手放すよりも、世界経済全体と自分自身を崩壊させることを選ぶでしょうな。何もかも崩壊させることを厭わへんわけや。それからトランプの性格いうのもあって、トランプは有名になりたがってますやろ。文明を終わらせて、それを核戦争で立て直すのに千年かかるようにしたら、どうやってそれ以上有名になれるんや?彼は文明の歴史的な時代全体を終わらせた人物として歴史に残る。世界を爆破する動機があるわけです。
それに、国防長官にヘゲスを任命したけど、彼はイエス狂信者で、文明を終わらせたらイエスが来て、クリスチャンを天国に送って他のみんなを地獄に送ってくれると信じてます。頭のおかしい人たちが権力を持ってるんです。
せやからこれは、合理的なモデルで対処できる状況やないんです。不合理なモデルです。将軍たちが核爆弾のコードをトランプに渡すことを単純に拒否してるという、ホワイトハウスのシチュエーションルームで起きてる争いについての新聞報道を全部見てはったらわかります。先週の土曜日に使うたやろうっていうことですからな。それくらいクレイジーなんです。
Glenn Diesen: ほんまに信じられへんくらいここまで来てしまったっていうのは、特にトランプみたいな人にとってはそうですわな。普通の状態を取り戻す、永遠の戦争を終わらせるって言って選挙に出てたわけやのに。それからこの宗教的なダイナミクスについて言えば、まあかなり奇妙ですわな。一方では、戦争を正当化して軍と国民を動員しようとするのに、宗教をやたら使うのに、教皇が戦争を批判したら、突然宗教的な権威への尊敬がゼロになる。ほんまに異常です。あんまり誠実には見えへんけどなあ。
でも、イランの防衛についてはどう思います?あちらも存亡の危機に瀕してるわけやし、相手を倒したい。経済的にこれに耐える能力をどう見ますか?
Michael Hudson: イランとアメリカの能力を比べてみましょ。アメリカは使えるミサイル、爆弾、ミサイル発射台のほとんどを使い尽くしてます。飛行機も削減してる。イランの射程距離内に海軍を動かすのを恐れてます。せやからアメリカは強制する軍事力を失ってるわけや。
だからこそトランプが言うたんや、Kharg島を占領したりウランを取るために陸上侵攻はできへんって。それを試みたけど失敗した。地上での軍事侵攻ができへんなら、ベネズエラでやったような素晴らしい作戦みたいなのは無理で、爆撃もできへんっていうのは、彼らにはわが軍の飛行機を撃ち落とす対空レーダーがあって、給油機も失うし、航空機も失うことになるし、それにイランを叩き潰すことにはならへんわけやから。イランの防衛とイランの行政ネットワーク全体があまりにも分散してるからな。せやから選択肢はひとつしかない、原爆や。
せやから彼は土曜日に核爆弾のコードを求めたんや。残りの世界がこれがどこに向かうかわかれへん理由がわからへん。1970年代、私がHudson InstituteでHerman Kahnと仕事してた頃、全部、原子爆弾への政治的・軍事的対応の連鎖がどうなるかを考えることやったんや。それはほぼ確実に全員が一つ持つことが必要になるってことを意味します。
ジョークとして言うと、イランが原子爆弾を手に入れようとしてるという作り話という口実でそれを防ごうとしてきたけど、今や誰もが気づいてる、わいらも核爆弾が必要やって。自分たちのがなかったら、イスラエルに爆撃されることになる。イスラエルは、自分が望む相手に対して使える200個の原子爆弾を持つことを許されてる世界唯一の国です。わいらはあかんから、わいらも必要やっていうことになる。
これが生じた二重基準です。また、国々は、石油貿易の支配を手に入れて武器化し、チョークポイントとして使えるように原子爆弾を脅しとして使うつもりなら、この路線で行くと言うなら、アメリカとイスラエルを孤立させて対峙する手順を踏んでへんわけや。そして、アメリカの外交政策に屈服してアメリカの主要産業への投資をシフトすることに同意せんかったら石油を入手できへんようにして、そういう国々を油を断ち切ることで恐慌に追い込むつもりやと指摘するべきや。
せやからアメリカ軍はほんまにイランを征服するためにできることが何もないんです。爆撃することしかできへん。イランの海軍は、トランプが言うのとは違って、破壊されてへん。たぶん半分くらいはそうかもしれんけど。航空機も破壊されてへん。たぶん半分くらいやけど。ミサイル発射台も破壊されてへん。破壊されたのは中国から買って膨らませてミサイル発射台に見せかけた風船で、トランプが「ミサイル発射台を全部破壊した」と言った時に爆撃されたものです。
せやからイランは防御的には、はるかに強い軍事的地位にいます。それからイランは攻撃的な力やないんです。イランが脅かせる国は西アジアのアラブ近隣諸国だけで。アメリカ、ロシア、中国のような意味での世界的軍事大国にはなれへん。外国の投資手段を剥ぎ取られてきたから、それ自体が主要な投資大国にもなられへん。主要な貿易大国にすらなられへんわけや。
イランに力を与えてるのは、その道徳的な力です。こう言ってるわけやから。アメリカが他の国々に対して搾取的な一方的な支配を維持するために、石油貿易、食料貿易、ドルを武器として使う世界の独裁者になるのを許さへん。そんなことはさせへん。誰かが線を引かんといかんわけや。そしてそれを引いたのがイランなんです。それがイランの道徳的な力です。
他の国々は、イランへの言い方として、正しい、変えんといかん、アメリカとイスラエルによる「従わへんかったら経済を破壊するで」という侵略を止めんといかん、と言うか、もしくはアメリカとイスラエルから独自の道を行くことで孤立するか、どちらかしか選択肢がないんです。そしてそれは本質的に、アメリカが経済的・社会的活動の全てで行うことを武器化する軍事的・金融的試みを終わらせるまで、アメリカを孤立させることを意味します。
Glenn Diesen: アメリカにブレーキをかけるという役割がイラン人の肩に落ちたのが面白いですわな。以前にも話しましたけど、19世紀のイギリスや20世紀のアメリカのような自信のある覇権国は、自信があるとき、オープンでリベラルな国際経済システムを持つことに利益を見出すんですわな。つまり、誰もが技術や産業にアクセスできるべきや、海路や陸路の国際輸送回廊への自由なアクセスがあるべきや、通貨や銀行への自由なアクセスがあるべきや、ということですな。
でも覇権国が衰退し始めると、経済的なつながりの全側面を武器化することで衰退を逆転させようとするんです。つまり、以前はグローバルな成長の源泉やったつながりが全て、覇権的権力を回復するために武器化されるわけや。まあ、中国に対してはかなりの程度使われてますし、ロシアにもどんどん使われてますわな。
でもイランがアメリカに歯止めをかけた一人みたいやけど、ホルムズ海峡も持ってますわな。これはかなり興味深いと思うんです。ホルムズ海峡の支配をアメリカから剥ぎ取ることで、他にもいろいろできるから。今、条件を設定したのを見ました。基本的にトール料金所を設置して、みんな料金を払わんといかん、特にイランを攻撃したり制裁した国々は。追加で賠償金を払わんといかん。そしてドルはもういらんって言うてる。これはかなり異常ですわな。
Michael Hudson: 今はドルを持てへんわけや。ドルを持っとったら、アメリカはすぐに盗みますから。ロシアの3000億ドルを盗んだようにな。ドルは、自国の国家主権を望む国には使えへんわけや。
「リベラル」という言葉を使ってはりましたけど、これは一般的に完全に誤用されてる言葉です。産業国家、イギリス、ドイツ、アメリカの離陸はリベラルやなかった。リベラルという言葉は本当はネオリベラルを意味するんです。政府なしっていう意味や。現代の語彙では、リベラルはマーガレット・サッチャー、ロナルド・レーガンを意味します。
無償の学校教育や無償の医療を提供するだけでなく、交通・通信などの自然独占を政府が運営する代わりに、経済への政府補助金を全部解体せんといかんってことを意味します。それは全部19世紀のことで、リベラリズムやなかったんや。彼らが使ってた言葉は、何らかの形の社会主義や、あるいは社会民主主義やったんです。
でもリベラリズムは使わへんかった。自由貿易という考え方を完全に拒否したんや。それは政府が、地代追求を防ぐように市場を形作るためのもので、地代を課税によって取り去ることで不動産価格が上がるのを防ぐように市場を形作るため、そしてシャーマン独占禁止法やセオドア・ローズヴェルトのトラスト解体のような独占が起きるのを防ぐためのものやったんや。あるいはもっとよかったのは、アメリカがエリー運河でやったように政府がこれら全ての自然独占を公有にするっていうことで、ヨーロッパからアメリカまでそうやったんや。
そして政府の資本形成を見る学説全体があったんです。公共インフラ投資は生産要素やったけど、産業資本や資本家資本、民間部門資本、産業資本とは違って、政府投資の目的は利益を上げることやなかった。主要なセクターに基本的なサービスを補助金付きで、あるいは無料で提供することやったんや。そうやってビジネス全体のコストを下げるためにな。
そしてこの政府管理の最終的な結果として、金融においては19世紀末のドイツや中央ヨーロッパで最も明確に達成されたんやけど、そこでは政府と産業と銀行が金融システムを方向付けるために手を携えて動いて、金融的な投資家のために金銭的に儲けるためやなく、資本形成と産業への資金提供のために、主に武器生産産業の工場を建設するために、実際の産業を生産するために信用を提供したんです。
まあ、これが古典的な政治経済学の全体やったわけや。産業資本主義の政治的教義の全体の理想は、経済的地代を最小化することやったんです。価値理論のことです。リカードが話してたことやし、ジョン・スチュアート・ミルもカール・マルクスも。彼ら全員が、価格を実際の生産コストと価値に合わせて保つにはどうしたらいいか、そして中世ヨーロッパ社会から受け継いだ特権によって価値を超える市場価格の超過分である経済的地代を取り除くにはどうしたらいいかを話してたんや。
14世紀から国王が戦争の借金に対する収入を得られるよう国際銀行によって作られた独占、そして経済成長のために信用を提供するための一般銀行によってな。中世ヨーロッパの封建制から引き継いだ、不在の世襲的土地所有権という特権やね。第一次世界大戦後、産業経済をどう発展させるかについての計画は全部本質的に脇に置かれて、西洋全体で富を得て財産を作ることの焦点として、金融が産業に取って代わったんです。
今日を見ると、生産と生活水準の成長という意味で最も成功した経済は中国です。そしてやってることは、19世紀にアメリカを豊かで生産的にして、これほど支配的にした全く同じ原則です。自然独占を公有のまま保った。交通は非常に安価で補助金が出てる。医療と教育には補助金が出てる。
でも何より、中国は銀行を政府の手に置き続けてます。せやから中国人民銀行は実際の有形の生産のために信用を作ることができるわけや。残念ながら、かなりの部分が不動産の過剰生産に流れてしまったけど、考え方としては、金融投機家がお金を借りて企業を乗っ取り、それを本質的に略奪して放置するための融資はしないっていうことや。それが西洋で起きてることやからな。
一週間ずっと、Financial TimesやWall Street Journalでは、企業を乗っ取り、その最悪化と縮小を資金援助するためにお金を貸してきた大銀行や大きな投資ファンドについての議論があって、養老年金基金が保有物を現金化しようとすると50%、80%取るって言ってます。アメリカ経済全体がバブルになってしまってるんです。
せやから前に話したエネルギー停止の影響のひとつは、この高度にレバレッジのかかった金融セクター全体、アメリカ主に借入による買収と債務のピラミッド全体を崩壊させることです。大恐慌と同様に、アメリカが最も高度に債務でレバレッジのかかった経済やったんや。金融セクター全体が崩れてくるやろうな。
せやから破壊されるのは物的生産だけやなく、アメリカが中国などから大幅に遅れた原因になった金融化システム全体です。政府が特定の基本的ニーズを提供し、搾取を防ぐためにポジティブな役割を果たさんといかんと言う、リベラルやないとこよ。金融寡頭制の発展を防ぐのに十分なほど強い政府がなかったら、経済を分極化させて政府の権限を解体し、権限を債権者や地主や財産保有者の手に置くことになる。そしたらアメリカみたいに失敗した経済になるか、ドイツや西ヨーロッパの大部分みたいに、ネオリベラリズムの結果として失敗した経済になるわけや。
せやから「リベラリズム」という言葉の使い方には本当に注意せんといかんと思うてます。政府に反対し、特に社会主義に反対する言葉です。産業資本主義そのものが、政府がインフラへの投資によって経済においてますます大きな役割を果たし、独占を防ぎ、土地地代や独占地代や金融搾取が起きるのを防ぐことによって、社会主義へと進化しつつあったから、産業資本主義への反動全体を引き起こしたんです。せやから産業の崩壊とともに消えていった全体的なイデオロギー的上部構造があるんやな。どうやら、イデオロギーが最後に消えるもんらしい。
Glenn Diesen: ほんまそうですわな。「リベラル」は往々にしてシステムの開放性を指すために使われますわな。
Michael Hudson: でも開放的やないんです。
Glenn Diesen: 同意します。
Michael Hudson: アメリカは、自由貿易があったら制御できへんって言うてます。アメリカは自由な貿易や投資はあられへんって言うてる。みんながドルを使えたら、全部を奪い取って望むことをさせられへん。
何も開放的やないんです。アメリカによって中央集権的に管理された閉鎖的なシステムや。リベラリズムは中央計画やけど、政府による中央計画やなく、金融セクターと支配を守るための政治軍事セクターによる中央計画なんや。これがリベラリズムなんやって。それは政府やない、民主主義やない、金融的な富と軍事力による中央的な集権的計画なんやって気づかんといかんわけや。
Glenn Diesen: そうそう、そこへ向かってました。アメリカ国民からだけやなく、他の国々からも地代取りしてるっていうことですわな。せやから、アメリカ主導の経済システムから離脱する国々は苦しむだけやろうっていう仮定があるけど、ロシアの場合を見ると、これらの地代を払わんことで実は多くの恩恵が受けられることがわかりますわな。
でもそれがアメリカの状況やったとして、覇権国やった時は、誰もがドルを使い、誰もが銀行を使い、誰もが技術を使うっていう特権がありましたわな。今アメリカが衰退する覇権国として苦闘してるなかで、かなり異なるアプローチを取ってるように見えます。かなり収奪的な貿易アプローチですよな。
Michael Hudson: 金を最大化したいんです。
Glenn Diesen: たぶんそれは古い話かもしれんけど。この状況で、今やってることが明らかに見えてる中で、アメリカ経済に投資したいと思う人がどこにいるんでしょうな?
Michael Hudson: まあ、それがこれ全体のファンタジーなんです。ドナルド・トランプは言うてますやろ、二つの道がある。イランを攻撃して最後の賭けに出て石油を奪う、それが最初のやり方や。これはイランが原子爆弾を持とうとしてるとかいうことは何も関係なくて、アメリカはその石油が欲しいんや。あるいはそれをやったら、世界的な大恐慌になる。
でも大恐慌になったとしても、トランプは言うた、わいらの方が先を行けると。見てみい、わいらには石油がある、ガスがある、石油やガスは要らんのや。他の国の方が苦しむことになる。そしたらわいらの方が奴らよりも苦しまへん。縮んでいく環境でそれが勝利や、相手より苦しまへんことが。それが彼のファンタジーなんです。
でもわかってへんのは、アメリカには石油とガスはあっても、産業がないっていうことや。工業労働力がないから、今日工業製品を生産する手段が全くない。建設の労働力でも、ブルーカラーの仕事や汚れる仕事や低賃金の仕事のほとんどは移民がやってました。そしてトランプはそれを全部遮断してしまった。
せやから、移民がやってたレストランや農業の仕事はもうないし、工場もないからブルーカラーが働く場所もない。移民はいつも大変な仕事をやってきたんです。アラブ首長国のケースと同じで、そこでは主に移民人口やし。サウジアラビアも同じや。国々がそうやって労働力を集めるんです。
そして他の経済との競争で産業的にも農業的にも戦えへんのや。「これをあなたたちが必要なものと交換に輸出する」って言えない。なぜならアメリカの労働コストが高すぎるから。でもそれはアメリカ人の生活水準が高いからやないんです。
アメリカの労働の生活水準は2008年以来ずっと下がり続けて、ほんまは1980年以来ずっとや。1979年の後半が実はアメリカの労働の生活水準のキーやったんや。その頃は賃金で住宅が買えてたんや。でも特にオバマが銀行と塊の詐欺融資を救済して、本質的に低所得者の多くを追い出してしまってから。2008年以来、アメリカの富の成長のほぼ全部が、言ったようにトップの最富裕層10%にいってて。それは金融・保険・不動産セクターからの富やって、産業経済からやないんです。
せやからアメリカの産業経済は本質的に解体されてきたんや。アメリカはアメリカに系列会社を建てるため韓国とも日本とも取引したんやけど。せやから韓国は言うた、まあ、来てみたらアメリカの労働力を雇わんといかんかった。自分らの労働力を連れてこんといかんかったわけや。アメリカ人は建設労働には向いてへん。ただ雑すぎるって。
台湾も同じことで、西部にコンピューターチップ工場を建設する何十億ドルもの大きな計画があって。そしたらわかったんや、自分らの労働者を使わんといかんって。その仕事にアメリカ人労働者は使えへんって。アメリカではブルーカラー労働者になりたいと思う人が本質的にいないんです。そしてブルーカラーの仕事をやってくれる唯一の人たちが今、移民で来てこの国での足がかりを得ようとしてた人らで、国外追放されるかその脅威にさらされてるんや。ブルーカラーの仕事をすることがこの国で足がかりを得る方法やったのに。
このファンタジー、世界的な大恐慌があってもアメリカが勝者になれるっていう、結局アメリカが実は中身がないということを明らかにする結果になるやろうな。ジョン・マケインがロシアのことを「原爆を持ったガソリンスタンド」と呼んだのと同じようにな。まあ、ドナルド・トランプの代替案、残りの世界を恐慌に引き込むやつ、の下でアメリカに残るのはそれだけになるっていうことや。
石油があってガスがあって原爆がある。産業は全くないし、農業は破綻してる。せやから、もしイランに「うちらが攻撃されて経済を破壊されるんやったら、世界全体を道連れにする。そうすれば、うちらと一緒にあなたを救う道を見つけるか、永久的な恐慌の中で生き続けるかを選ばせることになる」と言って自衛させる路線を行ったら、アメリカを原爆を持ったガソリンスタンドに変えてしまうわけや。それがわいが見てる政治的なダイナミクスです。
Glenn Diesen: そうですな、国際システムが崩壊したら何とかアメリカがトップに浮かび上がれるっていう仮定は、アメリカがエネルギーの主権をたくさん持ってるっていう点ではある程度の強みがあるかもしれんけど。でも第二次世界大戦の時とは違う状況ですわな。あの時は大企業の台頭があって、技術的な発展もたくさんあって。戦後、アメリカは世界の工場で、世界の銀行でした。
今日は産業を外注してる。世界最大の、いや世界史上最大の債務国です。せやからあの時ほどの立場にはないんです。せやから、こんな戦争で強く出られるっていう考え方はあんまり意味がないんですわな。
でも最後の質問は、アメリカのパートナーたちがこれにどう対処するかについてなんです。アメリカはより多くの経済的譲歩を引き出す方向にシフトしてて、ヨーロッパで見るように、トランプはヨーロッパ人に望まなくても署名せんといかんような貿易取引を押しつけられるし。湾岸諸国はイランとの戦いでアメリカが費やした武器代を返済せんといかんっていう提案も出てますわな。
東アジアでは、台湾などはハイテク産業をアメリカにシフトし始めるべきやっていうコメントも出てますし。これはかなり搾取的な経済的アプローチですわな。誰もやりたくない。アメリカが持つ主なレバレッジは安全保障の依存ということで、アメリカが安全保障の保証者なんですな。
でも衰退する覇権国はしばしば不安全をもたらしますわな。ヨーロッパも湾岸諸国も同程度の安全を提供できてへんのが明らかで。せやからこれがどれほど持続すると思います?
Michael Hudson: まあ、それはちょうど首長国が今言ったことです。彼らは二つのことを思ってたんやな。アメリカの武器を買ったら機能すると思ってた。でも武器は高価なロールスロイスをガレージに持ってるようなもんで。見栄えはええけど、本当に効率的な車やない。武器は戦争に使うためのもんやない。攻撃するためでも、防衛するためでもない。ただ地上に置いてアメリカを喜ばせるためのものなんです。
それから二番目に、基地を持っても脅威にはならんと思ってたんや。アメリカがイランを攻撃した時、サウジアラビアとアラブ諸国は言うた、わいらは相談されてへんかったと。ヨーロッパ諸国も言うた、ちょっと待て、ドナルド・トランプは今わいらにKharg島とイランに侵攻しようとする最後まで戦えって求めてる。アメリカがそうするつもりがない中で、わいらが死ぬことになる。事実として、アメリカは自国の利益のために単独で行動してるんやってわかったんや。
せやからアメリカの軍事基地を置くということは、本質的に自分自身を破壊される標的にすることです。アメリカの軍事基地は攻撃の手段として置かれてるんや。防衛的やなく攻撃的やから。どんな敵に対して攻撃的やとしても、相手は反撃してきてそれを全滅させる。そして軍事基地が置かれてる国も一緒に消し飛ばされるわけや。せやから明らかに、それは安全やないんです。
でも何より、トランプがイランにわれわれがイランを破壊するために行った戦争の全コストをアメリカに払えって言ってることについて言及してくれて嬉しい。その石油を奪うことでその返済を奪うつもりやって言ったわけやし。明示的にそう言って、石油を奪ったんや。明らかに、アラブのOPEC諸国にも同じことをしたいんや。
彼の論理はこうや、わいらはあなたたちを守った、今あなたたちは軍産複合体の高すぎるミサイル、航空機、ミサイル発射台や、わいらが言うたような軍事的効果にはほど遠かったその他全部の費用をわいらに払わんといかん。紙の虎やったわけや、毛沢東の言い方をすれば。それに一体なんでどこかの国が、防衛しいへんのに、アメリカが戦争を仕掛けようとしてる国への標的にしかならへんような紙の虎なアメリカの軍事基地を置きたいと思うんや?
Glenn Diesen: アメリカの安全保障保証に賭けるのは奇妙な時代のように見えますわな。世界を見回して、この新しい権力分布への実際の調整がいかに少ないかに本当に驚きます。1990年代の覇権的政策を、権力分布が明らかにもはや覇権後、多極的になってる2026年に適用できるという前提は。
Michael Hudson: あなたが言ってる70?80年の安全保障は今やフィクションです。「ロシアがヨーロッパに侵攻した場合に安全保障を提供する」と言うための可能にするフィクションや。ロシアがヨーロッパに侵攻するかのようにな。ヨーロッパがロシアに対して安全保障が必要やという考え方がフィクションなんです。
ロシアはヨーロッパからほっといてもらいたくて、攻撃してくるなら、あるいはロシアの石油や精製生産を攻撃するためにウクライナにミサイルを提供してるようなやってることをやるなら、ドイツとイングランドとフランスを爆撃することを厭わへんわけや。ロシアはすでにヨーロッパに背を向けて東に向かいたがってて、ヨーロッパは失敗した文明の一部やから。衰退してるし、ロシアはヨーロッパを経済的に拒否するだけやなく、その社会的価値観と腐った政治システムもな。
ジェノサイドに反対だと言ったら刑務所に入れるというシステムや。これが民主主義や。わいらが担当で、民主主義の中でパレスチナ人は絶滅させるべきやないって言えへん。それは文明に反することで、刑務所に入れられるわけや。ドイツがそう言ったし、イギリスがそう言ったし、フランスがそう言ったし、憤りを表明する人を逮捕してます。
つまり、これは世界の残りにとって嘆かわしい文化です。ヨーロッパは全く民主主義でもないという事実の剥き出しの全裸を見てるわけや。そして守るためにここにいる、守ってもらうために払わんといかん、っていうこの話は全部、本当はただ、従わんかったら破壊するぞという軍事システムを設置するために払わんといかんってことで、不平等な貿易政策に従って、わいらを利するっていうことやね。
アメリカが勝たんといかん、ドナルド・トランプが言うように、そしてあなたは印刷するだけで産業、原材料、その他のものを買える我々のドルを使わんといかん。世界銀行とIMFが生み出す親アメリカ的な投資政策に従った結果としての貿易赤字を積み上げることから生まれた負債を払わんといかん。「食料を自分で作らずアメリカ産を買え」って言うわけや。世界経済を豊かで自由に保つはずやったシステム全体が、ますます不平等になり、ますます二極化し、ますます不安全になり、今日見ているこの解決できない衝突の頂点へとますます向かうものになってしまってたんです。
Glenn Diesen: そうですな、二日前にドイツの新聞にインタビューされて、ヨーロッパが衰退を逆転させたいなら、分断線を終わらせんといかん、つまりロシアとの紛争を終わらせて、ウクライナをこの新しい戦争の前線から外さんといかんって主張してたんです。
そしたら聞かれた、どこまで可能かって。わいらの価値観はあまりにも違う、わいらはリベラルデモクラシーを持ってて、ロシア人はあまりにも権威主義的やからって。わいは言うた、ジェノサイドに反対して抗議したら刑務所に入れるドイツを見てくれって。これが今でも世界を解釈するための非常に狭い枠組みであるっていうのが、相当に異常ですわな。単純に善人対悪人って。まあとにかく、締めくくる前に最後の思いはありますか?
Michael Hudson: まあ、全体の問いは、民主主義とは何かってことです。西洋で民主主義と称されてるものは、アリストテレスの時代のギリシャと全く同じです。彼は言うた、民主主義と称されるものは本当は寡頭制やって。でも誰が行政のリーダーになるかは投票させてもらえる、でも経済がどうあるべきか、社会がどうあるべきかは投票できない。
それは全部、人口の中で最も裕福な寡頭的部分によって決められてるんや。民主主義の全体的な目的は、経済が分極化するのを防いで、一般の人口の代わりに生活水準と生産性と幸福を高めるように行動するように、どうやって経済を運営するかであるはずや。それができるのは、金融寡頭制が発展して経済を分極化し、政府の権限を解体して権限を債権者や地主や財産保有者の手に渡すのを防ぐのに十分なほど強い政府があってこそです。
せやから、全体的な考え方は、古代の近東全体、バビロニア、シュメール、これら全てに統治者がいて、債務が経済を貧困化するのを防ぎ、土地がそれを全部蓄積した中央集権的な地主に没収されるのを防いで、古代の中東・西アジアが、古典ギリシャからローマ帝国までの西洋文明が苦しんだ方法で苦しまないようにしてたんや。そして今もその寡頭制という考え方の結果の中で生きてるんやな、政府を作って、民主主義と呼んで、寡頭制に支配されてへん政府は民主的やないっていう。
そして中国みたいな、生産性・富・生活水準を高めるために政府が行動しようとしてる国が独裁制と呼ばれる。まあ、これが生きてる欺瞞の語彙やっていうことや。そして今日わいらが抱えてる経済的な対立の解決の一部は、西洋経済がなぜ分極化してますます貧しくなっていくのかを説明するためにより現実的な語彙を提供するために言語のイデオロギー的な誤用の解決でなければならんのや。そして中国のような他の国々はなぜそうやないのか。中国が人口を向上させることができた、わいらがやってへんこととは何かっていう。その議論が始まらんといかんけど、まだ考えられへん段階にあるんや。
Glenn Diesen: そうですな、ほど遠い話です。洞察を共有してくれてほんまにおおきに。見てるものがほんまに異常です。
Michael Hudson: こちらこそ、Glenn、ありがとうございます。