KernowDamo:逆・出エジプト
https://www.youtube.com/watch?v=h2f8PMLTFb0
ベングリオン空港がいま、1時間にたった1便、しかも1便につき50人しか乗れん状態になっとる。イランがイスラエルの国内飛行能力をほぼ壊滅させたからや。イスラエル人は代わりに、エジプトやヨルダンを通って陸路で外に出とる。言うなれば「逆出エジプト」やな。ただ、今回は彼らのために紅海が割れることはあらへん。
これじゃあ、もう「神に選ばれし民」とは言えんのちゃうか? ベンヤミン・ネタニヤフにとっては、最悪の見栄えやわな。あいつは何年も「イスラエルの安全を保ち、コントロールしとる男」として自分を売り込んできたんやから。
唯一の出口は、自分らが他人の権利を否定しとるはずの「国境を越える特権」を使うこと。これは、世界に見せようとしてる「プレッシャーを冷静に乗り切っとる国」の姿やない。国の主要な国際空港が窒息しとる一方で、国民が隣国の国境を「より現実的な出口」として扱い始めとるんや。イスラエル政府は、これを一時的なもんやとか、運用上の都合やとか、好き勝手に呼べばええわ。けど、現実はみんなの目の前にある。空港は使いもんにならんくなって、陸路がその代わりを全部やっとるんや。イランが、イスラエルがよくやるみたいに橋を爆破せえへんかったんは、幸いやったな。レバノンの橋とか、まだ建設中のイランの橋を見たらわかるやろ。国民が出口に向かって全力疾走しとる時に、ネタニヤフの「強いリーダー」像なんて、ちっとも説得力あらへんわ。あいつら、どこへ行くんやろな。……家(元いた場所)に帰るんかな。
ベングリオン空港の惨状は、どんなスピーチよりも多くを物語っとる。空港ってのは、その国家がまともかどうかが一番出るところやからな。この制限は、どこかの通知に埋もれた小さな調整やない。1時間に1便、50人の乗客、しかも出国便だけ。航空当局は過越の祭(パスオーバー)を前に、領空の即時閉鎖を求めてる。これは「負担がかかっとる平常時」やない。主要空港が「管理された窒息地点」に成り下がっとるんや。政府は「空港はまだ開いとる」と言い張るかもしれん。技術的には飛行機は動いとるからな。けど、その「開いとる」っていう言葉は、中身を全部抜き取りながら体裁だけ保とうとする官僚の姑息なトリックに聞こえるわ。普通の市民が、慣れ親しんだ方法でメイン空港を頼りにできんくなった時点で、その空港は政治的な役割を果たせてへん。ネタニヤフが必要としていた「統治しとる」っていうイメージも、完全に蒸発してもうたんや。
イスラエル空港局が出した別の数字を見たら、隠しきれん問題がもっと浮き彫りになるで。2月28日、米イスラエル共同の対イラン攻撃を受けて領空が閉鎖されたとき、約10万人のイスラエル人が海外で足止めを食らった。3月9日までに、2万4,000人が133便の帰国便で戻った。その日の44便で約8,000人が戻る予定やった。……この数字をゆっくり読んでみ。もっとひどい形が見えてくるやろ。これ、入ってこようとする人だけの話やない。同じくらいの規模で、陸路を使って出ていこうとする人がおるってことや。国はまだ「すべては抑制されとるし、万事順調や」と売り込もうとしとるけどな。国家は戦争のプレッシャーを生き残れるかもしれん。けど、「市民の日常を常に完璧に保てる」っていう約束で生きてきた国家が、エジプトやヨルダンへの道に頼らざるを得んようになった時、その姿はえらいちっぽけに見えるわ。
で、過越の祭がネタニヤフのイメージをさらに悪化させた。国民が誰でも一発で理解できる「形」を物語に与えてしもたからや。祭りの前に出国しようとするイスラエル人たちは、バスで南に下り、エジプトの南シナイにあるタバを通ってバンで移動し、さらに南のシャルム・エル・シェイクから飛んどる。他の連中はヨルダンのアカバ経由を試しとるわ。接続地点に着くまでにエジプトで12時間も移動に費やす奴もおる。SNSはいつもの通り、この喜劇的な光景を面白おかしく広めとるわ。勝てもせんイランとの戦争を始めて、国民がイスラエルから逃げ出していく……エジプトからイスラエルに逃げるんやなくて、その逆や。しかもそれを祝う「過越の祭」の時期にや。皮肉が効きすぎてて、笑えへん話やな。
聖書の「ファラオからの逃走」という物語の上に築かれた国が、メイン空港が制限されてるせいでシナイ半島を越える脱出ルートを自作自演しとる。タバの検問所の列は、イスラエル国内まで35キロ以上も続いてるらしいで。エルサレムのアメリカ大使館も「一番早い脱出方法はエジプトかヨルダンへの陸路や」とアドバイスしとる始末や。イスラエルのアキア航空は、ベングリオン空港ができんくなったことを補うために、タバやアカバを使おうとし始めた。旅行者たちはWhatsAppのグループで、バンの手配や国境の手数料、eSIMのチップなんかを共有しとる。機能しとる空港ネットワークが使えんくなって、ぶっ壊れたシステムを自力で何とかせなあかんようになったら、人はそうするしかないわな。……まあ、ここで彼らに同情するかどうかは、自分次第やけどな。
さらにヨルダンが、恥の上塗りをさせてくれたわ。その回避ルートすら詰まり始めたんや。ヨルダンがアキア航空の便を停止させたせいで、何百人ものイスラエル人がアカバのキング・フセイン国際空港で足止めを食らっとる。「おっと、計画通りやな」って感じや。……あんまり同情しすぎて心を痛めんようにな。アキア航空は運用の大半をヨルダンやエジプトの空港に移す計画やったけど、イスラエル航空当局は結局、ヨルダンでの運用はキャンセルせなあかんと言うとる。一部はタバに回すらしいけど、それも許可次第で確かなもんやない。自業自得のボトルネックのせいで、イスラエルの航空会社は隣国から隣国へ、飛び回れる場所を探してさまよっとるわけや。
ネタニヤフの政治的商品価値は常に「国家は打撃を吸収し、マシンを動かし続けられる」っていう考えに依存してたんや。けど、飛行機が着陸も離陸もできんようになったら、どうしようもないわな。国民の命を守るために空港を「1時間1便、最大50人」に制限して、自国の航空会社が他所へ行くのを認めた時点で、あいつは「自分のシステムが普通の移動すら提供できん」ってことを認めたも同然や。自分が始めた戦争を避けようと必死な人々を前にして、もう「継続性」なんて語れへん。ただの「欠乏の管理」や。主要メディアはこれを単なる「旅行アップデート」や「サービス告知」として報じて、文脈を完全に無視しとる。空港は技術的には存在するし、便も動いとる。けど、どう見ても平常時やないし、いつ戻るかもわからん。
外国のパスポートが、この話にもう一つの側面を加えとる。「誰に選択肢があって、誰にないか」を暴いてるんやな。イスラエル大使館は、有効な外国パスポートがあれば今年9月末まで出入国を認める、なんて言うとる。2月に発表されたイスラエル軍のデータによれば、5万人以上の兵士が外国籍との二重国籍や。二つの追加国籍を持つ兵士が4,440人、三つの国籍を持つ奴が162人もおる。今出ていってる連中のうち、どれだけが二重国籍で「帰る場所」があるんかは正確にはわからん。けど、かなりの数の人間が「いざとなったら他へ行ける」って事実は重いわな。プレッシャーが高まったとき、逃げ道がある奴とない奴では、感じ方が全然違う。銃口から逃げる道があるなら、あいつらはそれを選ぶわ。タバへの35キロの行列に並んでる連中は、自分たちには「他の選択肢」があると思っとるんやろうな。
イスラエル民主主義研究所の調査によれば、外国籍を持つイスラエル生まれのユダヤ人のうち、38%が「そもそもイスラエルを去ることを考えとる」らしい。外国籍がない層の25%に比べても高い数字や。若い世俗的なユダヤ人に至っては、60%以上が脱出を検討しとる。高所得で外国籍持ちなら、その数字は80%まで跳ね上がるわ。脱出を考えてるユダヤ人の69%は、何か特定の目的があるわけやなくて、ただ単に「イスラエルを出たい」だけなんや。その43%はEU諸国を好み、27%がアメリカやカナダを選んどる。「永久に去る」と言うとるんは10%程度やけど、問題はそこやない。お金や若さ、世俗的なアイデンティティ、そして他国の書類を持っとるかどうかで、「脱出したい」という欲求が社会的に分配されてしもとるんや。戦争がなくてもこの断層はあったのに、今回の空港の件でその亀裂がさらに広がってもうたな。
ネタニヤフの擁護派は「これは戦時の不便や。攻撃を受けてる国ならどこでもこうなる」と言うやろうな。もっともらしく聞こえるけど、3秒でボロが出るわ。他の国は、ネタニヤフが何年も使ってきたような言葉で自分を売り込んだりはせえへん。「謙虚な回復力」やなくて「絶対的な支配と優越」を売りにしてきたんや。「普通の脆弱性」やなくて「抑止力としての強さ」を売ってきた。ブランドをそうやって築き上げた以上、市民の移動が目に見えて崩壊したことは、単なる「戦時の摩擦」やなくて、国民に約束したことへの「直接的な裏切り」として突き刺さるんや。だからこそ、この件はネタニヤフ個人にとって大きな屈辱なんやな。「戦争は大変や」ってことやなくて、「国家は安全やと売り込んできた男のせいで、国民が隣国の国境から逃げ出してる」ってことが恥なんや。
ここでエジプトとヨルダンが重要なのは、単なる地理的な便利さだけやない。ネタニヤフの政治は常に、イスラエルの地域的パワーを外に投影することを目指してきた。けど、ベングリオン空港が窒息し始めた今、実質的な問題は「エジプトとヨルダンがどれだけイスラエルに場所を貸してくれるか」に変わってしもた。どれだけあいつらが膝を屈して、どの検問所が動くか、どの便が飛ぶか、アカバやタバがイスラエル人の流入を吸収できるか……。イスラエルの地域的パワートリップが、一気に「他国への依存」という物語に縮んでしもたんや。イスラエルにはまだ飛行機も兵士もミサイルもある。コントロールについてデタラメをぬかす大臣もおる。けど、「どうやって外に出るか」という基本的な問いに対する答えは、隣国の国境手続きや空港のキャパシティ次第になってもうたんや。これは単なる一時的な恥やなくて、イスラエルがいかに他国に依存しとるかを暴き出した、政治的に致命的な露出やわな。
そして、過越の祭がすべてを研ぎ澄ませた。この移動問題を、誰もが(特に逃げてる本人たちが)よく知っとる「物語」に変えてしもたからや。だからジョークが光の速さで広まるし、深く刺さるんや。「エジプトを脱出する休日を祝うために、エジプトを通って脱出する」……これは反対派の宣伝やなくて、今現実に起きてることそのものや。実際に人が通っとるルートが証拠なんやから、どんなスピンも通用せえへん。
ネタニヤフはまだ強さやコントロールについてベラベラ喋れるかもしれん。けど、正直なところ、今この時点で誰があいつの言うことを真面目に聞いとるんや? 空港は詰まり、エジプトへの脱出路は35キロの列。ヨルダンには拒否されとる。この「イカれた政府」による「安全な国家」っちゅう茶番は、国民が必死に国境に並んで「逆出エジプト」を演じ始める前よりも、ずっと説得力を失っとるわな。

